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   朝の香りⅣ





オホーツクの海辺へ 


 朝6時半、紋別へと走らせている車は、草が刈り取られた牧草地の横を過ぎようとしている。空はもう深々と青い。それだけ陽は明るくなっているというのに、それでもまだ、朝はまだまだと言わんばかりに、明け方のようなガスが牧草地のすぐ上を、かすめるように勢いよく流れていく。そして、まだ角度の上がり切らない朝の光を散乱させるのである。

いよいよ今日は二つ目の目的地、「陽殖園」だ。陽殖園は滝上町(たきのうえちょう)にあるのだが、開園は10時である。ということは、各局の朝の通勤時間帯をねらって、ちょっと間QRVが可能ということである。

実はもう滝上町にいるのだが、せっかくQRVするなら海辺でということで、オホーツク海に面した紋別に向かっているのだ。紋別自体は、来るのは初めてのような??

まずは紋別港の岸壁に向かってみると、地図から想像する以上によさげな場所だ。開放的な岸壁では何人か釣り人が出ているが、かなりスペースは広い。月曜の朝なので、場所は選びたい放題だ。

この岸壁は、すぐ隣がイベント広場とキャンプサイト、そしてそのすぐ横が人工の?ビーチとなっていて、全体的にかなりいい雰囲気である。ビーチ近くの建物には、セコマまで入っている。

がしかし、気をよくしながら115をセッティングしてモニターに入ってみると、どうもS2ぐらいのノイズが継続的に放たれている。あまりのよさげな感じに、つい油断して87Rでの事前チェックを怠ってしまった。陰でQRVできるように、わざわざ車の角度を調整したのに(笑、すぐにロケ変だ。



近くには「オホーツク流氷科学センター」があり、その前の公園は、ノイズも僅少である。水際までは距離があるが、さっそく115を展開する。

コンディションが上がってきたのは7時半を過ぎてからだ。まずは6エリア、「どこでもドア」のB73/6局からだ。出だしは全体としてはまあまあだったが、30分もするとすぐにコンディションは落ち始め、8時半を過ぎると、ぱったりと聞こえてくる局が途絶えてしまった。コンディション以上に、みなさん出勤前の朝練が終了したようだ。

時間が余ったので、滝上町に引き返す前に、目の前の東屋風の白い建物に移動し、朝の運用を振り返ってみる。当局としては珍しい(笑。

今朝はどうも3エリアが一局もないようだ。今朝に限らず、今回移動では、3エリアより西が、急に厳しくなるようだ。1エリアは、もともと局数が多いのであまり参考にはならないが、同様に局数が多いはずの3エリアとの交信が少ないことは明らかである。逆に相対的に調子がいいのは、やはり7エリアだ。今朝も4、5局ぐらいか?

東屋の中で距離を測ってみると、例えば、紋別から仙台までが700Km程度。これは東京から広島ぐらいまでと同じ距離だ。大阪基準で行くと、岩手県奥州市ぐらいまでと同じ距離である。やはり角度的に7エリアぐらいが、一番できやすい距離感なのか??これまでの北海道運用では、あまり意識したことはないのだが・・・。

3エリア以西が急に厳しくなるのだが、6エリアは特に厳しい。ログチェックはしていないが、脳内ログでは、6エリアでB73局以外でできたのは、さがSH48局だけでそれも一回だけだ。距離という意味では、例えば紋別から熊本までが、1,700Km弱なので、距離的にはどうということはない距離のはずだが、この落差はもう少し深く考えてみる必要がありそうだ。







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