[U字カーブにてダブルウォッチ: 向こうには平島]





AA169局はやってくるのか?


ややソフトフォーカス気味に、諏訪之瀬島が紺碧の海の向こうに浮かんでいる。少し水蒸気が上がっているのだろうか。降り注ぐ光も心なしか柔らかだが、気持ちが研ぎ澄まされるような光景だ。

高いところにいると、青い海が広い。山の中腹を地形に沿って曲がりくねって走るこの林道は、やがて大峰牧場へと下りていくのだが、その随所随所でハッとするような景色を、威張りもせず黙って提供してくれる。このU字カーブもそのひとつだ。

この絶景ポイントでQRVに入ったのは10:45分、もう30分以上経過するが、SR-01もブラックバードも合法らしき信号を捉えていない。すでに早めの運用局は、昼休み運用を開始している時間だ。時々天然ノイズが飛ぶようにかすっていく。朝イチとは違って悪くはない気配だ。


左)この林道にはほかにも絶景ポイントが多々。
中)林道はその向こうへと続く。



SR-01には、ガードレールの柱がおあつらえ向きの設置場所だ(笑。とにかく聴いているしかない。時計の針が20分に近づいたころだ。耳をじっとそばだてていると、ボリュームを大きめにしているSR-01に合法局がかすりだす。アルファアルファだ。QSBでフルコピーはできないが、どうもこれは間違いなくイワテAA169局さんだ(笑。

んな、馬鹿な。ちょっとできすぎじゃあありませんか?でも、やはりQRVされているのか!!しかし、すぐに聞こえなくなった。世の中それほど甘くない。それでもテンションをハイエンドに引き上げるには十分だ。なぜか3台目のリグ、87Rを握りしめていた。3台でも聞こえないものは聞こえないんですが(笑。

CQを連発しつつ、待つことさらに10分、コンディションは徐々にあがってきているようなノイズ加減だ。11:30、とうきょうMS25局が入感、QSO成功。51/52、なんと、今日一発目のQSO局だ。やはり、なんとかつながりますかぁ、今日も。こんなコンディションの日でも粘ってみるものだ。

昼飯は宿で食べなければならないので、このポイントは11:45分には離れねばならない。残り時間はない。「月曜日の朝」ももう終わりだ。しかし、40分を回った時、なんとイワテアルファーアルファー169~というコールサインがQSBに乗りながらも、落ちきることもなく確実に入ってくる。こちらから52QSB、AA169局からも52が返ってくる。いつもなら、「待ってましたよ~」、と言いたいところだが、「つながってよかったです!」の一言だ。今日に関しては完全にあきらめていたので、喜びはひとしおだ。ただし、一方的に当局がよろこんでいるだけなので、AA169局にとっては迷惑な話かもしれない(笑。

結局1時間でつながったのは3局のみ。それでもAA169局とはつながった。あきらめちゃぁ~、いけない(笑。






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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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