[ニシハマ展望デッキ]
阿嘉島北浜(ニシハマ) (6/22日)
渡嘉敷島でのロケ選定の失敗を例にとるなら、阿嘉島北浜(ニシハマ)は、北東方面に開放的に開けたビーチで、本土とやるにはこれ以上の条件はないほど申し分のないロケだ。ただ、阿嘉島での滞在時間は6時間強なので、当初の予定では、運用終了まで港(阿嘉港)でお茶を濁そうかと考えていたのである。そもそもこれまでの沖縄離島運用の実績上、月曜日につながるのはせいぜい5局程度ということもある。しかし、今回は渡嘉敷島での一件もあり、迷わずバイクを借りてニシハマまで移動してみることにする。
ニシハマは、座間味島の古座間味ビーチと同様、いかにも慶良間らしい、美しいビーチだ。しかも白砂の海岸線は長く、非常に開放的だ。目の前には数隻のクルーザーやらが浮かび、癒しという意味では、上っ面でない本物のリゾート気分を味あわせてくれる。ここにも木製のデッキがあり、そこに立つとまるで、青い海の中に引き込まれそうである。『もう無線なんてどうでもいいでしょ』、と語りかけられているようではあるが、その誘惑をなんとか跳ね除けなければならない(笑。
|
|
雨で本格運用は、11時を過ぎて からだ。ビーチ前のレンタルショップ も手持無沙汰。 |
ただ大気は今日も非常に不安定。到着当初は日差しが海のケラマブルーを映し出していたが、すぐにどしゃ降りだ。雨の止まった隙に少しゲリラ運用をした限りでは、月曜の朝にもかかわらず運用局は結構おられるようで、特に9エリアとは強力につながるような感じだ。しかし、本格的に運用できるようになったのは、天気が安定してきた11時を過ぎてからだ。
昼休み時間になると、今度は2、1エリアが超強力入感し始める。名古屋港のなごやCE79局は57、しずおかCE33局も56と、沼津から強力に飛ばしてこられる。特にCE79局の波は、ほとんど全くQSBもなく、ローカル波のようにいつまでもラグチューできそうなほど強力だ。ロケは名古屋港の「沖縄ポイント」から出られているようだ。1エリアではサイタマKM117局が、56とずば抜けている。今年は「山の方でもよろしく~」といういつものあいさつはし忘れてしまったが、こちらもいつまでもラグチューできそうなくらい強力である。いずれも、これぞまさしくEsといった(=Esチック)、ブレのない入感の仕方だ。
そもそも我々の電波はその時々、Esで飛んでいるのか、Fで飛んでいるのかは、実際は判断が難しいところである。その時々の臨界周波数をつぶさに観察していけばわかるのかもしれないが、我々が入手できるデータは限られているし、そもそもその時・その場所、電離層は生き物なので、どんな精密な測定をしたとしても、その一瞬一瞬を捉えきることはできないのである。当局が知る限り、我々がEsと称する遠距離交信は、大まかに二つのパターンに分かれる。何もノイズがなく、ただ遠くの局が、時にQSBに乗って聞こえてくるパターン。もう一つは激しくS5、S7まで上下するピュルルンノイズや、その他何とも表現しがたい天然ノイズに乗って聞こえてくるEsだ。内地では、圧倒的に前者、沖縄では7割以上が後者なのである。(もっとも、当局がそのような時期に移動しているせいもあるかもしれない。)こうしたことが断言できるのは、最近はYouTubeなどで、他局さんの当局との交信の模様を見ることができるからである(笑。受信時の聞こえ方が全く違うのである。『なんでよく聞こえているのに、ちゃんととってもらえないのか』といったことを、よく聞かれることがあるのだが、このことは耳フィルターが最大限に必要なのか、全く必要でないのかといったシーンをイメージしていただければ分かっていただけるかも知れない。
当局的には57くらい振ってくるシグナルに、最も「Es臭さ」(Esチック)を感じるのだが、では他はすべてEsでないのかというと勿論そんなことはない。要は、検証は極めて困難ということである。
屁理屈はさておき、まだまだEs伝搬の奥は深そうだ。今回も、運用時間が短かった割には、なぜかこれまでの沖縄運用の中で最も多くのQSOをさせて頂くことができた。これもひとえに、各局殿のおかげである。各局TNX!!。
|
|
|
|||
左):朝の座間味港。これから村内航路で最終移動地阿嘉島へと向かう。 中)、右):ニシハマ。 |
© Nagoya YK221