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  日が暮れるまで遊んでいた子供の頃。今日は、夕暮れ時に、時の流れを感じてみます。       (天売島)




夕刻から夜へ 


 昼間いた、天売島がシルエットになって浮かび上がるころ、西北からの風が少し音を立て始めていた。日本海にあるせいか、この島に来てからというものずっと、北寄りの風が、時には強く吹き続けていた。冬はもっととてつもない強さで一日中吹き付けているのかもしれない。島の上は静かなので、ただ風が通り過ぎる音だけが余計に強調されるのかもしれない。

真っ赤に染まった陽は、さっき水平線の向こうに、1秒追うごとに姿を変えながら消えていった。さっきまで、車の向こうに利尻も浮かんでいたが、もう見えなくなってしまったようだ。あの三日月も、やがて島の向こうに隠れていくのだろうか。

ただ、今、向こうに浮かぶ天売島や、果てしない空との間には無限とも思える空間が広がっている。

左)オンコ海道
右)向こう側に天売島



小平町の海岸沿いの国道からふと見上げた空に仰天したのは、北海道に降り立ったついおとといの晩だ。あまりの星の多さにびっくりしたのだ。こんな星空を見たのは何年ぶりだろうか。いや、ひょっとしてこれほどの星空は初めてかもしれない。「掃きたくなるような」、というのはこういう時のためにあるのだと、改めて納得できた瞬間だ。

昨晩は昨晩で、同じように星空を眺めていると、あまたある星の輝点と同じような一つの輝点が、南から北へとゆっくりともなく、速くともなく移動していくのが見える。ISS(国際宇宙ステーション)は肉眼で見えると聞いていたが、果たしてISSなのか?今晩さっそく軌道を調べてみたが、昨日であれば21時15分頃にもっと仰角が低いところに見えるらしい。当局が見たのは21時半ころ、天頂近くを、170°方向から350°方向ぐらいに移動していく輝点なので、どうやらISSではないようだ。

 北方向 (手前は、キャンプサイトの丘)

それにしても、星空はあまりに饒舌だ。今晩も3日連続でよく星が見えている。そしてそんな星空の下、21時からはいよいよ今年のSVの始まりだ。

SV開始と同時に、B73局が稚内から伊勢湾ロールコールのEs特別版をやられるらしいので、一応高台に上がってみる。グランドウェーブでチェックインしようという魂胆だ。しかし、今朝漁港で聞こえたのに、なぜか高台では聞こえない。ロケを変更したのか?しからば、と白浜海岸に戻り、今度はEs局狙いだ。もちろんチェックイン局ではない。だいたいCBerの習性として、チェックイン後に他のチャンネルでCQを出したりするものである。チェックインできたとすればなおさらだ。それだけコンディションが良いということだからだ。

87R片手に崖に設置された階段を、ヘッドランプを頼りに海岸まで下っていく。海岸は岩がゴロゴロしているので慎重に踏み場所を選ぶ必要がある。ん~、やはり何局かがCQ局を出しているようだが、51Max程度か?力強く入感する局はない。QSOできたのはとうきょうMS87局さんだけだ(笑。

崖の上に戻って、引き続き星空をめでてみる。今日は人工衛星は見えないようだが、しばらくすると、月は律儀にも天売島の上空に移動してきた。やはり天売島に沈んでいくのか?

それにしても、今日も、美しい星空だ。


左)天売に月が沈んでいく
右)南方向、海上




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 SV 2020 焼尻・天売