[相馬山山頂より] 





過ぎ行く夏にハムWhere?



過ぎ行く夏に、ハムがどこにいるのかといえば、東京のビッグサイトだ。

お盆の休みの間にどこかに移動しようと思ったのだが、今年はお盆のある週末にハムフェアがあるようなので、その週末はハムと同様、フリラもビッグサイトに集結しているだろうから、あえてそこは避けて翌週末に移動をかけてみる。

ハムフェアについては、某KM117局は皆勤賞のようで、これまで毎回その様子を同局ブログ「山岳移動の香り」の中で記事にされてきている。今年の記事を拝見している限りにおいては、アマチュア無線の方は引き続き地盤沈下が激しいようで、今年は東名電子の出店もなかったようだが、フリラブースの方は今回も盛況だったようである。

毎回『過ぎ行く夏にハムフェア』という同じタイトルで書かれているその記事、改めて昔のものから順に拝見してみると、フリラの世界の動向や雰囲気の変遷がよく伝わってくるような気がする。


関越自動車道駒寄PAから見た相馬山
(中央やや左の突起のような山)
今回の移動ロケは、相馬山(1,411m)だ。「相馬山」だけで、どこだかすぐに分かる方は少ないと思うが、場所は群馬県榛東村(しんとうむら)である。榛東村とくれば、すぐに想像がつくように、要は榛名山である。榛名山はいくつもの外輪山を含めた山全体の呼称だが、相馬山はその外輪山の一角をなす山で、榛名山の中では掃部ヶ岳(かもんがたけ、1,449m)に次いで二番目に高い山である。

もっとも、今回の移動理由は高さ狙いではなく、この山が関東平野に向かってすぐに急峻に下っているからである。主峰の榛名富士を含めて、他の高い峰々は、関東平野側から見て奥まったところにあり、この相馬山が平野側のもっとも手前に位置しているのである。つまり、平野側から見ると、山頂に向かって急角度で駆けあがっているのである。外輪山だから外側にあるのは当然だが、その中でもっとも平野側に近く面していることになる。

2019年に移動した南月山も同様に平野に向かって急峻に地面が駆け下りており、移動前に想定したようなタワー効果?(笑)で飛び受けが非常に良かったのだが、果たしてそのような効果が相馬山でも期待できるのかが、今回の関心事だ。(もっとも「タワー効果」というのは、当局が勝手に呼んでいるだけなので、お遊び程度の話ですが。)

ちなみに、榛名山と谷川岳は、ちまたでは昔から飛び受けが悪いということで評判の山だ(=単なるうわさ(笑。) だから、OADでも使う人はほとんどいない。ただ、これもおそらくは実質的に飛び受けが悪いというのではなく、「期待するほどには」という相対的な意味合いだろうと思われる。どちらも、外見上も位置的にも飛び受けがよさそうに勝手に思えてしまうからである。

南月山と違って、相馬山は1,411mしかないが、果たしてタワー効果は感じられるのか????(笑。

上段左: 中央に富士山。
その右下手前は赤久縄山



山頂に到着してみると、地形図通りに足元まで見事に空間が広がっている。(=冒頭写真)
こちら側のフレネルゾーンは目いっぱい広い(笑。下界に見える建物の屋根などが、何かを散りばめたようにところどころ小さい光を放っている。この景色だけ見ればタワーと大きな相違はない。期待をこめて、まずは8Chでワッチに入ってみる。今回もリグはCBにゃんである。

・・・なんとはなしにEsも少し入っているような・・・。というより、無変調ノイズが2~3秒続いたかと思うと、一旦止み、また5秒ぐらい後に2~3秒入ってくることの繰り返しじで、信号が完全にマスクされてしまう。S9振ってくるのでひとたまりもない。どうも、データの伝送系か何かのノイズのようだ。ということは一日中こんな感じなのだろうが、8ChはもともとEs待機局がたくさんいるだろうから、最初から使うつもりはないので、全く問題はない(笑。

4ChぐらいでCQを出していると最初に応答いただいたのは、トチギTI185局だ。続いて、ぐんまAD17局である。今日は大岩山(足利市)におられるようで、信号は56/55。大岩山は山というより丘陵程度の高さのイメージだが、関東平野の北側辺縁の、ある程度高さのあるもの同士と言ったところか?しかし、大岩山は平地ではないので、もうすこし信号が強くても良さそうな気もするが、「まあ、こんなものか」(笑。

