[夏めく海: 守谷海水浴場] 





うっかり八兵衛は、いったいどれだけうっかりなのか?



以前にも何度か記しているように、「うっかり八兵衛」や「風車の弥七」、「越後の縮緬問屋」は、当局が仕事の出先として会社のオンライン上のスケジューラーに載せるのに大活躍してもらった方々だ。出先の目くらまし作戦用である。その頃から不思議に思っていたことのひとつが、うっかり八兵衛はいったいどれだけうっかりなのか?、ということである。

うっかり八兵衛は、あだ名自体に「うっかり」がつくくらいだから、凄い名前だ。よほどうっかりに違いない。

それにしても、これほどニックネームとしてインパクトがあるものもないだろう。そのままあだ名になるくらいだから、いったいどれだけうっかりなのかと思うのだが、実際には、少々食いしん坊で、おっちょこちょい、あるいは、のん気で物事の考え方が浅はかといった側面はあるものの、見ている限りでは、あまり「うっかり」したところは見受けられない。いつもぼ~っとしている訳でもなければ、物忘れが激しいわけでもない。

どうも、「こいつはうっかりだ-」というのが口癖であるところからこのニックネームがついているようではあるが、実際には本人が思うほどうっかりではないのかもしれない。うっかりばかりでは、水戸の黄門様のサポートはすぐにお払い箱になっているはずでもある。

ということで、今回の移動先は千葉県勝浦市の八幡岬である。勝浦湾を形作るように、太平洋に、崖状に突き出た岬である。1500年代、ここには勝浦城があり、勝浦正木氏が居住していたという。

 











八幡岬公園


87Rは劣化しているのか?



QRVポイントは、駐車場から3~4分歩いたところにある、文字通り崖上の展望広場(八幡岬公園)である。正木氏の居城跡がそのまま公園になっている。今回の目的は、今年の「南の島運用」に向けて、CBにゃんのさらなる習熟と87Rのチェックである。前回GW一斉OADでは、CBにゃんで運用、その戦果をしずおかDD23局に報告した際、87Rとの性能格差にDD23局からは「87Rが劣化しているのではないの?」というコメントをいただいていた。つまり、CBにゃんが87Rに比べてあまりに感度が良かったため、むしろ87Rの方が劣化しているのではないか、というDD23局の指摘である。(⇒詳しい経緯は、上記運用記を参照ください)

したがって今回は、その確認のため、とりあえず87Rを3台用意して比較してみようという作戦である。もちろん、CBにゃんと87Rの3台間だけでは比較対象が乏しいので、NTS115もセットアップしてみる。87Rのチェックに拘るのは、今月末から予定している「南の島運用」では、今回は87Rも大事な役を担いそうだからである。したがって、最もよい状態のものを持っていく必要がある。(なお、今年の南の島運用については、直前に予定をUPする予定です。)


海抜のある崖上の展望広場からは、太平洋が水平線までどこまでも続く。今日は、風もなく海も穏やかだ。ただ強い紫外線のせいか海が深く、青い。崖際のベンチにCBにゃんをセット、87R3台でさっそく比較試験に入ってみる。Esもでているようだが、交信ではなくリスニングによる比較がメインだ。

さっそく前回運用で問題となった2台の87Rのテストである。1台は、GW一斉OAD本番の前夜、「おとなりに銀河」(謎)で使ったもの(=便宜的に「①」)。もう一台は、本番でCBにゃんと並行して使用していたもの(=便宜的に「②」)である。

この②が、DD23局が言うところの劣化が疑われるものだ。さっそく、当局自慢の「ステレオ方式比較法」(笑)で、しばらくの間いろいろな信号を聴きながら比較してみる。しかし、ほとんど全く受信感度上は差異がないようだ。ちなみに「ステレオ方式比較法」とは、2台のリグを両手である程度離して持ち、同じ信号を受信して、音の定位が中心から左右のどちらにどれだけ偏るのかを見る方法だ(爆。もちろん、ボリュームはできるだけ正確に同じに合わせておく必要がある。(その逆の方法も可能。)

ただ、しいていえば、「おとなりに銀河」の①の方にごくわずかに偏っている(=感度がいい)ように思われる。が、しかしこの程度は誤差範囲だ。いずれにしても、どちらのリグも使用上は全く問題はない。

さらに今度はもう一台(=便宜的に「③」)を、良かった方?の①と比べてみるが、これも結果的にほとんど全く差異は感じられない。ただ、この3台でむりやり感度の順番をつけるとすれば、③、①、②の順ということになる。


