[まっすぐ向こう、道の先、海と諏訪之瀬島が見える]





左カーブの先 


その道の奥、道なりに左へカーブすると、コンクリートの白い道は、牧場へとさらに下っていく。もう一度左へカーブすると、突然開けた視界の向こうに、青く輝く海の中、諏訪之瀬島がパノラマで浮かんでいる。下っていく坂の右下には、新緑のように鮮やかな緑に覆われた牧草地が斜面に広がっていた。ノンゼ岬はその牧場の坂を海へ下りきった終点にある。


今は8時前。太陽はまだ、東方向に広がる海面を輝かせている。やがて背中の方向に回るにつれ、海をもっと深い藍色に変えていくだろう。




今日は長崎じゃなかった(笑。久々の快晴だ。昨日とは打って変わったノンゼ岬の光景だ。

それにしても、暇だ。さっきからSR-01とブラックバードの2台体制でスタンバっているのだが、ハイコンディションアワーにもかかわらず、11mは全くノー感だ。ノイズの加減は悪くはないのだが、確かに、月曜の朝なのに違法の入感も全くない。天気とEsは逆相関関係にあるのだ。

こんな天気の良い日こそ、車外でアクティブに運用したいのだが、標柱の上で待機中のSR-01からは、違法も合法も信号が聞こえてくることはない。

ハイジェットのスライドドアを開け放ち、ブラックバードのアンテナを後部シートから斜めに突き出す。こういうときスライドドアは便利だ。手を頭の後ろに組んで、のんびりバックシートでエアバンドを聞いていると、奄美へ着陸する飛行機だろうか、「イモーレ」経由での着陸進入を告げている。「イモーレ」とは洒落た名前だが、おそらくウェイポイントの名称だろう。(ウェイポイントについては、こちらの運用記を参照ください。)

11mと違い、エアバンドの方は常に饒舌だ。この辺りは九州、本州と沖縄方面を結ぶ基幹航空路の一部だ。「神戸コントロール」を呼ぶ132.3MHzを聞いていると、沖縄方面と各地を結ぶ国内線のほかに、国際線の航空機の電波もよく降りてくる。

そう、ここらあたりの航空路管制は「神戸」コントロールである。なぜ、こんなところが「神戸」なのかといえば、近い将来航空路管制は、高高度と低高度を二階建てにして、低高度は東日本と西日本の二つに一本化される計画だからだ。東日本は東京コントロール、西日本は神戸コントロールだ。分かりやすい(笑。昨年まで那覇ACCだった奄美地方は、その再編の先駆けである。高高度は「福岡コントロール」の管制となるが、どちらかというとそちらは、日本には全く立ち寄らずに、文字通り高高度で日本上空を通過していく航空機向けだろう。

コンディションは上がる気配は微塵もない。天気も良いし、折角なので、島の中を少しだけ徘徊してみよう。

昨日とは打って変わった光景。平島の島影も小さく見える(左)。





余りのノー感に、いったん岬を後にする。道路の先、諏訪之瀬島が遠ざかっていく。




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