2024飛島 |
【鳥海山】
夜明け前から朝へ |
宵から夜への静けさとは対照的に、陽が上がり切る前から港の朝はすでに賑やかである。それは波の音でもなければ、漁船の音でもない。ウミネコの鳴き声とともに、ホトトギスの声があちこちからうるさいくらいに聞こえてくるからだ。まるで、春先の森の中に戻ったかのようである。
今回も、例年通り運用に出る前に、「飛島からQSOよろしく」と話し合っていたのはしずおかDD23局である。今年も当局の移動に合わせて、いろいろなタイミング・ロケで待ち伏せしてくれるらしい。しかし、『今年はいつもより難しいかも』、というのがDD23局からの予想コメントだった。DD23局いわく、太陽活動が活発な今年はEsコンディションはしばらく悪い状態が続くというのが、彼の局の見立てだった。通常SSNが上がれば、F層のDXには好都合になるはずだが、Esの発生には逆によくない、ということらしい。特に今年は日本でもオーロラが観測されるほど、フレア活動が活発だ。
DD23局の言っていた通り、飛島で運用開始して三日目になるが、DD23局とは未だに全くつながっていない。いつもなら離島運用では真っ先につながるので、これは尋常ではない。そもそも3エリアより東、北は未だに誰ともつながっていないのである。3エリアにしても、金土の二日間でつながったのは、和歌山移動のなごやCE79局とわかやまAB77局の2局だけだ。やはり単にEsとしては距離的に中途半端に近すぎるということだけではなさそうだ。
DD23局とは、いつもお互い交信時の様子を動画で撮って交換しあうというのがお約束になっている(笑。・・・ということで、動画が一本もないのは寂しいなぁ~と思いつつ、日曜日の朝、全くもって静かな8Chに向かって、カメラを回しながら全くの冗談で、
「えー、しずおかDD23局入感ありますかぁ???」
とコールサインを叫んでみると、なんといきなり「なごやYK221局とれますかぁ~」とコールが入ってくる(笑。
カナガワTC767局だ。当局はいつも左手の87Rに語りかけつつ、右手でカメラを構えながらQSOを撮っている。よもや何か返ってくるとは思ってもいなかったので、びっくり仰天して危うくカメラを海に落とすところだった。TC767局には「えェ???ワンエリアですかぁ~?」と思わず無意味な質問をしてしまった。信号も55とかなり強い。
20~30分もワッチしていて信号のかけらもなかったのに突然55で呼ばれたのにはびっくりだが、立て続けにかながわBE11局からもコールが入ってくる。BE11局と言えば、2月の吾妻山公園移動で、小田原の酒匂川河口でEs待機されていた局長さんだ。「8Chでは何も聞こえなくても無用にCQを出さない」というのは、特に混雑している東京、神奈川地区では自らのルールとして徹底されている局長さんが多い。やはり今日もずっと黙って待機されていたのか??もっとも当局も余りに静か過ぎてCQは出していなかった。まったくの冗談のつもりが幸いしたようだ。
いずれにしても、運用3日目にしてようやく1エリアとつながった。その後は徐々に8Chが混雑するぐらいに久しぶりにコンディションも上がってくるが、聞こえてくるのはほとんど3エリア以西だ。しかしQSOを続けているとようやく?DD23局からもコールが入ってくる。これで本当の意味で「動画坊主」にならずにはすんだが、信号は51/51程度、どちらかというと厳しい入感だ。今朝のコンディション程度では、やはり2エリアとは厳しいようだ。
朝食後に、カランコロンと旅館の下駄をはいて87R一丁でコンディションチェックにでてきただけなので、一旦部屋に戻って115で体制の組み直しだ。
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漁港の集落に朝の光がやってくる |
© Nagoya YK221/なごやYK221