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[野甫島にて]


伊平屋・伊是名エリア

2006年に開始した沖縄運用も今年で早や丸10年ということになる。’06年は家族旅行の合間の運用だったが‘07年からは単独でのフルタイム運用を開始、各局殿のおかげでなんとかここまで10年間続けることができた。沖縄の離島運用という意味では、この10年の間に地域的にはだいたい網羅できたのではないかと思っている。もちろん沖縄には離島がたくさんあるので、すべての島からQRVするというわけにはいかない。例えば、北大東島や粟国島などがそうだし、八重山の西表島近辺にも小さな離島はたくさんある。大東エリアに関しては、一応、南大東島で2010年に運用しているし、西表島近辺は西表島を代表にひとくくりにさせてもらうことにしよう。

ということで、今年の狙いは、残された「エリア」、伊平屋・伊是名島地区だ。伊平屋・伊是名島は沖縄本島の北西40㎞程の距離に浮かぶ諸島である。これといって有名な観光資源はないので、観光客がたくさん訪れるような島ではない。しかしマイナーなところは、むしろ「メジャーな場所からは極力運用しない」という当局の基本ポリシー(笑)には合致している。

 

伊平屋にするか、伊是名にするか迷うところだが(=二つの島は基本的には行き来することはできない)、今回は伊平屋島・野甫島に絞ってのんびりと運用を企んでみる。ちなみに野甫島というのは、伊平屋島の南端に、現在では橋でつながっている小さな島である。伊平屋島へのアクセスは一日に2便出ているフェリーのみである。しかもそのフェリーは、本島中部、国頭郡今帰仁村(なきじんそん)の運天港から出ている。つまり那覇に飛行機で到着したところで、そこまで陸路を移動する必要があるということである。

7月8日朝7:00、運天港ターミナルは高曇りの空ながら時折白い陽が差している。昨日から大気は不安定で時折雨雲が滴を落としながら足早によぎっていく。朝日が南西の空に虹を作り出す。シャワーが過ぎるせいか、港の空気もこの虹のようにどことなく爽快である。

フェリーの出航は11:00だ。朝からコンディションは悪くはない。違法も5、6チャンネル辺りでは結構元気に入感してくる。9:50分過ぎ、それまで何度か出していたCQがようやく初めてヒットする。静岡県でスタンバイ中のしずおかDD23局だ。まずは本島で一発目のQSOを終え、今年の沖縄運用がスタートした。






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