CQ一発?
ひととおり山頂と山頂からの風景を確認、さっそく87Rを取り出してオンエアを開始する。標高1,600mを過ぎたあたりから雨がポツポツときており、上はレイウンウェア、ザックはザックカバー仕様だ。それでも時々ガスが切れて、下界の海岸線が顔をのぞかせる。登山者の記念撮影の邪魔にならぬよう、祠の左後ろに立って、聞くより先にさっそく一発目のCQを出してみる。
「ハローCQ、CQ・・・」
「なごやYK221局!」と、なんと一発目のCQでいきなり応答がある。しずおかDD23局だ。信号も52でクリア、QSBも強くない。DD23局は当局の為に今回も土日フルタイムで迎撃体制を取られるとのことだったが、真っ先につながるとはさすがに驚きだ。移動を決めてからDD23局には連絡を入れておいたのだが、移動までのわずか数日間の間に地元の富士宮近くで8エリアが一番聞こえるロケ探しを実施された、というところまでは聞いていたが、すかさず応答が入ってくるのはさすがである。ロケの相性も抜群のようだ。(後から確認すると、ロケは朝霧高原)
CQの合間に少しワッチに回ってみると、ノイズも爆発的ではないが適度に上昇しており、海外局は静かだが、4Ch近辺では違法ががんがん入感してきている。典型的な国内Esパターンだ。登山中の最後のQRVから1時間以上経過しているので、その間に上がって、むしろもう下がり気味なのかもしれないという不安に掻き立てられる。いきおいCQ&ワッチにも力が入る(笑。8Chは混信も無くクリアーだ。しずおかDL8局のCQがQSBに揺れながら41くらいで入感して来る。DL8局とはQSBのタイミングもあり、お互いやりとりすること5~6回?、2、3分かかってようやくQSOにこぎつける。続いてシズオカAC703局からのコールが聞こえてくる。こちらも41程度でQSBがあるものの、8Chだけはなぜか混信やノイズがほとんどないので問題なくQSOを完了する。その後も聞こえてくるのはヨコハマUQ3局、トウキョウ13131局と、なぜか静岡、神奈川近辺のみである。電波はピンポイントで落ちているのか?
山頂は、徐々に人が増えてきたので、立ち入り禁止になっている南峰へと通じる登山道の岩の上(どんづまり)に陣取ってワッチしていると、「向こうには行けないんですよね?」と、少し離れた山頂から声がかかる。「ん?なんでそんなこと聞くの?」と一瞬不思議に思うが、どうもリュックも持たずにアンテナをギンギンに伸ばした87Rを抱えている当局を見て、パトロールの人と勘違いしているらしい(笑。「こっちは行けませんよー!」と似非(えせ)パトロールになって答えてみる。
似非パトロールよろしく、立ちふさがるように岩に腰掛けながら、87Rを操る。レインウェアもオレンジ色なので、きっとそれらしく見えるはずだ(爆。さっきからヨコハマBF35局のCQが入感してきており、こちらから何度も呼びかけてみるのだが、こちらからは飛んでいかないようだ。3Chをモニターしてみると、カナガワCB124局がどなたかとQSOされている。交信が終わった所で声をかけてみると反応がある。最初はQRZ?だったが、徐々にコンディションは上がってQSO自体は全く問題なく完了。神奈川県の南足柄郡からQRVされているようだ。それにしても、聞こえてくるのは静岡、神奈川近辺だけだし、こちらからの飛びもイマイチだ。似非パトロールはやめて、もう一度最初の祠の脇にもどってみることにする。(10mにも満たない距離の違いだが)
すると10mほどロケを変えたからというわけではないが、再びコンディションが上がってくる。おおさと59局に続いて、初めて1エリア以外が入感してくる。イワテB73/2局、ミエAC130局で、信号も51~52位でさっきより力強くなっている。1エリアもより強く入感してくる。カナガワCE47局とは51だったが、先ほど交信できなかったヨコハマBF35局とカナガワAC288局などはピーク53くらいの入感だ。
まだまだコンディションはいけそうな感じだが、ポツポツ程度ですんでいた雨も11時を過ぎたあたりから徐々に雨滴が増えてきていた。レインウェアで下山するのはうっとうしいので、雨が本格的にならないうちに早めに山頂を撤収することにするが、CBに躍起になっていたのでデジ簡を飛ばしている暇がない。一行掲示板では「デジ簡も飛ばします」、と言っていたので、このままでは看板に偽りあり、になってしまう(笑。最後にデジ簡でCQを出してみると、十勝岳登山中のカミカワTK510局より応答がある。向こうは快晴のようで、加えて、かすかにきこえるハアハアという息使いに、いかにも暑そうな雰囲気が伝わってくる。晴れ渡った空が見えるようで、ちょっとだけうらやましい。
下山途中もところどころでQRVしてみるが、コンディションは落ちてしまったのか、逆に海外局がちらほら聞こえている。このあたりまで来るといつものロシア語お姉さんが強力に聞こえたりするのかな、と思ったりもするが(笑、もちろんそんなことはなく、聞こえてくるのはやはり南の、中国語系の局ばかりである。
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山頂東側斜面はお花畑 | 南峰への道 | 87Rも神頼み? |
© Nagoya YK221
利尻・礼文