9 10 D 



[南面周回道路にて]




8エリア入感

運用二日目、金曜日はまずは「北面周回道路」からQRVしてみる。「北面周回道路」というのは、当局が勝手につけた名前だが、島の西北端にある黒部岬の方から北港へと、北大東島の北岸をほぼ一直線に走っている道路だ。無線的には水際でやりたいところだが、海岸はすべて岩礁の岩場で道路脇には腰の丈ほどの低木が生えており、よほど気合を入れない限り道路から水際まではアクセス不可能だ。その代わり、海までは視界を遮るものは全くないので、風を切りながらバイクで飛ばしていくと実に爽快だ。青い海と低木の草木の緑が視界を流れていく。

8時前、周回道路の途中にあるピラミッド状の石組の斜面でワッチを開始してみる。しばらくすると、ノイズも全くない静かなチャンネルの中から、しりべしCB49 局が52ほどで入感してくる。沖縄に来てからは初めての8エリアの入感だ。勢い込んで呼んでみるものの、しかし、こちらからは呼べど叫べど届かない。聞こえても届かないという典型的なパターンだ。朝は遠距離の浅い反射から始まるようで、加えてどうやら、こちら側にはEs雲は発生していないようだ。コンディションが上がった時のピュピューンノイズ等は全く聞こえない、静かな本州型のEs伝播である。

北港にロケを移して待機していても、一向にコンディションは上がる気配はない。コンディションが上がらないうちに、空港滑走路の海側にある沖縄県最東端ポイントにロケを移してみる。ここは、沖縄県において最も東に位置する場所で、県の最東端の碑がある。南大東島の海軍棒プールのように、岩礁をプール型に掘削して、海水浴もできるようになっている。シャワーやトイレもあるFBな場所なのだが、もちろん、観光客すら誰一人やってこない。

 
 
左: 島の北側、「周回道路」の内側には、ピラミッドのような石組の斜面が延々と数百メートルと続く。当局はここを勝手に「ピラミッドの丘」と呼んでいる。北側の空に向かった斜面なので、本州との交信に活用しようともくろむ。8エリアが入感、がしかし・・・。
中: 沖縄県最東端ポイント。最東端の碑がある。右側に見えるフェンスは北大東空港滑走路で、空港の東脇にある。
右: 上陸公園。北大東島の開拓は、明治30年代、南大東島の開発を行っていた玉置商会という会社が社員を派遣(上陸)したことに始まるという。開拓の目的は燐鉱石の採掘と、砂糖である。開拓後、ここからは砂糖の積み出しが行われた。向こうに見えるのは南大東島。
 


わずか2局(笑

電波も本州からは全くやってこない。10:30頃に突然ヤマグチLX16局が入感したのと、11時過ぎにかごしまNB79 局とコンタクトに成功したのみである。6エリアまでは他のEs局が聞こえてきているようだが、こちらには全く聞こえない。本州の中でも比較的距離が近い場所としかつながらない感じだ。期待のランチタイムも入感がなければ、無論こちらからのCQにも全く反応はない。ホニャラや違法も聞こえてこない・・・静かすぎる(笑。こりゃ一日中ダメか?

電波が落ちている間に、島を時計回りに回ってみる。南側の「周回道路」を進んでいくと、青く染まった海の向こうに南大東島が見えてくる。相変わらず海の青と、草木の緑のコントラストが鮮やかだ。

その後は北港に戻り、夜までQRVしてみるが、全くの「しずかちゃん」(笑。昨日この場所であんなにピックアップに苦労したのがまるで嘘のような静けさである。昨日と同様、岸壁にはすでに何人かやってきて釣り糸を垂らしており、釣果は相変わらずだ。岸壁で、暇に任せてゴルフの素振りの練習をしているのは、当局ぐらいのものだ。実に日本人らしい(笑。

昨日は75QSO。運用初日としてはまずまずの成果だった。昨日は移動時間がかなりあり、一日中運用していたわけではないので、それだけコンディションも良かったということである。今日もその勢いでスタートしたのだったが、そうは問屋が卸してくれない(笑。結果的に一日がかりで、わずかに2QSOである。すべてはコンディションの思し召し次第。明日は女神は微笑んでくれるのだろうか???



その先に何かがある。・・・・・・・ってどういう意味?




次ページ  前ページ    

(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


© Nagoya YK221

 2017沖