さっきからEsはいろいろな局が入ってきているので、比較実験には好都合だ。たまたま①を左手に持っている時にやまぐちLX16局が入感してきたので、そのまま口元に近づけて試しに呼んでみると、一発で応答がある。劣化のかけらも見られない。レポートもHis/My同じだ。ということは、受信感度の差からして、おそらく②でも同じようなものだろう。したがって、心配されていた②の劣化については、あったとしてもごく僅かで、おそらく誤差範囲の程度であろうと推測される。

つづいて、一番良かった?③を除外して、①と②でNTS115と比較してみる。115はSメータのLEDの点灯はかなり敏感なものの、2台の87Rは耳Sでは115とほぼ同じだ。無理やりどちらが上かと言えば、115の方がよいような気もするが、こちらの差もほぼ誤差範囲のレベルである。

87Rの状態はだいたい掴めたので、今度は115とCBにゃんを比べてみる。CBにゃんはプリアンプオフである。しかし、CBにゃんの方が、「明らかに」耳S感度は上だ。さっきの87R間の「誤差範囲」程度の差とは違う。しかもCBにゃんは余計な音が聞こえない。さらに、CBにゃんはプリアンプオンでRFゲインをもっと稼ぐこともできるので、信号の状態や、ノイズ、合法局同士の混信具合に合わせて、意のままに受信状態をコントロールすることができる。


今回は自作スピーカー第5弾を投入(笑:

いつもの通り暇な時間を見つけて超テキトーに製作。手持ちのユニットと材料で作っているので、ユニットは8Ω。4Ωほどにはパワーは入らないが、十分いける。

今回は背面のパッシブラジエターもカバーで保護(=上段右写真)。無造作にリュックに放り込める。

これで、リュックの荷物の量や、歩行距離などTPOに合わせて、大きさを選べる??(=下段右写真)
 




どうするもこうするもないョ家康


引き続き、なんとかCBにゃんの欠点を探してやろうと、やっきになって運用してみるが、残念ながら欠点らしい欠点は見当たらない。唯一の欠点は、大きくて重いことだが、小さくすることは最初から設計の意図には入っていないので、欠点という言葉はあまりふさわしくないだろう。メリットとデメリットは常にトレードオフの関係にある。アンテナチューナーやノイズキャンセラーを備えていることがメリットである代わりに、大きくて重くなることがデメリットになるということで、これはいわゆる欠点とは異なる。

短時間でもだいたいのリグの関係はつかめた。Esはいつまで聞いていてもきりがないので、八幡岬からは一旦撤収だ。昼ぐらいからまた別の場所から出てみることにしよう~。


ところで、この八幡岬、勝浦城があったのは前述の通りだが、1590年秀吉の小田原攻めに関連して、落城し、廃城になったという。その時の城主が正木頼忠で、落城の際、この崖の上から下の海上の船へ白い布を垂らして、それを頼りに城を脱出したとされるのが、頼忠の娘であるお万の方だ。伊豆に脱したお万は、やがて徳川家康に見染められ家康の側室となり、紀伊、水戸の御三家の祖となる徳川頼宜と頼房を生んだ。つまり、白布の脱出劇が成功していなかったら、お万の孫にあたる水戸光圀、すなわち黄門様は存在していなかったかもしれない。うっかり八兵衛の「こいつはうっかりだー」も、ひょっとしたら聞けていなかったかもしれない・・・。

ただし、これは「白布の伝承」の話が本当ならという話で、実際には1577年正木憲時の乱という乱が起こった際に、勝浦城は城攻めに遭い、正木頼忠はいったん城を明け渡している。その城攻めの際に、お万の方は既に小田原に移り住み、その後母親の再婚に伴い河津城主蔭山氏広の娘となったと言われる。また、一般的には頼忠の娘とされるお万だが、父は蔭山氏広という説の他諸説あるようで、出自についてははっきりしていないようだ。


     [八幡岬より勝浦灯台]





OADがスタート・・・・・しなかったっけー、今日は。こいつはうっかりだー。




 
[官軍塚]



歴史ついでに・・・


昼からは、海水浴場などのビーチから運用!、と思って近くのビーチを2、3、回ってみるものの、当然ながらどこも直射日光、炎天下ではどうもQRVに耐えられそうにない。勝浦灯台の先にある、官軍塚という公園に立ち寄ってみると、海を見下ろせる駐車場脇のベンチがちょうど木陰になっており、そよそよと風も吹いているので、ここでならゆるりとQRVできそうだ。ここには展望台もあるようだが、木陰のベンチからラクチン運用である。


本日の歴史話ついでに補足すると(笑、この官軍塚、名前からして官軍と何か関係がありそうなことはすぐに察しがつくが、戊辰戦争の末期、熊本藩兵を乗せて函館の五稜郭へ向かっていた「ハーマン号」という船が、このすぐ下に見える川津集落の沖で難破したのだという。村人が総出で救助に当たったものの、残念ながら200人以上の方が亡くなったという。この官軍塚は、その亡くなった方々の慰霊のために作られた公園だという。


