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[北港 抽象画]



北港その2 (6月24日)

この岸壁に立つ時、足元はまるで抽象画のようだ。

この吸い込まれそうな岸壁で今日も運用、といきたいところだが、どうも港の広場の人の動きがそわそわしている。まだ朝7時過ぎ、この時間、普段はだれもいない岸壁なので、どうもおかしい。貨客船「だいとう」が接岸するのだろうか?といっても昨日あの船はここにいたばかりではないか。「だいとう」は基本的に那覇と大東島を往復するだけの船で、ルートは大東島に入港する順番が「北」が先なのか、「南」が先なのかの違いだけである。那覇との往復時間は正味で30時間。だから昨日の午後ここにいた船が、今朝ここに入ってくるはずはないのである。変則的なスケジュールなのか?リグを出さずに様子をうかがっていると徐々に人も集まりだしてきた。岸壁で無線をやっていては間違いなく接岸の障害になるので、一旦昨日の「ピラミッドの丘」に避難だ。

案の定ピラミッドの丘の斜面でQRVしていると、「だいとう」が目の前を通り過ぎて北港に向かっていく。それにしても朝から直射日光がすさまじい。この丘は何も日差しを遮るものがないのである。

昨日、ここではしりべしCB49局をCBLできたのだが、今日も静かだ。しかし、折り畳み傘を日よけにして待機しはじめて1時間が経過したころだ。今日も静かな中から8エリア、いぶりB808局のCQが響きだす。RS51/51。今回移動で8エリアとつながった最初のQSOだ。やはり朝は浅い反射から始まるようだが、なんとか今日はこちらから北海道へも電波は届いたようである。いしかりAG11局も入感、必死に呼びかけるが、こちらはQSOならずだ。そういえば与那国島から知床のいたばしAB303局とつながったのもあさイチで、西表島から同じく知床のAB303局とつながったのは日没前後だった。JR6から8エリアとは基本的にあさイチか夜なのかもしれない。

あさイチの浅い反射は静かなEsだ。単に相手局の信号が電離層反射で聞こえてくるだけである。ひょっとしたらFなのかもしれないが、こんな静かなEsならいつでもウェルカム、絶対的に楽チンだ。

しかしそんな甘い考えは許されない。ゴルフの素振り練習をしていた昨日とは一変(笑、10時を過ぎるとコンディションはぐんぐんと上がってくる。(コンディションが上がる前に、当局は北港岸壁脇の岩礁にロケを移動していた)

コンディション上昇とともにノイズもビュンビュンと振れ回る。今日もQSBが激しい。どちらかというと時々全く落ちてしまうような聞こえ方だ。こちらからは平均52程度の飛び、あまり強くは飛んでいない。一度にコールをいただく局もそれほど多くはないので、まだ脳内ログが使えるレベルで、二日前よりは聴きやすい。聞こえてくるのは1、2エリア中心で、5エリアが聞こえてくる割には3エリアがあまり聞こえてこないのは天気でも悪いせいか?前線が北に上昇しているので、本州では局所的に天気が悪いところもあるだろう。

ノイズが上がってくると、当局的にはSR-01は聞きずらいので、リグを87Rにチェンジ、水しぶきがかかるくらいに、より水際に迫ってのQRVだ。しかし岩礁でこけると大けがをするので要注意だ。おそらく10数メートルしか差はないのだろうが、やはり水際に移動するとSがあがるし、こちらに返ってくるレポートも良くなる。そうしたことでQSO自体が楽になるのが何よりのメリットだ。やり取りする回数が減るからである。SR-01を抱えながら波打ち際でQRVするわけにはいかないので、これは87Rのメリットでもある。

まだまだコンディションは続くが、一旦QRT、ハマユウ荘のレストランで、大東そばをチャージだ。

 
左: 「ピラミッドの丘」。下の道路は「北面周回道路」。道路の先、左手が北港になる。
中: 天まで延びていきそうなこの石段で、いぶりB808局とつながる。
右: 9:30くらいから北港岸壁脇の岩礁地帯に移動。87Rを持って、画面奥のさらに水際に移動すると更に飛び受けが良くなる。
 



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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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