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   水と空気の音色





畦プリンスビーチより(2) 


 7208DXのAF増幅は、基本的にはNASAのオリジナル回路構成で、ドライバー段と、インプット、アウトプットトランスを使用した、大昔の教科書に出てくるような古典的なプッシュプル増幅回路である。もともとのNASAの終段入力が12W以上らしいので、AF増幅能力も相応に強力なので、受信時のAF出力も十二分だ。今回は外部スピーカーを持参したが、内蔵スピーカーで十分、全く出番はなかった。

オリジナルのNASAは設計が古いのでPLLではなく、「水晶シンセサイザー」である。ただし、FCC用は23Ch必要だが、23Ch分も水晶を実装するわけにはいかない。DD23局が執筆された「RFワールド」誌によると、使われている水晶は送受共通6個、受信用4個、送信用4個。この組み合わせから合成される周波数の関係上、受信時の1stIFは40KHzもの幅を持つという、おそろしい回路設計となっている。 つまり、ダブルコンバージョンであるものの、1stIFでの増幅がないコンバーター的動作で、ここでの選択度向上は期待できない。一方、7208DXは、DD23局の創意工夫により、1stIF 10.694MHz、2ndIF 455KHz固定にもっていっている。言葉にするのは簡単だが、実装する水晶や、チャンネルセレクターなどのメカニカルな部分まで含めると、実際には相当苦労して考案されたのではないかと思われる。

操作性の面では、どのチャンネルにいても、スイッチ一つで27,005KHzと8Chの受信に切り替えることができ(受信専用)、コンディションや8Chの混雑度チェックには有用だ。さらに合同運用で便利な逆スケルチ機能も装備している。さすがにベテランCBerが改良しているだけに、運用面での配慮は抜かりがない。

昨年拝借した東海770DXも、このNASA7208DXも、一言でいうと飛び受けはすばらしい。これはなぜかというと、アンテナとリグがしっかりと整合がとれているからだ。逆に言うと、市販メーカー?は、出入り口としてのアンテナとの整合の重要性をもう少し重視した方がよいのではないかと思われる。市販品でもそういうものを期待したいところだ。



畔ビーチは想定通りの気持ちよさだ。浜辺に打ち寄せる水の透明感が半端ではない。聞こえてくるのは、わずかな水の音だけだ。誰もいないそんな水辺でQRVできているという・・・これぞまさに至福のひととき(笑。

景色に癒されながらの心地よい運用、そして7208DXの感触も確かめられたし、感覚的にこれで今回移動の目的の50%は達成か??・・・あとの50%はなんだろう?(笑

それにしても2回のQRVで滞在時間は都合6時間以上、しかも土曜と日曜だが、この砂浜でみかけた人影は、遠くで水遊びする小さい子供を持った家族連れの4人だけだ。時間にして20分ほど。そのほかの時間は当局の完全な貸し切り状態である。・・・余りにもったいないんですが(笑。


 





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