　　旅は、予告編だけでは終わらない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

飛び受け抜群

　7月27日土曜日、今日はいよいよメインテーマである尻羽岬に向かう日だ。果たして今年は霧が晴れて日がさしてくれるのか？？？

朝５時、まずは厚岸にある「あっけし望洋台」から、尻羽岬方面を眺めてみる。望洋台は昨年のSV初日の夜偶然立ち寄った際、なんとはなしに中原中也の「月夜の浜辺」を想起させてくれた場所だ。

岬の方は、・・・・・・絶望的に雲が立ち込めている（笑。日差しどころではない。雨が落ちていないのがせめてもの救いだ。ただ、釧路や厚岸地方は、午前中は霧が立ち込めているのは常なので、そのことにはもう慣れている。スケジュール的にも計算済みで、午前中は老者舞漁港（おしゃまっぷぎょこう）から運用をしながら待機、昼に近づいたところで、尻羽岬の先端に向かおうという寸法だ。老者舞漁港は、尻羽岬の近くにある漁港で、昨年運用して気に入ったロケだ。

しかし、どうみても、太陽が見えてきそうな気配なんてどこにもないんですが・・・。

７時、老者舞漁港に到着しても、港の防波堤が全く見えないほどに霧が立ち込めている。霧雨が降っているのではないかと思えるほどだが、雨は落ちていないようだ。気象の状況的には去年と全く同じだ。ここは、非常に飛び受けの良い場所で、昨年もコンディションが落ちていてもおかしくない時間帯にも良くつながった。いっぺんでお気に入りのロケになってしまった。水際という条件に加えて、すぐ後ろに山が控えているからかもしれない。

左：　５時、望洋台から尻羽岬方向（画面左奥）を望む。完璧に雲に覆われてるんですが・・・（笑。
中：　７時、老者舞漁港。この風景、昨年と全く同じ霧の状況。
右：　８時前、少しはましになってきたか？　

岸壁のコーナーに陣取り、QRVを開始する。昨年ここから初めてつながったのは、よこはまUQ3局さんだ。あの時の運用が昨日どころか、一時間前のことのようによみがえる。おそらく数十センチもたがわない、昨年と全く同じ場所に立っているに違いない（笑。去年とは車が違うぐらいか？もっともあの時は87Rだった。

バンド内は何も聞こえてこないが、CQ数発で応答がある。やまぐちSH33局だ。51/52、今日は４エリアからだ。ニイガタAA462局はSVに備えての移動なのか、MMで移動中のようだ。志賀高原からは久しぶりにナガノK2局さんからもお声がけをいただく。今回も若干スタンバイしていただいてしまったが、相変わらず元気なお声だ。

今日の夜からSVは始まる。AA462局ではないが、総じて、普段の地元からの運用というよりSV向けに違った都府県のロケに移動を開始されている局長さんが多いようだ。サイタマHN209局は小笠原へ移動中のようで、小笠原丸からのMMだ。現在鳥島沖を航行中のようだ、Good Luck！！

呼んでも聞こえなくなってしまうという場面も時々あったが、8：30近くになると急速にコンディションは安定してくる。昨年ここから一発目につながった、よこはまUQ3局さんとも、今年もこの全く同じ立ち位置から（笑）つながる。最後はピーク55を振ってくる。右肩下がりの昨日の朝とは全く逆のパターンだ。とうきょうMS25局とムサシノFM812 局のラグチューが文字通りRS57のローカルQSOとして聞こえてくる（笑。当局の方からも比較的強く飛んでいるのか、QSOを終えていたきょうとON36局さんが、再び余裕で語りかけてくる。「SV天気が心配ですね～。」舞鶴の方は、今のところは天気は問題ないようだが、SV本番はどうなるのか？こちらも気になるところだ。

QSOを続けていると、漁港のおじさんが、そろりそろりと近づいてくる。何か悪いことでもしたか？でも、ニコリとしてくれたので大丈夫そうだ（笑。

「ここは良く入るべ～！」
「そうなんです！！、この場所よく飛んでくるんですよ。飛びの方もすごくいいですねー。」
「釧路の方じゃ聞こえなくても、ここではよく聞こえんだぁ。八戸とか、向こう側から聞こえてくっかんなぁ。」

このロケは非常に飛び受けが良いので、このおじさんには全く同感だ。このおじさんは、以前「電話級」もお持ちだったようで、携帯が出てくる前は、さまざまな無線を受信して楽しんでいたらしい。まだアマチュア無線が時として連絡ツール代わりに使われていた時代の話だ。

おじさんと話し込んでいると、すでに10時半を回ってくる。そろそろ尻羽岬へ行く準備をする時間だ。少なくとも漁港では視界はかなり改善してきたが、岬の上はまた別物だ。果たして、今年は岬から景色が拝めるのか？

（QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。）