[対馬に飛ぶ。]
歴史と国境の島
対馬とは、一言で言うと歴史と国境の島である。国境とは今で言う韓国との国境だが、日本史の中では誰もが覚えている、古くは「防人」や「白村江の戦い」(663年)、中世では秀吉による朝鮮出兵など、なかなか表には現れてこないが、歴史の大きなマイルストンの中で確かにその存在を刻んでいる島である。明治時代には砲台(日本海を航行する艦船を攻撃する大砲)も築かれ日露戦争時~太平洋戦時には国境の最前線で守備、攻撃の前面に立たされた場所でもある。一方で、日露戦争時、日本海海戦で敗れたバルチック艦隊の水兵がたくさん漂着し、島の人々が敵味方の隔てなく積極的に救助、介抱にあたったという日本人の美徳を物語る逸話も残っている。金田城(かなたのき)など、大和朝廷時代に築かれた城跡(とりで跡)もあれば、砲台は島中のそこかしこにその跡が残されている。中には一発も発射されることなくその使命を終えた砲台もあるという。砲台跡もいろいろと訪れてみたいが、観光が目的ではないのでそこはがまんである。
なぜ対馬運用なのか?・・・毎年Esも後半にさしかかると、韓国方面からの入感が俄然強くなる時があり、韓国に程近いこの場所から電波を飛ばしたらどんな飛び方をするのだろう、どんな聞こえ方がするのだろうかということが以前から気になっていたのである。
対馬から韓国へは最も近い場所で49.5Km、逆に福岡へは120Kmほどの距離で(対馬市厳原より)、島の西北端からは空気が澄んでいれば釜山の町や夜景が見えるという。島は90Kmほどの長さで、車で「普通に」走れば、端から端まで3時間近くかかるほどの大きさである。Esもとっくに最盛期を過ぎているはずだが、果たしてこの島からQSOなるのか?・・・って、普通に考えればできるはずですが(笑。
今回は沖縄移動とは違い、デジ簡も持ち込んで海峡越えのQSOも狙ってみることにする。今回の日程はSVが含まれているので、おそらく運用局は普段より多いだろうから、6エリアや4エリアとグランドウェーブでつながるのも楽しみだ。CBの方はいつもの707と87R(新技適)のコンビである。いつもの離島運用時と同じく、木曜日の夜に会社から羽田に直行、福岡まで移動しておき、金曜の朝からSV本番である日曜日の夕方までが運用時間だ。対馬-福岡はANAの737が一日4便飛んでおり、朝の9時からQRV可能な計算である。
© Nagoya YK221
2013対馬