　【父島扇浦海岸】

87R最終チェック！

　今回の小笠原行は、船のキャンセル可能期間を過ぎても父島での宿が全く取れない状態だったが、毎日小笠原村観光協会のWEBサイトを見つつ、粘りに粘って、空きが出た瞬間に予約を入れてようやく渡航が可能になったような状況だ。小笠原では、村の条例により野営やキャンプが禁止されているので、必ず宿をとる必要があり、宿が取れない状況では渡航はできないのである。

観光協会のWEBサイトにはすべての宿がリストされており、空き状況が一目でわかるようになっている。小笠原、特に父島はホテル、ロッジ、民宿等、相当な数の宿があるが、夏休みでもないのに二か月前から完全に予約で埋まり続けているというのはかなり異常な状況である。

ということで、宿は何とか取れたものの、島内の足となるレンタカーやバイクも一杯で予約は不可だったので、今回島内の移動はバスである。本数は多くはないが、島内は村営バスが走っているのである。今日の夜は、今降りたばかりの、この二見港から再びおがさわら丸で硫黄島までのクルーズが始まるわけだが、そのまま夜まで港でQRVするというのも味気ないので、扇浦海岸まで移動してQRVしてみる。扇浦海岸は二見港の南にあり、バスで10分ほどの距離である。

ここは海水浴にも適したようなきれいな海辺だが、金曜日とあってか、誰もいない。カヌー遊びなどをツアーとして提供しているカヌー屋さんもあるが、かなり手持無沙汰のようである。運動靴に長ズボン、大きな黒いリュックを背負ってビーチの水際に現れた怪しい当局には訝しげだが、それでも「こんにちは～」と大きな声で声をかけてくれる。

リュックが大きいのは他でもない、中にしずおかDD23局からお借りしている、「CBにゃん」が入っているからである。折りたたみいすにさっそく展開して、QRV体制に入ってみる。最後にQRVしていたのは、父島に着く２時間前の小笠原MMだから、かれこれ今から４時間前だ。果たしてコンディションは少しは上がっているのか？しかも今日は金曜日で、昼休みの時間ももう終わろうとしている。

渡航前、しずおかDD23局からは、「今年のEsコンディションは例年とは違って全般的にダメダメ、上がる時も聞こえるのは一瞬だから、心してQRVするように」、とのお達しをいただいていた（笑。DD23局は毎日QRVされているので、これはおそらく間違いのない情報だろう。確かに、今朝父島に着く直前にやっていたMMでも、コンディションは飛ぶようで（＝飛び飛びにしか上がらない）、連続技でつながることは全くなかった。つながったのは、わずかに9局ほどだった・・・。

　向こう側に、停泊中のおがさわら丸が見える

ビーチの日差しを受けながら、8Chでワッチに入ってみる。時はちょうど13時だ。まだQRVされている局がおられるようで、とうきょうAD879局や、イバラキAB399局が強めに入ってくる。朝よりは少しは上がっているようだ。

始めは全く聞こえてこなかったが、DD23局もずっと待ち構えられていたようで、交信を開始すると56まで上がってくる。比較的安定しているようだ。そこでいいことが思いついた（笑。DD23局には申し訳ないが、87Rの飛びをチェックしてもらおうという悪だくみだ。前回の八幡岬運用では、実のところ、まさしく硫黄島MM向けに87Rの性能チェックを行っていたわけだが、CBにゃんの持ち主であるDD23局に、当局の87Rと比較してもらおうという寸法である。

後からもういちどDD23局を呼びだして、87Rと比較してもらうと、CBにゃんで55が87Rでは52～53ということらしい・・・。まあ、そんなもんでしょう。DD23局からは、「Sは少し落ちるが特に問題はない」、とのレポートだ。この個体は、「おとなりに銀河」の八木莉可子さん仕様（謎）87Rで、謎はさておき、実体はラジックス改の新技適87Rだ。新技適化からかれこれ10年ぐらいになるが、これで一応「いける」ことは確認できた。Sは少し落ちるようだが、アンテナチューナー付きのDD23局の新技適機は、どれも飛び受けがよいので、この程度の差は全く普通で気にする必要は全くないのである。

ウイークデーの昼下がりだが、けっこうQRVされている局が聞こえてくるので、コンディションはそれほど悪くはないようだ。ながのDB14局は、今回の硫黄島3島MMのことを「ナガノNP152局から聞きました」とのことで、「明日はいよいよ硫黄島MMですね～」と言われる。

海の向こう側には、停泊しているおがさわら丸が見えている。今夜あの船に乗って出発だ。DB14局が言われる通り、明日が本番なので体力温存のため、扇浦海岸でのQRVは1時間半で切り上げて二見港に戻ることにする。


二見港に戻って隣の大村海岸でしばしQRVしてみるがノーメリット。それにしても、海がきれいだ。