8Chでのピークがひと段落すると、景色を堪能する時間が訪れる。そこには、いつまで見ていても見飽きることがない景色が拡がっていた。とにかくここが同じ日本なのかと思うほど海がきれいである。時間の経過とともに、光の加減で水の色が変化する。水と空の美しさは、ポスターやガイドブックなどに出てくる写真そのものである。目の前の西表島は今日もクッキリと島影を見せていた。たとえ1局もQSOできることが無かったとしても、来たことを決して後悔することはなかっただろうと確信できる。沖縄本島とはまた、別次元の美しさであるように思われた。

宿の、住み込みのアルバイトらしきお兄さんは言っていた。
「ここに来て1月になりますが、もう本州には帰れません。湘南とかいってもねぇ。台風が近づく2、3日前には、もっと水の透明度が上がるんですよ。」確かに湘南と比べてはいけない。

ワッチ、CQ、コールを続けて何時間かが経過する。イオノは真っ赤かのようだったが、違法局が全く途切れることなく、常ににぎやかに入感していたので、わざわざ携帯でチェックするまでもなく電離層の状況は想像がついた。しかし、違法局が常時入感するからといって、合法局も同じように入感するかと言えばそうではなかった。イオノが真っ赤でも、実際の通信回線はそれほど生半可ではない。聞こえ方としては、8Chで合法のウインドウが開けることが10分から15分くらい、1時間から1時間半に一回程度あるだけで、その他の時間は違法とは逆に、全く合法局の入感はない、そういう聞こえ方だ。ウインドウが開いている間も、合法局は31から41程度の薄い入感で、持続性もなく、コールできるような局はなかなか出現してこない。それでも開いている時間は、飽きることなくCQを出し続けていた。

午後になると、あれだけSメーターを振らせていた、自然性のノイズも収まってくる。14時前にしずおか局とQSOニアミスまでいけたが、尻切れに終わってしまった。1415頃にはシズオカAD964局のQSOを安定して52で受信、こちらから何度もコールを試みるが、やがてフェードダウンしてしまう。

結局、波照間での完全QSOは4QSOに留まるが、幸いにも自分のささやかな目標は達成できたので、フェリーに向かう足取りは軽かった。


QSOの合間に...昨年同様癒される空間が広がる。

ニシ浜
土曜の午後だというのに、ほとんど人はいない。
どこまでも白い砂浜が続いていた。
かなり向こうまで、遠浅の海が続く。

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 2008沖縄
4

波照間島