[恋人たちの時間]
ホエールウォッチング (6/20日 座間味島)
座間味島稲崎展望台は、島の西側にせり出した岬の高台に位置する展望台だ。ホエールウォッチングの名所でもあり、立派な展望デッキと展望塔を備えている。
到着早々、コンディションチェックのため、CQを出してみるといきなり一発目でガツーンと入感がある。???? Esではなく、グランドウェーブで、沖縄本島のウラソエVX124局だ。渡嘉敷島では、当局のパイロット信号になってくれた浦添の局長さんのようだ。当局は本島方向とは真反対の島の西側にいるのだが、こちらも高台のせいか全く問題なく届いてくる。意図せず座間味島-本島間でQSO成功だ(笑。(TNX!VX124局)
展望デッキで580Dを展開する。午後になっても雲の加減で小雨がぱらつくあいにくの天気だが、向こうには昨年運用していた渡名喜島も見える。思えば去年の今頃は、向こう側からこちらを見ていたのである。
580Dでワッチに入っていると、お客さんを案内しに来た島の人が話しかけてくる。
「無線ですか?」「どこまで飛ぶんですか?」(必ず聞かれる質問だ)
「まあ本州までですかね・・・」
しかし、特に無線には興味はないようだ。
「ここからね、ホエールウォッチングするんですよ。地図上でゾーンを決めていて、ここで双眼鏡片手に、クジラを見つけて、船に連絡するんですね。ゾーン番号で。」
「海の上は携帯が通じないので、無線で連絡するんです。」
あ、そういう無線つながりか(笑。
たしかに、船から発見するより、ここで見つけてホエールウォッチャーを乗せた船を誘導する方が、効率的である。冬、3月頃まで、ザトウクジラが繁殖のためこの海峡にやってくるのである。尾びれの模様や、特徴などで個体が識別されているようで、名前まで付けられているクジラもいるようだ。
17時過ぎ、ようやく静かだった8Chが少しずつざわめき始める。ドカーンと来るわけではなく、少しずつ上がってくる気配だ。やがて7エリア、ふくしまFD55局のCQが補足可能なレベルまで上がってくる。こちらからCQを出してみると、今度は1エリア、アイチAC623/1局からお声がかかる。お~、AC623局だ。AC623局さんとは思い入れの深いQSOが多い。2011年の西表島QSO後に、「一期一会のQSO」という言葉を教えていただいたのも、かの局長さんだ。当局はそれ以降、その言葉を座右の銘にしている。夕方ながら相変わらず貧コンで、結果的にEsでつながったのは3局だけだが、座間味島からAC623局さんともつながったのは何物にも代えがたい収穫だ。
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稲崎展望台:左、中写真。座間味での愛車は、スズキのワゴン。 (右)稲崎展望台へ向かう途中には、阿真集落も見える。右手前小島の向こう側の島が、22日(月)に運用する阿嘉島だ。 |
恋人たちの時間?
この稲崎展望台は、西の海に面しているので、絶好の夕日鑑賞ポイントでもある。今日は雲が厚く沈む夕陽は味わえそうにはないが、それでもカップルが一組やってくる。夕暮れのロマンティックな一時を、ここで二人だけで過ごそうという思いに違いない。
そろそろ夕陽も傾き、たそがれというシチュエーション、妙に長いアンテナを伸ばした怪しい機械を操る変なオッサンは、きっと二人にとって邪魔者に違いない。おそらく・・・、そんなオッサンが、かれらの後ろでノーテンキに「ハローCQ」などと言っている姿は、想像するだけで極めて滑稽だ。一応気を利かせて、当局は退出、二人だけの時間を作ってあげよう。AC623局ともつながったので気分は上々だ(笑。580Dのスイッチを切ってその場に放置、87R片手に駐車場に引き返し、二人だけの時間を優しく見守るのである。・・・なんてはずはなく、87R片手に思いっきりCQを出すのである(爆。
入り組んだ湾の向こうには断崖絶壁の岬が見える。それにしても駐車場ですら、極めてすがすがしい場所だ・・・と、思う間もなく・・・そこには、渋い変調音でレスポンスが返ってくる。いたばしAB303局さんだ。AB303局さんは、当局の沖縄移動時によく北海道へ移動されており、これまでにも幾多?(笑)の一生涯忘れられないQSOをさせて頂いている。西表島-知床、与那国島-知床間のQSOなどだ。今回は北海道へは移動されてはいないようだが、お声掛けいただくだけで感謝である。
さて、展望デッキの二人はどうなったのか?仲よく二人寄り添って車に戻ってくる。どうやら、しばらく二人だけの時間を満喫できたようだ。
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