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【朝が訪れる: 北大東島と朝陽】
北港の朝
島の朝はいつも穏やかだ。
北港の朝も何も聞こえない。足元からは波の音すら聞こえてこないのだ。ただ、ゆらゆらと朝日が輝いているだけだ。どこかしんとしている。
島の南部にある、日の丸山展望台から見た朝もそうだった。一面に広がったサトウキビ畑のカーペットが徐々に緑色に照らし出されてくる様子は、静寂そのものだった。
もちろん、絶海の孤島なので、こんな日ばかりではないことは分かっているのだが・・・。
北港: 朝がやってきた
北東の空がピンク色に染まり(上段)、やがて西の空や景色が赤く輝き出す。(下段)
日曜の朝も、例によって、8、7などの浅い反射からだ。
6時を回るとすぐに、ソラチAA246局とつながる。RSは54だが、あさイチはバックグランドノイズが皆無なので、耳Sは4以上に強力に聞こえる。よこはまAM64局は、青森のMMらしい。
昨日(土曜日)の朝は、コンディションが悪く僅か20QSOほどしかできなかった。今日も、コンディションは絶好調というわけではなく、落ちるのも早いようで、QSO後もずっと聞こえている局長さんはごく稀だ。
連続技でつながり始めるのは、やはり8時になってからだ。日曜の朝なので、通勤時間帯というわけでもないのだろうが、やはりQSOはQRV中の局長さんの絶対数に完璧に比例しているようである。絶対数が増えると1エリアともつながるようになる。五島に引き続いて、今回もタイミングよく、よこはまUQ3局とつながった(笑。
今日も相変わらず好調なのは新潟や石川などの0、9エリアだ。3日もいるとだいたいつかめてきたが、こちらによく聞こえてくる局長さんで、こちらの電波もちゃんと飛んでいくのは、6、5エリアと、4エリアの山口県などの九州寄りの地域である。1エリアから北は、かなり選択性が出てくる場合が多く、飛び受けにかなり差が出てくる場合が多い。つまり、聞こえてくるのにこちらから全く飛ばなかったり、逆にこちらからかなり強く飛んだりで、RSレポートに結構な差がついたりするようである。
当局はいつもCQ出しメインで運用しているのだが、それでもその違いははっきりとわかる。呼び出しメインで運用すれば、もっとその違いはわかるはずだ。
QSOを続けながら、さっきから気になっていたのは、海の水の色の、なんともいえない芸術的な美しさだ。リグは、文字通り岸壁の壁の上で、一歩誤ったら海中にドボンのセッティングでやっているので、その水の色を覗き込むように運用するような形になるのだ。もちろん、2010年にも、そして2017年にも、同じ感動を覚えたことは忘れてはいない。
おそらく、色は時間によって少しづつ変化していくのだろう。
2010年
2025年
今回の遠征では、おじさん(おじいさん)に話しかけられることが多いようで、昨日の朝もこの同じ場所でおじさんに話しかけられた。もちろん金曜日の夜の「底もの」のおじさんとは別人である。
その人は、職業的な無線の資格をもっているようで、気象庁の観測所に勤めていたことがあるらしい。県内の観測所を転々とされていたようだ。
その方によると、当時は各観測所に無線の資格を持った人を一人は配置する必要があったらしい。職をいくつか経験していく中で、たまたま高校の時に取得していた無線の資格があったおかげで、観測所の仕事にありつけたのだという。もっとも、資格を持った人が必要なだけで、日々の仕事が無線に関係していたわけではないようだ。
おじさんいわく、南大東からのHFは距離が中途半端で、国内相手だと、かなり電波が落ちる場所とそうでない場所の違いが現れるらしい。金曜の夜の「底もののおじさん」が言っていたことと全く同じだ。
これまで2回、この島で運用しているが、当局的にはこれまでそんなことを感じたことはなかった。しかし、それが実際のようだ。
日の丸山展望台からの静寂な朝
© Nagoya YK221/なごやYK221
2025南大東島