【高崎ビーチ、7:00】
土曜の朝からは、本格的に福江島での運用だ。福江島であらかじめ見繕っているQRVポイントは、高崎ビーチや、多郎島海水浴場、鬼岳、柏崎灯台など、東側が開けた場所だ。更に、毎夜ホテルへの帰着前の「ちょこっと運用」や、最終日の運用用などに、街中に近いロケとして、大津みなと公園や崎山漁港海浜公園などを予定している。この中でも、勝手に最強ロケと考えているのは、多郎島海水浴場と柏崎灯台の二つで、ここで多くの時間を費やすつもりである。この二つのロケは特に、東側の海がどーんと開けているからである。
まずは、高崎ビーチで運用を開始してみる。高崎ビーチは島の北西部に突き出た半島の東側面に位置している。
このビーチは、白砂のビーチで、右手に草原のように突き出た岬とともに、久賀島などの陸地の遠景が広がる美しいビーチだ。海の色彩といい、浜辺にたたずんで景色を眺めているだけで、実に気持ちが良い。
五島に来てから気づいたことの一つに、「水が非常に奇麗だ」ということがある。これは正直意外だった。「奇麗」という意味合いは、単純に沖縄のビーチのように水の彩りが美しいというだけではなく、水そのものが奇麗だということだ。通常、美しく見える海でも、岸壁や防波堤の隅などは、水が淀んでいたりして、きれいでない場合もあるのだが、五島の場合はそんなことがないのである。
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浜辺の水際に立って、とりあえず87Rでワッチを開始してみる。
体を抜けていくそよ風も清々しい。天気の加減といい、右後ろの方では、日傘をさして流木のような丸太に座った新垣結衣さんが、「暑いっ!」とか言っていそうな雰囲気だが(謎、もちろんそんなものは幻に過ぎない(笑。ただ、目の前に広がる海と遠くに見える陸地や島影などの美しさは、映画の世界と一緒だ。
チャンネル内はいたって静か、上がってくるにはまだまだ時間がかかりそうだ。まだ朝7時なので、誰も聞こえて来なくても不思議ではないが、この景色に溶け込んでいると、無線はもう半分どうでもよいような気もしてくる(笑。
しかし折角ここまで無線を運用しに来ているのでそうも言ってはいられない。しばらく景色を堪能した後は、隣の漁港の防波堤に移動、01Xで本格的な運用開始だ。運用という意味合いでは、浜辺の水際で長時間QRVしようというのは、日差しもそうだが、イスに座っていても意外と疲れるものだ。防波堤は風や、時には日差しを遮ってくれるし、ポータブル機を置けるスペースも自ずと提供される。リグ用に折り畳みイスをわざわざ展開する必要もないのだ。
ただ、肝心のコンディションの方は一向に上がってこない。時々飛んでは来るのだが、かするようで、全く安定しないのだ。とうきょうMS25局は、「ようやく安定してきましたね」と言われたぐらいかなり安定して入ってきたので、そのまま安定するかに見えたが、その後もコンディションは上がらずじまいだ。結局、高崎ビーチでは6QSOに留まる。
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