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[はての浜― 白砂だけの「島」が7kmほどつづく]



YLステーション?

はての浜・・・ついにこの天国のような場所でのQRVが叶う時がきた(笑。空も快晴だ。

はての浜は前述の通り、れっきとした白砂だけの「島」であり、テンポラリーな日よけ等を除き一切人口構造物はない。もちろん桟橋などないから船はビーチの浅瀬につけて、乗船客はいったん海に降りて島に上がる形だ。日差しが明るい。海は青や薄緑のオパールのように輝いている。

ワッチ用に707をセット、白い砂浜に腰を下ろして入感を待つ。チャンネル内は比較的静かだ。しかし入感を待ちながらも、圧倒的な開放感の中で至上の時間が過ぎていく。いったいこんな美しい風景の中で無線などしていてよいのだろうか?(笑。

この風景に圧倒されたかのように707も沈黙を続けていたが、そのノイズ感から、そろそろくるぞと感じ始めたのは11時に近づいた頃だ。実際11:30近くになると、コンディションが上がってくる。内地からの入感はまだないが、87R片手に波打ち際に出て積極的にCQの体制に入る。

???・・・やはり一発目のCQで回答がある(笑。しかもなんと最初に聞こえてきたのはYLステーションだ。当局を連呼されているのだが、波にかき消されてコールサインがフルコピーできない。波の静かな反対側の浜辺に出て、「YLステーションいらっしゃいましたかぁ?・・・」と叫んでいると、すかさずヒョウゴAB245局から入感がある(爆。AB245局とのQSOを手短に終了、コールサインを再確認すると「ギフYN104」だ・・・はて?、当局も一応2エリアの一員だが、YN104といったYLステーションなど聞いたことがない。はての浜で「はて」もないもんだが、最後は58まで上がってくる。うん~強い!岐阜でこんなに強く飛んでくる場所は心当たりがない。いったいどこから出ているのか。久々に88を送ってQSOを終了する。(後で確認すると、最近開局された女子高生CBerのようで、当局とのQSOの模様は、ながおかHR420局がYouTubeにupされているようだ)

左:いよいよ、はての浜に上陸だ。  


いろんな局長さんが・・・

コンディションは絶好調、Sメーターはピュルルンで激しく動き回る。耳フィルターを最大限に発揮させねばならない。コールされている方には大変申し訳ないが、QSBと相まってそれでも取りきれない局長さんがかなり居られる。コールサインが一部でも取れる局は、耳フィルターと脳内ログで過去のコールサインを瞬時に照合しているのだが(笑、それでも手がかりがつかめない局長さんがおられる。こちらからの反応に少々時間がかかっているのはそのためである。おまけに国内が上がると、韓国もあがって来るのが常で、最寄りの退避場所である6Chなどは強力な韓国語で使い物にならなくなる。

あんなかKM08局とのQSOも印象的だ。コールサインのやりとりに多少時間を要したが、これは4年前に南大東島からKM08局とQSOをした時と全く同じパターンで、そのときのことがコールサイン確認の瞬間、鮮やかによみがえってくる。

明らかにお子さんの声でもコールをいただく(笑。ナラR83局で、こちらもコールサインを取るのに手間取ったが、最後までやり取りを根気よく続けていただく。ならAI46局に続けて出てこられたので、お子さんであることはうすうす気づいていたが、お子様CBerには申し訳ないことをした。

     

100mWでも

よこはまBF35局は、100mWでもFBに電波を飛ばしてこられるほど、ハイなコンディションは続いていた。しかし13時を過ぎると、ようやくピュルルン系ノイズが納まり、まともに聞き取れるほどバンド内も静かになってくる。コンディションは落ちたようだ。ところが浜辺に残した707に戻って一息入れようとすると、切り替えた707にいきなりサイタマAD966局の信号が強力に飛び込んでくる。耳Sで58くらいだ。ん・・・?まだ終わってなかったの?!実際87R片手に再び水の中に戻ると、まだまだつながる(笑。むこうからは運用局は聞こえてこないのに、CQを出すとつながるというパターンだ。ヒョウゴAB245局も今度は100mWでFBに飛ばしてこられる。

はての浜の撤収時刻は14時だ。それまでの間、膝まで水につかりながら、なにやら2m程の金属棒が付いた怪しい機械を操る、おおよそその場の美しい景色に似つかわしくない怪しい人間の姿がビーチに目撃されていたはずだ(笑。



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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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