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   オロロンラインⅠ (幌延町)





オロロンライン 


 もう一つの主要目的地、陽殖園は月曜日の予定なので、運用としては土日がメインになる。運用の最終目的としては、前述のとおり、日曜日の午前中に稚咲内(わかさかない)から抜海(ばっかい)にかけた辺りのどこかの浜辺で、利尻富士を眺めながらのんびりとQRVすることである。抜海とは、稚内の市街から南に20Km ほど下った土地の地名である。したがって、抜海ぐらいまでは、留萌から日本海に沿って、150Kmぐらい北上していくことになる。特に場所は決めてはいないが、その過程で、適当な場所でQRVするということになる。

留萌から稚内方面へは、「日本海オロロンライン」と呼ばれる国道が走っている。オロロンとは、天売島などで有名だが、日本では絶滅が危惧される鳥(ウミガラス)の名前だ。この道はずっと、海沿いを走っていくので、海の景色がすばらしい。北上していくにしたがって、やがて左前方に利尻富士が海の向こうに見えてくるのである。個人的には、日本の他のどの海岸沿いの道からも見たことがないような、スケールが異なる広大な海原の景色が続く。

留萌を出た当初は、道路の右側に、昔の羽幌線の跡と思しきスペースも見えている。かつて羽幌線という鉄道路線があったということを知っている者であれば、別に遺構などなくても、すぐにそれとわかるような地形だ。羽幌線は、かつて、留萌から羽幌を経由して幌延まで走っていた。

北海道は、言葉は悪いかもしれないが、「廃線だらけ」である。今でもJR北海道は収益が厳しい路線がほとんどである。それでも頑張っている関係者のみなさんの姿を見ると、なんとか応援したいという気分にもなるくらいだ。究極的には経済原則に逆らってまで、運営し続けることはできないのだろうが、廃線や廃駅とともに消えていく、そこに鉄道や駅とともにあった人々の生活の記憶は、やがて消滅していくことになるのだろうか。羽幌線については、廃線からすでに35年、かつては当局も列車に乗ってこのレール上の空間を移動して旅したことがあるだけに、ステアリングを握りながら複雑な思いが交錯するのである。

2年前、焼尻・天売島で運用した時、このオロロンラインを通ったのは夜10時過ぎ、星空が異様に綺麗だったが、今日はまだまだ陽が高い時間帯、逆に海の様子が良くわかる。

 オロロンラインが走る街: 左から、小平町、初山別村、遠別町



最初のQRVポイントとなったのは、小平町(おびらちょう)にある「にしん文化歴史公園」前だ。(=上写真左) ここは階段状に歩道が砂浜まで下りており、水辺でもQRV可能だが、めんどうなので遊歩道上でQRV開始だ(笑。

115を展開、「A」チャンネルをモニターしてみると、違法はガンガンに入感してくる。コンディションは上がっているようだが、8Chで聞こえてくる合法局は、とぎれとぎれで、どうも安定していない。おまけに、レーダー系?のノイズで時折10秒程度完全にマスクされてしまうようだ。

そんな中、5エリアは調子がいいのか、かがわMC36局は唯一、57で安定して強力に入感してくる。やまなしAB38局は、山梨県からだろうか。海のないところからよく飛ばしてこられるなぁと思うのである。まあ、そういう意味では埼玉県などもそうですが・・・(笑。


夕方、初山別村(しょさんべつむら)の金毘羅岬でのんびりくつろいでいると、光が赤みを帯びてくるにしたがって、三々五々人々が集まってくる。この岬の上にはキャンプ場やバンガローがあり(=上写真、中)、人々はそれぞれ思い思いの時間を過ごしているのだ。夕方といっても、もう午後7時半、しかし陽が沈むのはこの時間なのだ。

やがて利尻を赤く染めて、陽は沈んでいく。明日も晴れるのか?





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