2010沖縄
海の色
朝、那覇のホテルのベッドで目を覚ますと、窓外は、灰色の雲が広がり、空はまだ明け方かと思うほどに暗く、雨音が激しかった。やれやれ今日は雨か、と思いながら、窓に顔をつけると、アスファルトにおちた雨が20cmくらい跳ね上がっている。土砂降りだ。
天気だけは悩んでも仕方ない。岡田監督の帰国インタビューのニュースもそこそこに、せっせとチェックアウトし、空港へと向かった。南大東島往きのフライトは9時50分、バゲッジをチェックインしてもまだまだ時間がある。手許に残してある87Rで、空港3階の道路脇に出て、念のため短時間QRVしてみる。雷も鳴っているようだ。全チャンネル静か~…「南部戦線」異状なしか~(笑)どうみても当局のCQも内地に届いているとは思えなかった。
RAC(琉球エアーコミューター)の出発ゲートに行ってみると、先発のはずの宮古島往きや久米島往きのコミューター機は軒並み遅れている。宮古島往きは、「Weather
Check」のまま、1時間以上遅れている。飛ぶかどうか分からないと言う。那覇上空に雷雲が広がっているらしい。ん~南大東島往きは大丈夫か?これは、カウンターのお姉さんに見とれている場合ではない(笑)。飛行機が飛ばないと、只でさえ短い運用スケジュールが台無しになる。
幸い9:30過ぎには雷雲が去り、薄日も差してきた。南大東島往きは朝でも遅めのフライト時刻だったのがラッキーだったのかもしれない。50人乗りのDHC-8は、定刻よりやや遅れて那覇空港をテイクオフしていった。
上空に上がるといつもの光景が広がる。深い青、渦巻くような白い雲。さっきまでの雨がうそのように、空も晴れ上がって、海面まで見渡せる。やがてシートベルト着用のサインとともに、高度を下げていくと、海面に写る雲の影がそこだけポコリポコリと色濃く写る。海の青さが余りにきれい過ぎる。どうみてもこの色は人工的に再現が不可能のように思われた。
飛行機は南大東島と北大東島の海峡を東に通過すると、右旋回して南大東空港へ降下していく。
沖縄での離島運用では、空港に降り立った時の気持ちはいつも同じだ。本当に本土とつながるのか?、と。坊主に終わるのではないのかという不安がいつもつきまとう。しかし、ターミナルに向かいながら乗ってきた飛行機を振り返って、沖縄色の空と大地の色を感じると、あっ、やっぱりやってきて良かったと感じるから不思議だ。
南大東島に降り立つ天気も良好。 |
空港2階(3階)は、展望デッキに。 |
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