ICB-770をセッティングして、ワッチに入ると大阪方面の違法局が元気良く入感してくる。ノイズの状況からもかなりのコンディションをうかがわせた。時計はまだ9:40分過ぎ。これなら石垣からとりあえずQSOできるかもしれない、と期待が高まる。5Ch、3Chでは、違法が絶好調に入感してくる。特に2、3エリアの国道を走るトラックがよく入る。1、2の低チャンネルと6、7では南方系のホニャラカが、本州とは違ってかなり明瞭に入ってきていた。さっそく比較的静穏な8ChでCQを出してみるが、合法局からの応答はなかった。ウイークデーの午前中だから当たり前か、と思いつつ、コンディションがよさそうなだけに、残念だ。透き通った海を見ながらワッチを続ける。海の上に浮かぶ雲は、いかにも沖縄らしさをかもし出している。

堤防の先端では、新婚旅行?のカップルが、二人だけの時間を楽しげに過ごしていたが、こちらは違法のだみ声をチェックするのに余念が無かった。「・・・・って言うてね...○×さ~ん。よっこいしょっと。」「ふるさとイバラキけ~ん... ○×観光さ~ん~。」...聞いていると余りに同じパターンで滑稽なのだが、向こうからわれわれCBerを見れば、紋切り型のつまらないQSOに聞こえるのかもしれない。それにしても、やたら「さ~ん~」が長いし、なんで「ふるさと~」なんだ...。
しかし、11:00を過ぎると、南方系がうるさいくらいに入感しだした代わりに、本土の違法局さえ聞こえなくなってくる。このままお昼のオンエアタイムに突入か?と思っていると、幸い11:45頃から再びトラック局がちょろちょろ入感し始めた。すでにお昼運用に入った局もあるであろう11:50頃には積極的にCQを連発するが、合法局の応答はない。本州側からも合法局自体の入感がないので、無理もなかった。12:30過ぎからは南方局のホニャラカがいっそう強力に入感しだし、ほぼ全滅状態。石垣まで来ると8Chでもホニャラカがよく聞こえてくる。お昼の運用タイムは、むなしく過ぎ去っていく。

皮肉にもお昼が終わった13:30頃から再び1エリアの違法が入感し始める。迷わず、CQを出し続けるが、結局合法局からの入感・応答は全くない状態だった。その後も撤収する14時過ぎまで、1、2、3エリアを中心に違法は強く入感してくるものの、合法入感局はゼロ、もちろんこちらからのCQにも全く手ごたえが無かった。

う~ん、石垣ではボウズかと、思いながら、ビーチでリゾートを楽しむ人々を横目に、波照間島へ渡る夕方のフェリーに乗るべく、怪しい工作員は離島ターミナルへと向かった。


波照間では、宿にチェックインして自転車をレンタル(公共交通機関は一切ない)、ニシ浜へと向かう。砂浜に設置した770からは、5Chで本土の違法局も入感しており、コンディションは悪くないように思われた。定期的に8Ch でCQを連発してみるが、こちらからの電波はまるでどこかに吸い込まれてしまったかのように全く反応はなかった。金曜日のこの時間になると、かなりの局が運用されているはずだが、合法局の入感は全くない。
「コンディションは悪くないはずなんだけどなぁ...」― それが、かえって悩ましい。


マエザトビーチにて

違法局の入感は多数。しかし、8Chは静かに時間が流れる。 空と海はどこまでも澄み渡っていた。
TOP 前へ 次へ

© Nagoya YK221


本文へジャンプ
 2008沖縄
4

石垣島