朝の香りIII
7208DX |
今回DD23局からお借りした7208DXの一番大きな特徴は、もちろんアンテナチューナーがついている事である。これはCB機にとっては革命的なことである。これは大げさではない。無線の世界では、リグとアンテナのマッチングを取ることは当たり前の話、それがCB機の場合は外部アンテナ不可だから、とか、ハンディー機だから、とか、アンテナは2m以内だし、とか、もともと遠距離など狙ってないし、とかいった様々な理由で超基本的な作業が省略されてきただけの話である。
しかし工事現場などで87Rなどのハンディー機が重宝されていた時代ならともかく、今は我々のように趣味の世界でDXを狙うというのがオンエアの主目的であるので、本来的にこの基本的な作業を怠ってはならないのだが、それができるCB機は昔も今も市販されたことがないのである。
アンテナのチューニングは、今回、個人的には懐かしい感触を思い起こさせてくれた。20数年前、無線の世界に戻ってきたとき、すぐに作ったのが当時流行りつつあった、磁界型ループアンテナだ。開局したら500Wぐらい出してHFでDXでもやろうかと思ったのだが、当時は社宅住まい、落成検査などで事を荒げたくないし、第一DXに耐えうる大きなHFアンテナなど設置する場所もない。出力は100Wに留めて、直径1mのループアンテナにして、同調用バリコンをモータードライブでリグのある部屋から遠隔操作するというものだ。20m~10mのQRV用だが、周波数が高い10mになると当然ながら同調が極めて難しい。バリコンの容量も、モーターの減速比も、当たり前だが20mでも10mでも同じだからだ。
モーターでバリコンをドライブしながら、「いいぞいいぞ」とSWRを追い込むのだが(笑、もう半歩、いや1/10歩と思ったところで、SWRが突然キュンと跳ね上がってしまうのである。極力最小にもっていくために限界を狙うわけだが、追い込んだところで突然跳ね上がるので、これがなかなか難しい(笑。この作業の繰り返しだ。最終的にはあきらめて、ある程度追い込んだところでリグ内蔵のATUと組み合わせて出ることになったりする。そもそもチューナーは、アンテナ直下になければ意味は半減するのだが・・・(笑。
ちなみに、磁界型ループアンテナというのは、サイズの割にはパフォーマンスが良く、国内QSOでラグチューするぐらいなら十分楽しめる。
その後は当局もロングワイヤ+ATUなども使用したことがある。ATUは文字通りオートマティックに瞬時に最適値に合わせてくれるが、果たしてそれは進化なのか、退化なのか??(笑。
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Shizuoka DD23の文字が光ってます(笑。 |
7208DXのチューニングは、筐体後部上面にある大きなつまみで、あらかたチューニング、筐体左わきのつまみでファインチューニングするものだ。まず「あらかたチューニング」で受信音を確認しながら整合をとるのだが、これだけで受信音が増減するのが分かるので、その効果を「実感」できる。ファインチューニングは誰もいないチャンネルで、出力を徐々に上げながら、送信時のSWRを最小まで追い込むことになる。7208DXの出力は、1mW~500mWまで連続可変だ。しかも我々CBerにはうれしい、メーターでの出力直読である。SWR・パワーメーター自体はオリジナルのNASAのものだが、オリジナルとは出力が全く異なるので、メーター駆動回路は当然改造が必要である。
SWR調整は慣れないうちは上述のような、追い込んでいったときに突然キュンと跳ね上がってしまうようなこともあるが、ファインチューニングの効果もあり、慣れるとチューニングは容易にほぼ1.0まで追い込むことが可能だ。
今回改めて思ったのは、ふだん我々は平気でSWR3を超えるような、おぞましい世界で運用しているということだ。出力が500mWだからいいようなものの、ファイナルに悪影響を与えていることに変わりはない。アンテナのチューニングはできないものの、市販品では唯一NTS115がRFメーター(的なもの)を備えている。今まで結構無視してきたが(笑、115を使用する場合は、できるだけLEDが多く点灯するLC環境にしてQRVすることが意外と重要かもしれない。
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