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6月17日(金):西表島へ

西表島は、他の八重山諸島の島々とは違い、多彩な顔を持つ島である。島の中心部の秘境に近づけば標高450mを越える山や、滝もあり、渓流沿いのトレッキングを楽しむこともできる。カヌーや船で海から川へ遡上すれば、マングローブの生い茂ったアマゾンのような熱帯樹林の雰囲気も味わえる。白い砂浜のビーチへ出れば、色とりどりの熱帯の魚を間近に、シュノーケリングやダイビングが楽しめる。沖縄県では、2番目の大きさの島であるにもかかわらず、人工はわずか2,000人、島の内部のほとんどが手付かずの自然の状態で残っていることにもよる。イリオモテヤマネコのような珍種が発見される所以でもある。

これまで八重山諸島では、何度か移動運用を行ってきた。波照間島や与那国島からもう一度QRVしてみたい気もするが、今年の沖縄移動は、未だ運用したことのない西表島から運用してみることにする。西表島は大雑把に言うと、台湾との国境に程近い与那国島と、石垣島との間にあり、沖縄本島まで約450キロ、台湾東岸まで約200キロ程のポジションにある。

6月17日、アサイチの飛行機で那覇から石垣島へ飛び、そこから更に高速船で西表島の南部にある大原港へと向かう。

那覇を飛び立つ時は雲の多い「晴れ」だったが、8,500mの巡航高度に上昇すると、いつも通りシュークリームのようにとろけそうな、真綿色の雲があちこちに浮かんでいる。宮古島の上空まで来ると、雲も切れ、ルビー色に縁取られた海岸線や下地島のパイロット訓練用飛行場もくっきりと見えてくる。既に梅雨が明けている南の島々は、今日も快晴になりそうだ。

西表島の大原港に接岸し、恭しく出迎えてに出ているレンタカー会社のオニイサンを横に、「ちょっと待ってください」と、さっそくバッグから87Rを取り出しコンディションを確認してみる。うん、ピュルルンが凄い。怪訝そうに見ているオニイサンを尻目に、ついでにCQを三回ほどだしてみる。応答はない。平日の朝10時過ぎなので、当たり前ではある。しかし、後から聞くと、このCQは既に静岡県内で迎撃体制を完了していた、しずおかDD23局にキャッチされていたようだ。

結局レンタカーの利用客は当局一人。100mほどしか離れていない事務所へ、オニイサンと仰々しくワゴン車で向かい、今年の愛車、ピカピカのワゴンRを借りて再び桟橋の岸壁に戻ってくる。平日昼休みの運用タイムに間に合わせるため、最初の運用場所は、東北方面に開けた由布島の海岸から行う予定だが、取り急ぎ、港の岸壁から再びCQを出してみる。

凄い自然?ノイズだ。ビュルルン音とともに、Sメータが7くらいまで激しく行ったりきたり、コンディションは絶好調のようだ。CQを出してしばらくすると、しずおかDD23局から応答がある。これで西表島まで来てボウズになりはしまいかという不安から開放されるが、QSBが激しい。DD23局は、ファイナル交換を完了する余裕もなく、QSBの谷の底へと消え去っていった。

下地島
おきなわMY385局のおられる宮古島(トップ写真)
の隣にある下地島。訓練用飛行場もよく見える。
お出迎え
石垣空港に飛行機が到着すると恭しい
お出迎えが
大原港で電波を放つ
しずおかDD23局はQSBの谷の中へ



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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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2011沖縄