高所系では、ナガノMA205局が美ヶ原に移動されている。今日は秋田県から日本海ロールコールがあるらしく、それ狙いでの移動らしい。LCRで55/55、CBでは59/59での強力入感である。距離も73Kmしかないので、当然の入感度合だろう。同様に横手山にはナガノEN07局が運用されており、こちらは言うまでもなくさらに強力、59+/59+と超強力だ。

筑波山の男体山にはつくばA3局が出られている。A3局とは久々のQSOだ。RSは57/59と、やはり高所系の局は強力入感だ。ただその強力度合いが、タワー効果を含めたものであるのかは、もちろん判断がつかない。

それでは、平地系の局はどうなのか・・・?。




OADがスタート・・・・・したとしたら・・・各局ビックリ仰天です。



 「青い海」のように、水色に染まる。外見からして清楚な雰囲気。



平地系の局



2021年のOADでは、全般的に関東平野近縁からのQRVを試みていた。関東平野近縁の山岳から平野に向かってどのような飛び受けをするのかというのが全般的なテーマだった。具体的には、福島県の朝日山、群馬県の十二ヶ岳、栃木県の八方ヶ原、長野県の御座山黒斑山といったところで、標高も700m級から2,300m級までさまざまだ。

結果的には意外性はほとんどなく、運用ロケの高さ加減以上に、途中に山岳が入ることによる伝搬の障害が想像以上に大きいことを再確認した程度で、大きなサプライズはなかった。

今回の相馬山は、十二ヶ岳(高山村)のQRV版の続きのようなもので、十二ヶ岳より若干標高が高く、距離も関東平野に若干近いということで、平地系の局とのQSOで何か変化があるのかどうかというのがもう一つの関心事ではある。

特に21年の運用で大いに活躍していただいたのは、城山湖のかながわCE47局で、いつも城山湖とどのようにつながるのかをreferenceにさせていただいた。(CE47局とは何か連絡を取り合っているわけではないので、感謝に絶えない。)もし今日も運用されていれば、相馬山ではどのように聞こえてくるのか興味深いところだ。

十二ヶ岳山頂から見た榛名山全体。
中央やや左の一番高いピークが相馬山。
この写真は北側から見ているので、関東平野側は、画面左のやや上方向になる。


埼玉県加須市の利根川リバーサイドでは、サイタマCT170局からコールを頂く。こちらは距離もそれほどないので、57/57と常識的な線である。東京の小金井公園には、Esを聞きつけてさいたまUG100局がスクランブル発進されたようだ。RS53/54。今日のコンディションは全般的にノイズレベルが高く、若干聞き取りにくい部分もあったが、信号強度的には「まあ、こんなものか」(笑。

よこはまUQ3局とも久々につながった。51/53。QSOの出だしは、ノイズレベルが上がっていることもあり、41と厳しかったが、すぐに51で安定する。ただ、ノイズレベル的に、のんびりとはQSOできないような雰囲気だ。「今日も横須賀ぐらいですか?」と手短にロケを確認してみると、「横浜からです」との回答だ。ビルなどが障害物になっているのかもしれないが、平地の横浜とは「まあ、こんなもんか」。基本、「まあ、こんなもんか」の連続で、いずれにしても、顕著なタワー効果は余り感じられない(笑。

しかし平地のみなさんは基本的にEsねらいなのか、なかなかお声掛けをしていただける局長さんはいない。めげずに定期的にCQを続けていると、いよいよかながわCE47局からコールを頂く。城山湖なので、平地局ではないが、前述の通りいつもレファレンスにさせていただいている局長さんだ。

21年のQSOでは、CE47局とは御座山からはQSO不可、黒斑山からは信号らしきものを捉えたもののQSOには至らず、と記憶している。八方ヶ原でのQRVは脳内ログでは記憶が定かではなかったが、後で調べてみると53/52だったようだ。相馬山からは51/52。相馬山と八方ヶ原のQRVポイントはほぼ同じ標高である。今回はリグがCBにゃんであることを考えると、やはり城山湖については八方ヶ原の方が飛び受けが良いようだ。相馬山から、城山湖は間に奥武蔵や奥多摩の山々がかかるので、これは常識的な線だが、ということはやはりタワー効果は上がっていないようだ。

