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  ハイカーがひとり行く (雨竜沼湿原)





二つの花園 


 どうしても、優先順位付けが必要になってしまうが、北海道にはまだまだたくさん行きたいところがある。今回の移動目的は、その中でも、雨竜沼湿原と「陽殖園」の二つを訪れることである。

雨竜沼湿原は、雨竜町にある高層湿原だ。「北海道の尾瀬」といった安易な呼ばれ方もするが、世間一般ではあまり知られていないので、是非はともかく、その呼び方がこの湿原をもっとも端的に分かり易く言い表していることはおそらく事実である。

例年北海道での運用は、SVの時、つまり7月の終わりころだ。しかし、昨年のアポイ岳運用記でも記したように、7月の末というのは、多くの花にとってはすでに盛りを過ぎている場合が多い。今回、7月末ではなく、初旬に運用を持ってきたのは、この時期に湿原に咲き乱れるエゾカンゾウを見たかったからである。

一方、天然、自然の積み重ねである池塘などがある、手つかずの姿の雨竜沼湿原に対し、「陽殖園」は、個人がひと山まるごと築き上げた花園・庭園だ。高橋武市さんという方が、70年近くかけて(今年で67年)、一人でコツコツと創り上げた、いわば芸術作品でもある。たしかに、ここにある草花は最初から自生していたわけではないので、天然・自然ではない。しかし、時間がかかっているからこそ、人間の創造力がみごとに自然の中に埋め込まれた、自然と融和した創造物であるように思われるのである。それにしても、70年近く、ひとりで続けてきた信念には、敬意を表するしかない。


雨竜沼湿原では、ハイカーに迷惑が掛からなければ、あわよくば短時間QRVしてみようという魂胆である。陽殖園は最終日の月曜日の予定なので、間の土日を中心にQRVしようという計画だ。特に、今回、運用については抜海あたりの浜辺でのんびりと、利尻富士が見える景色に癒されながらQRVしようというのが目的でもある。

今回のメインリグは、NTS115ハイブリッド仕様である。徳之島運用でお借りしたNASA7208DXは、すでにしずおかDD23局に返却してしまったので、久々の115の登場だ。7208DXの使用直後なので、またあらたな気付きがあるかもしれない。なお、ハイブリッドとは、「ミキシングコンソール風」仕様と「オーディオアンプ風」仕様のハイブリッドという意味であり、リグの性能とは全く関係はない話である(笑。


果たして、計画通り、利尻富士に癒されながら気持ちよくQRVできるのか???


 ミキシングコンソール風仕様   無線機風仕様   オーディオアンプ風仕様   ハイブリッド仕様 (今回)





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 2022 雨竜沼湿原