Esは引き続いているようで、7、8、6、JR6等々、強い局、弱い局入り乱れて、さまざまな局長さんが入感してくる。聴いていると、しずおかDD23局を呼んでいる局もあるので、DD23局もQRVされているようだ。ショートメールでご本人に確認してみると確かに出られているという。CBにゃんの持ち主なので、QSOしながらいろいろ確認してみたいこともあるのだが、このロケではどうやっても入感がないようだ。ここの海抜は結構あるし、DD23局は富士山2合目のようなので、いけそうな気もするのだが、房総半島の背骨辺りでつっかかってしまうようだ。

CBにゃんは、世の中にこれ一台しかないので、論評したところであまり意味はないが、このように各局が入り乱れている状態では、聞こえ方は特に秀逸だ。例えば、SR-01などではこのような団子状況では、完全なブザー音になってしまって、復調どころではない場合が多々あるが、CBにゃんでは、強い局から4番目ぐらいに弱い局まで、ちゃんと分離して聞こえてくるのである。

もちろん新技適化にあたって部品交換や回路の改良をおこなっているのは事実だが、CBにゃんでDD23局が主にいじっているのは、アンテナ―チューナー回路の付加と、ノイズキャンセラーの追加であり、ベースとなるICB-770の回路の基本骨格はそのまま使っているはずだ。SR-01などは、10.7MHzの1st IF以降の信号処理は、元シリコンラボのいわゆるパッケージ型ラジオIC(Si4735-D60)での処理と理解しているが、770は大昔なので、ディスクリート構成だ。究極的にどちらが良いか悪いかは別にして、その違いがそのまま出ているような気もする。最新でありながら、NTS115もディスクリート構成なので、このような団子状況では115はSR-01に比べてはるかによい聞こえ方がする。もっとも、これも使用するICのレベル次第と思われるが・・・。

ついでに、これもコメントしてもあまり意味はないが、さらに、CBにゃんの特徴として、キャンセラーをオンにして、位相つまみ(=ノイズ側の位相調整)と、RFゲインをコントロールすることで、ねらった局の受信をかなり聴きやすく(コントロール)することができる。これはノイズキャンセラーの目的外使用(笑)だが、そんな使い方も可能ではある。

さあ、これで南の島運用の準備は万端?????・・・だといいのだが。



16QSO、各局TNX!! (2023/6/20)

(文中敬称略)



どうしてこんな山の中にパティスリーが???: クインズケーキ (勝浦市)
 
  「苺のクイーン」と「メロンのショート」:
 センターラインもない山の中の道を進んでいくと、何もないところに突然現れる「クインズケーキ」。
 いったい、なぜここに???・・・理由を聞いてないので分かりませんが。
 駐車スペースは一杯、あずまや風のテーブルもお客さんで一杯、カウンター風の席も埋まっている。
 当局の前後にもひっきりなしにお客さんがやってくる・・・。

 このまま謎のままにしておいた方がよいのかも知れない。



運用データ


 
■運用日時・場所:
 
  ・2023年6月17日(土) 
    8:30~10:40: 千葉県勝浦市八幡岬公園
    11:35~13:00: 千葉県勝浦市官軍塚 

 ■使用&装備リグ:
   CB : CBにゃんJr. MKⅡ改DX 
        (東海DX・CB無線クラブ)
        ICB-87R (SONY/ラジックス改新技適)
        ICB-87R (SONY)×2
        NTS115 (西無線研究所)       

 ■使用&装備電源
   リチウムイオンポリマー電池
     11.1V/5.1Ah
11.1V/3.0Ah
11.1V/1.5Ah
   ・乾電池




QSO局
16QSO TNX!!  
(敬称略)

2023年6月17日(土) 快晴 八幡岬公園      
サガミFJ1300/JD1父島 53/51 しりべしCB49/北海道 57/55
サッポロTA230/北海道 55/54 ナゴヤAB449/沖縄県 *1 53/53
アバシリKC223/北海道 54/57 ヤマグチWM201/山口県 57/57
やまぐちLX16/山口県 *2 55/55 
2023年6月17日(土) 快晴 官軍塚   
トカチDM260/北海道  56/55  トカチST617/北海道 57/56 
ちばAB31/青森市  54/54  そらちAA246/北海道  57/54 
アオモリGG104/青森県  53/53  サッポロTA230/北海道  53/53 
くまもとIA52/熊本県  57/56  イワテIW123/岩手県  55/56 
アキタSS229/秋田市 57/57 
  
当局リグ *1: NTS115 *2:87R 無印: CBにゃん





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