2025南大東島
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【海軍棒 東屋にて】
海軍棒の朝
「海軍棒」の名前は、旧海軍がここに測量用の棒を立てたことに由来する。ここが日本の領土であることを示すためだ。明治25年のことである。その頃までは無人島であったので、島の歴史は意外と浅いことになる。
ここは「東海岸植物群落」の一角にあり、東屋からは、海岸沿いの岩礁に形成された植物群落が、北大東島の方へ向かって続いていくのがよく見える。緑色のベルト状になった、いかにも大東島の植生を象徴するような景色だ。
初めてこの場所に来てから15年が経つが、全体の雰囲気は15年前と何も変わっていないようだ。東屋は少し外観が奇麗になったような??この東屋のある場所から更に急坂を下ったところにあるのが、「海軍棒プール」だ。岩礁を掘削して作ったこのプールは、島でも海水間際にアクセスできる貴重な場所だ。ちなみにこの急坂、車で下りることができるが、軽自動車では登るのがやっとなくらい急だ。登るときはエアコンを切らないといけない(笑。
左)2010年、右)2025年。変化なし(笑。 この右手に東屋がある。
通常はプールの階段脇に車をとめて、ルーフにリグを置いて運用し、入感が厳しい時や、更に飛び受けのSをよくしたい時は、87Rを持って更に波打ち際ならぬ「波砕け際」まで近づいて運用するのが通例だ。ルーフの上でも飛び受け的には十分だが、それでも「波砕け際」まで移動すると20mに満たない距離なのに、Sは更に上がることになる。ただし、87Rのアンテナは、知らないうちに細かい水しぶきがかかっていたりしますが(笑。
金曜の朝、さっそくQRVしてみる。昨日はノー感だったので、コンディションが心配だが、この海軍棒プールは、これまでに数々の実績を積んできているのでロケ的には不安はない。
しばらくは、東屋でのんびりワッチ、さすがに6時過ぎではまだ入感はない。(=冒頭写真)
通勤時間帯にかかり始めるところで、いよいよ下のプール脇に移動、770DXで運用開始だ。
しばらくすると、にいがた8978局のQSOが聞こえてくる。Es狙いではなく、ローカルさん各局向けの朝の集会?か何かのローカルQSOだ。それがすべてこちらに聞こえてくる。
朝は例によって浅い反射から始まるが、0エリア、特に新潟地区とは非常に相性がいいようで、この現象は最終日まで続くことになる。7、1エリアもよく聞こえてくるのだが、なぜか7と1エリアには、こちらから飛ぶ地域と全く飛ばない地域の選択性があるようで、特に1エリアはいくら呼べども通じない局長さんが多いという状態だ。混信で相手が取れないというのではなく、こちらが全く聞こえていない雰囲気だ(笑。というより、向こうからこちらには常に聞こえているのだが、こちらから飛ぶのが一瞬のようで、うまく聞こえた局長さんだけ、お相手いただいているような感じか?そのくせ、向こうに飛ぶときは、55以上で強力に届いている時が少なくない。
よく聞こえるのに、こちらからは飛ばないというのは、時々あるパターンだが、これだけハッキリと伝搬に選択性が生じるのはあまり経験したことはない。おそらくこちらからの送信波は、うまく反射で降りるときと、降りない時があるのだろう。
今朝の海軍棒は、比較的穏やかだ。それでも波は結構高いので、波がしらを透けてくる光が創り出す水の色合いがなんとも美しい。外海とは違ってプールの水はいつもの奇麗な碧色、しかも水面はさざめき一つない。
東屋を見上げると、きょうも快晴の青空になりそうだ。
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