ということで、今回はタワー効果によるサプライズはない(笑。

そもそもタワー効果などというのは、当局の勝手な想像の世界のお遊びなので、最初からお話にならないわけだが、それでも負け惜しみとしては、そんな空想の世界で遊んでみるのも一つの楽しみなのではある。

十二ヶ岳との比較では、相馬山は標高が200m以上高く、関東平野側に少し近くなっていることで、埼玉などの平地局への飛び受けはかなり良くなるようだ。タイミングの問題だったかもしれないが、十二ヶ岳から城山湖はつながっていない。これも平野側に少しでていることによる違いと思われる。


今日は、千葉県鴨川市の二ツ山には、ちばY79局が移動されているようだ。房総半島の先に近いロケである。二ツ山は、千葉県の最高標高点であり、自衛隊のレーダーサイトがある愛宕山のすぐ隣なので、標高は400m近くある。したがって、こちらも城山湖同様、高所系でもなければ、「平地系」でもないが、57/56と強力である。耳Sではメーター以上にもっと強力だったが、LCRではメーターでも58/59+である。距離は180Km ほどだが、もしタワー効果があるとするならば、波長の短いVHFの方がより効果が大きいのかもしれない。

LA MER BLEU  



運用終了後は、前橋市元総社町にあるパティスリー「LA MER BLEU」に立ち寄ってみる。文字通り、外観も水色に包まれた清楚なお店だ。ここはイートインの席が結構あるのがうれしい。イートインでのドリンクも100円と良心的だ。店内も、こちらは白群がかった水色で統一され、清潔感が漂う。

今日はマンゴーのショートと、フルーツロール。お上品なクリームの味わいが印象的だ。運用を思い出しつつ、再びタワー効果の空想の世界に浸るのではある(笑。


22QSO、各局TNX!! (2023/9/1)

(文中敬称略)





運用データ


 
■運用日時・場所:
 
  ・2023年8月27日(日) 
    8:10~11:45 群馬県榛東村
             相馬山山頂(標高1,411m)

 ■使用&装備リグ:
   CB : CBにゃんJr. MKⅡ改DX 
        (東海DX・CB無線クラブ新技適)
       ICB-87R (SONY/ラジックス改新技適)
   LCR: DJ-PV1D (アルインコ)+SRH140D (第一電波)
 ■使用&装備電源(CB機)
   リチウムイオンポリマー電池:
     11.1V/5.1Ah
11.1V/1.5Ah

   ・乾電池




QSO局
22QSO TNX!!
  
(敬称略)

2023年8月27日(日) 晴れ     
トチギTI185/栃木県足利市 52/51 ぐんまAD17/栃木県足利市大岩山 56/55
ナガノMA205/長野県美ヶ原 (73Km) 55/55 グンマAA420/群馬県桐生市 (43Km) 59+/M5
さいたまUG100/東京都小金井市 53/54 ちばTK29/ 52/54
ナガノMA205/長野県美ヶ原 59/59  サイタマCT170/埼玉県加須市利根川リバーサイド 57/57
ながのEN07/長野県志賀高原横手山 59+/59+  さいたまHM46/埼玉県東松山市 (66Km)  56/56 
よこはまUQ3/神奈川県横浜市  51/53  つくばA3/茨城県筑波山男体山  57/59 
サガミFJ1300/JD1父島  53/53  サイタマHA528/埼玉県松伏町 (100Km)  56/56 
アイチJP001/埼玉県飯能市黒山 (75Km) 56/59  ちばY79/千葉県鴨川市二ツ山 (180Km)  58/59+ 
マツモトTK304/長野県根子岳  53/M5  かながわCE47/神奈川県相模原市城山湖  51/52 
サイタマYT220/埼玉県吉見町荒川河川敷  56/57  ちばY79/千葉県鴨川市二ツ山  57/56 
サイタマAB960/埼玉県吉見町  58/57  トウキョウAR705/東京都八王子市  53/53 
   
注: 距離表示があるのはデジコミ(LCR)による交信





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