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  もうひとつ、心の底の静かなウキウキ感が、夏の始まりを告げてくれました。         (焼尻島白浜海岸)




お空の波 


 日曜日、SV本番だ。運用開始前、朝5時半過ぎに鷹の巣園地に様子を見に行ってみると、草刈り機で作業をしているおじさんが、作業を終えてすでに一休みに入っている(笑。なんと一日の始動の早い島か。まだ穏やかな朝の光のなか、きょうも天売島がくっきりと見えている。

運用は白浜海岸からのQRVだ。6時前、目の前の磯辺ではすでに小型のボートを使った漁が始まっている。ウニか何かの漁だろうか?ここは前述の通り、崖上から無理やり階段を下りていって海岸にしている場所だ。水際でやるにはここしかない。しかし二日間いて確信に至ったことだが、焼尻も天売も、羽幌のFTや稚内よりSが3程度落ちる。羽幌のEF35局や稚内のB73局が軽々とQSOしている局長さんは、当局には全く聞こえない時が半分ぐらいあるのだ(笑。特に羽幌とは20数キロしか離れていない。通常周りを海に囲まれた離島の方が、絶対に入感が良いのではないかと思われがちだが、どうもその理屈は必ずしも正しくはないようだ。ただし、すべてのFTや漁港の岸壁が入感が強いわけではないので、これは面白い現象ではある。少なくとも羽幌FTが優秀なロケであることだけは間違いない。


ようやくコンディションが上向いてきたのは、9時半近くになってからだ。どなたかを呼びかけられる、ならSX65局の信号が唐突に入ってくる。和歌山県の潮岬におられるようだが、Esで飛んでいるとは気づかれていないようだ。しかし今日も内地は雨なのか、他に聞こえてくる局はほどんどない。しばらくして、サーチをかけていると、どなたかが8ChでCQをだしているのが一瞬聞こえてくる。コールサインは分からないが、この声はえひめCA34局だ。5Chで待機していると案の定、CQが飛んでくる(笑。今日は高知県室戸岬からQRVされているようだ。

最初は51~52程度の入感だった各局の信号も、時間とともに上昇してくる。しかし、この海岸は不思議な海岸で潮の満ち引きが全くないのだ。猫の額ほどの砂浜は、いつ来ても濡れている場所と乾いている場所の境目が一緒だ(笑。しかも何時間いてもまるで動きがない。まあ、当局の錯覚には違いないが、前述したように潮の満ち引きでコンディションの行方を読むことができないのである。

  左)白浜海岸はこの左崖下にある。今回の愛車はヴィッツ。
  右)白い雲も夏の到来を告げる。



10時を過ぎると急激にコンディションは上がってくる。少なくともお空の「波」は完全に上げ潮だ(笑。ありがたいことに、各局55程度の強力入感だ。NTS115はもう2日間使っているので、音の歪み具合で(笑、Sの強度が分かるのだ(笑。こちらからも54~57程度で飛んでいるらしい。応答いただく局が半端なく多い。おかげさまで、例年離島運用ではだいたい一度はパイルアップを経験するが、ここまで凄まじいパイルは17年の北・南大東島以来だ。受信に入るたびにNTS115の再生音は完全に「ブザー音」、どれだけの局長さんに呼んでいただいているのか全く分からない。各局さんには感謝だ。しかし取り切れない局長さんが多すぎて、まったく申し訳ない。長めのスタンバイで、ブザーの中からかろうじて再生音として聞こえてくるコールサインを拾っていくしかない。信号がどれほど重なっているか不明だが、1、2エリアを中心に、0、9エリア、そして7エリアの南側まで比較的広範囲に落ちているようだ。というより、SVなので各地の運用局が多いだけか?

サイタマKM117局さんは、いつもの所沢からだ。SVに所沢におられるということはやはり関東は天気が悪いのか?木曽御嶽の中腹には、2エリアのいつもの面々が集まっているようだ。なごやCE79局やアイチAE114局などのメンバーは、当局が2エリアにいたころ以前から、毎年SVはここで運用と相場は決まっているのである。

コンディションが上々なのは、実にありがたいことだが、しかしこのままではチャンネル独占になりかねない。しかも今日はSV、ただでさえチャンネルは一杯のはずだ。一方で必死に呼び続けて頂いている局長さんを、一方的に切り捨てるわけにもいかない。実に悩ましいところだ。

昼前、ワッチを続けていると、まだコンディションは落ちきっていないようで、今度は1エリア各局のローカルラグチューがいたるところで安定して聞こえてくる。SVもひと段落している時間帯で、各局楽しそうに会話が弾んでいる。まるで、1エリアでいつものように運用しているかのようだ。

午後もSVは続く。とりあえず昼飯をチャージだ。





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 SV 2020 焼尻・天売