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[大海原を久米島に向かう。]




朝の渡名喜港

渡名喜島の朝はやはり静かだ。すでに大分高くなってはいるが、朝日に照らされた、港近くの義中山の緑が背景の空の色と対照的に鮮やかに映える。しかし、707に降り注ぐ朝の日差しはまだ柔らかい。

7:15過ぎ、QRV早々すでに6Chでは違法がにぎやかだ。違法が入感してくるということはコンディションが上がってきている証拠である。めずらしく8Chでも違法がかぶってきているが、7:30分を過ぎると合法局もかすかにかすり始めてくる。どうやらミエAA469局のようだ。朝のコンディションの始まりだ。

8:00過ぎ、渡名喜港でのQSOは、ひろしまK79局とのQSOから始まる。RS52/41。以降コンディションはどんどん上がり目のようで、いただくレポートも53~56へと、時間とともにどんどん上がってくる。特にかがわMC36局には2度お声掛けを頂き、コンディションの状況を伝えてくれる。最後には「移動、頑張ってください」、という言葉もいただき、QSOでは伝えられないが、まことにありがたく、励まされる。

渡名喜島ではイバラキAB399局以外、1エリア局が全く聞こえていなかったが、ようやくとうきょうMS25局が入感してくる。しかしレポートを送ったところで見失ってしまい、QSOには至らない。入感も41と薄く、1エリア以遠は、どうも厳しいようだ。絶好調なのは5エリア、4エリアだ。みなさん53程度で聞こえてくる。4ch(笑では、やまぐちAN77局のCQがノイズのはざまから聞こえてくる。しかしなぜか入感は41、ややもするとノイズにかき消されてしまいかねない。「アルファーナンシー77番局っ、とれますかぁ!!っ」と、必死になって声をかけると、返ってきたレポートはなんと59!である(爆。どうもこのバラつきは解せない。3エリアも意外と入感が少ない。聞こえ方も薄目で、きょうとKP127局からもコールを頂くが、41といつものシャープな変調音がなかなか聞き取れないほどだ。結局渡名喜島からQSOできた1エリア局は、イバラキAB399局とよこはまUQ3局のみである。


久米島に向けMMに入る


11:00渡名喜島を離れ、久米島へ向けて出港だ。「ちゅらさん」の入砂島をかすめて船は群青の海をすすんでいく。空も同調するように青く、そして雲は白い。そこには一枚の夏の絵葉書が転がっていた。久米島までは、1時間半、沖縄運用2回目のマリタイムモービル運用だ。この絵葉書の風景の一部となって、CQを繰り出す。デッキを過ぎる風がやはり心地よい。

MMに入ってからも引き続きコンディションは良好だ。しかしピュルルンがS7位まで激しく上下し、信号を聞き取るのが非常に困難だ。しかも飛んでくる信号は断片となって飛んでくる場合が多く、一度に数局に呼ばれていることだけは分かるのだが、なんともQSOし難い。申し訳ないが、こちらからは比較的強く飛んでいるようだが、こちらにはそれほど強く落ちていないのである。おそらくコールされている方は首をかしげているかもしれない。そんな中、安定して入感してきたのは同じくマリタイムモービルのアイチDI209局だ。今日も伊勢湾上に出ておられる。信号も53で、やはり海の上は強みなのか?こちらからもピーク55で飛んでいるとのことである。CBでMM同士のEsQSOという、なかなかレアな体験をさせていただく(笑。

左:久米島へのお迎えの船がやってきた。昨日乗ってきたのと同じ便、同じ船である。
中:MMをしながら快走を続ける。コンディションは絶好調だが、取り切れない局が多いのが残念だ。
右:青い空と海に白い雲が浮かび立つ。もう夏が訪れたかのようだ。  



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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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