1 2 3 4 5 6 7 D
 2024飛島



  【荒崎】




荒崎にて(2)


 海岸に出た場所から更に舗道を先に進んでいくと、野原一杯にエゾカンゾウが咲き乱れている。まさか、これほどのスケールで咲いているとは思ってもみず・・・。しかも海岸でありながら、青空と緑の対比が美しい。

スカシユリもまだ残っているようである。そして岩場になった海岸に向かっては、どうぞゆっくり坐って景色を眺めてくださいと言わんばかりに、きれいなベンチがいくつも据え付けられている。天国のような場所だ。

リュックを下ろし115で持久体制に入ってみる。


のんびり海とお花畑の美しい景色を眺めながら、時々まどろみながら、そして時々CQを出してみる。その後入感してきたのは、かがわ2797局だけだが、なぜか満足感が半端ない。


余りの気持ちよさに、二日目の昼もここでQRVしてみる。昨日と同じようにベンチで115を展開、ワッチしていると、ハイカー姿の一組の年配のご夫婦がやってきた。

婦人が語り掛けてくる。

 「無線ですか?」(婦人)

 「ええ、ここは海に近いんで、電波の飛び受けがいいんですよ。」(当局)

 「そうですかぁ。ツーメーターですか?」(婦人)

 「・・・・、テ、テンメーター・・・のようなものです。」(当局)

 「そうですか」(婦人)


いきなり出てきた「ツーメーター」という言葉に、思わず一瞬返答が詰まった上に、11mを濁して10mに「のようなもの」を付けてしまった。まさか年配の婦人からいきなり2mという単語がでてくるとは思ってもみなかった。


ご夫婦は10分程度この景色と草花を鑑賞すると、丘の上へと戻っていった。この荒崎には二日間で都合5~6時間滞在していたが、残念なことにここにやってきたのは、このご夫婦のたった二人だけである。こんなに素晴らしい場所なのに残念である。

ちなみに、日本海には佐渡島と飛島の間に粟島という島もあるが、粟島にはトビシマカンゾウは分布していないそうで、このことは七不思議のひとつとなっているようだ。






 前ページ   次ページ     


© Nagoya YK221/なごやYK221