[仲良く二人並んで海を眺めるSR-01とブラックバード]





大籠海水浴場 


6時前、目を閉じたまま耳をそばだててみると、やはり降っている。長崎じゃないんですが~(笑。今日も雨だった・・・。しかもかなりの雨量の感じだ。このままいっそのこと布団を頬かむりして、寝てしまいたいところだが、そうは問屋が卸さない。

浮かない顔で朝飯を食べながらニュースを見ていると、「奄美地方」は、あちこち警報だらけだ。(奄美からだいぶ離れているが、天気予報に、「十島」や「トカラ」地方という範疇はない。)

トカラでは?、どうも朝早いうちが一番大気が不安定なようで、天気が悪いときはこの時間帯の雨量が結構大きくなるようだ。だからアサイチで雨がざーざー降っているからといって、諦めてはいけないのである。しかし、それは悪石島で同じような経験をしてから、後で気づいたことだ。

 小宝島(右)まで約12Km、
 悪石島(左)まで約50Km

この大籠海水浴場は岩礁の奥にある、こじんまりとした白砂のビーチだ。日差しがあれば、もっと水の色も本当は美しいのだろうが、それでも十分すぎるくらい綺麗だ。海の向こうには小宝島や、遠くに悪石島の島影もみえる。こんなに近くに見えるとは思わなかった。

小雨の中、車の中でしばし待機していると、なんと空が少し明るくなってくるではないか。島に来てからは、空は水を落とすもの、と思っていたが、やがて水が落ちてこなくなった(笑。奇跡的に雨が上がった?ような雰囲気。俄然テンションはハイになる。しめしめ、いや、まだ疑心暗鬼だが、とにかくポータブル機だ。「運用のお知らせ」では、50mWで運用がどうのこうの、偉そうなことを書いていたが、これまで50mWどころか、リグを広げるのもままならなかった。

「ボツッ」と、SR-01でモニターに入る。8Chではすでに運用中の局がいるようだ。コンディションは若干薄めだが、比較的安定している。QSBはほとんど気にならない。

CQを出してみると、さいたまFL20局を皮切りに、各局からコールをいただく。感謝。ヒョウゴTF246局は珍しく?滋賀県、タカラズカJ31局は神戸空港からのようだ。QSO開始時はやや薄めだった信号も、8時近くになると、入感強度がどんどん上がってくる。各局さん53~55だ。久々に盟友アイチAE126局からもコールが入ってくる。ただなぜかAE126局だけは、違法のQRMとQSBで51と厳しい。さすがは迷友だ(笑。

今年のエポックメイキングなできごとの一つは、しずおかDD23局が、NASA機をベースとして、技適を通されたことだ。このリグは出力を1mWまで落とせるという優れものだ。 コンディションが上がったところで、「やってみますかぁ~?」と声をかけてみる。待機中のDD23局とは、いつでもローカルのようにQSOできるくらいにコンディションは上がっている。

合法局同士のQRMが時々信号の合間に入るが、確かに聞こえる。41~51だ。これは驚きだ。恐るべき1mW。当たり前だが、信号のサイズ感に似合わず、変調もくっきり、しっかり乗っている。こちらにはRSレポート55を連呼されている。別に、これまでにも当局以外に結構1mWでEsをやられているようなので、DD23局にとっては、届いたかどうかではなく、相手にどのように聞こえるのかが最大の関心事だ。しかし、感心していて、うっかり動画を撮るのを忘れてしまった(笑。


空はまた少し明るくなってきた。あと一時間くらいは運用できそうな雲行きだ。






せっかく神様がくれたチャンスなので、ブラックバードとSR-01を並べてしばらく運用してみる。SR-01と並べて聞いていると、やはり正直ブラックバードは聞きづらい。プリアンプのノイズでAGCがかかってしまうようにも見受けられ、肝心の信号だけがへこまされてしまうのだが、ノイズの方はそのままだ。そもそも、この場所のように完全ノイズレスの環境下においても、Sが常に1.5程度振っているというのは、尋常でないような気もする。

ボリューム位置も微妙で、ある位置でS/Nの比が最もよくなるポイントがあるように見受けられ、この状態で低周波増幅を図るのが、もっともよさそうな感じではある。今回は外付けスピーカーを持ち込んでいるが、とはいえ、そのボリューム位置であっても、やはりノイズはノイズで聞きづらいことには変わりはない。ただ、ノイズ混じりながら、SR-01より細かい信号を拾っているようにも思われる。これが、ブラックバードの不思議なところだ。

時間はちょうど引き潮の時と重なっているようだ。SR-01で交信を続けていると、砂浜を離れ知らぬ間にどんどんと外海の水際に近づいてくる。11時を過ぎてからは、各局への飛びはほとんど55~57だ。ポータブル8のソラチAA246局からも、57が返ってくる。思わずAA246局に聞き返してしまったが、その次につながった、イワテB73局からは59だ。まあ、ポイントの問題というよりタイミングの問題だろう。


信号強度を追い求めていると、入り江となっている砂浜を離れ、どんどん、リグの設置場所が水際に近づいていく。知らぬ間に・・・(笑。
しかしこんな綺麗な場所でQRVできるのは、やはり幸せだ。





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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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