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[米崎海岸]



史上最高難易度QSO (7/8日 MM)

これまでにも何度か書いているように、沖縄でコンディションが上がった時のノイズの出方は半端ではない。「ノイズ」というのは、ビュルルン音であったり、ピュルピュル音であったり、ピュピューン音であったり、表現は難しいが、針が5~7まで、もちろん0から、激しく行ったり来たりするのである。そこに合法局が5~6局重なって入ってくる、しかも今日に限っては飛んでくるのは信号の断片だ。どうしても判読不可能なのだ。ボリュームを8~9位まで上げたところで何の解決策にもならないのである。

 限界ギリギリ運用:途中で断念

これまで、沖縄運用で数えきれないほど経験してきた中でも、伊平屋島へ向かうマリタイムモービルは、過去の経験の中で最も難易度の高い運用だった。Sが5~7まで上がってくるノイズに加え、フェリー甲板上の風切り音まで含まれることが、余計にそれを難しくさせる。7月に入って一週間も過ぎ、QSBも相当に激しくなっている。一度に3、4局から呼んでいただいていること「だけ」は分かる。しかし何を言っているのかさっぱりわかない。甲板の上で、ひとり首をひねっていた当局がいたはずだ。トチギYA306局、ギフBR37局、かながわCG61局、かわさきHA71局は、かろうじてピックアップできた。それでも何度もコールサインを繰り返してもらっての限界ギリギリのQSOだ。

もともと80分という短い運用予定のMMだが、とうとう途中で断念せざるを得なくなる。こちらからはある程度しっかり飛んでいるようなので、これ以上運用を続けると呼んでくれている方に迷惑がかかるからである。おそらく呼んでくれいている局長さんは思っているはずである、こんなに良く聞こえているのに何で取ってくれないのかと・・・。


伊平屋島

一体、伊平屋島というのはどういう島なのか?上陸後、島の北端に車を飛ばしてみる。北端には、丘陵がそのまま岬状になった山の上に伊平屋灯台があり、その北端からは、島の西側へと道路が回り込んでいる。当局がこれまで無線運用した島で最も印象が近いのは北海道の奥尻島だ。奥尻も海岸のすぐ際まで、深い傾斜で山が落ち込んでいく。僅かに平坦な場所を道路は島を周回するように走るのである。アスファルトの起伏と電信柱が向こうの方まで見える。伊平屋島の西側はこんな景色がどこまでも続く。ただ、島の東側は若干柔和で、それほど雄々しいイメージはない。どちらかというと、そこから見える海は、久米島(奥武島)の畳石からみた時のような光景だ。島の南端には米崎ビーチがあり開放的な雰囲気は、ちょっとしたリゾート気分に浸れる。一方、島の中央部では、沖縄の離島にはめずらしく伊平屋米と呼ばれる米が取れるほど稲作もさかんで、水田も広がる。だからいろいろな要素を併せ持つ島なのである。当局的にはいろいろな視点を投げかけてくれて面白いのだが、ただ惜しむらくは観光的要素が少ないことで、一般的な観光客にとっては物足りなさを感じるのかも知れない。


 
北端から道は西側へと回り込む。    東側海岸




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