[賽の河原(7/28撮影)]



特別な日?

午後4時半、「賽の河原」の食堂で、超遅~い昼食を頂く。賽の河原はまさしく奥尻島の北端に位置する場所にある。キャンプ用の設備も整ったFBな場所だ。食堂は午後5時で終わり。すでに後片付けに入り始めていたが、お願いして食事を出してもらう。うに丼定食を食べ終えると、食堂のおばさんが話しかけてくる。
「きょうはすごい風で大変ですね。」
「いつもこんなんですか?」 周りに何も風を遮るものがない、奥尻では珍しく開けた場所がそんな質問をさせる。
「いやー、いつもこんなことないよ~。今日は特別。今日は島風で島中でダメだね~。キャンプが一件入ってるんだけど、どこか別の場所に移ってもらおうかと思って・・・。この風じゃあね・・・。」

どうも今日は「特別な日」のようだ(笑。運が良かったのか悪かったのか?(って、ふつうに考えれば「悪い」ということでしょうが・・・)確かに午後3時過ぎには雨が降り出し、風も強まってきた。雨は今一応上がっているものの風の強さは一向に衰えない。うに丼ついでにソフトクリームを食べてから(笑、食堂脇のちょうどおあつらえ向きのテーブル&イスセットでワッチにかかろうとするが風が強くて5分と長居はできない。夕方から夜にかけてはここで運用しようと決めているので、車に引きこもっておとなしくじっとしている以外になさそうだ。

奥尻に着いてから昼イチにしずおかDD23局とつながって以降はコンディションは落ちたままだ。つながったのは一局のみ・・・。奥尻一日目の今日はこのまま終わるのか?もっとも、午後3時以降は雨風でろくに空の状況はウォッチできていないのだが・・・。

   
(一番左写真は7/28撮影)    

サボってちゃ~いけない

シートを倒して横になって寛いで?いると、内地の某局からメールが入ってくる。「最近8エリアは6時前後から開けるから、そろそろ準備しろ」、とのお達しである(笑。のんびりくつろいでいるのが見透かされたか?風を理由にサボってちゃ~いけない(笑。 しかし、こんなことを言ってくれるありがたいフレンド局がいて当局は幸せ者である(爆。

なかばけだるい体を引きずりながら、「準備」にかかる。ルーフの上に707を置いて対応しようとするが、風に吹き飛ばされるので危険だ。87R片手に風がよけられる場所を探す必要がある。展望台脇の、背丈ほどの草が生い茂る草地がベストのようだ。それでもロッドアンテナの先端の方は風を受けてしなっている。

87Rから何気に声を出してみると、なんとまたしてもCQ一発で応答がある。(「またしても」、というのは、昼間のDD23局の時もCQ一発だったからである。)時刻は17:40分。「お達し」の通りだ(笑。しかし風切音がすごくて、ボリュームを8~9まで回す必要がある。

最初につながったのはトチギCB870局、続いて茨木町のイバラギAY48局だ。どうも北関東あたりに電波が落ちているのか?その後もミトBB501局、トチギSA41局、ふくしまAB34局/大田原など「トチギ」周辺局が続く。信号は各局53程度で決して弱くはない。むしろサイタマAD966局のようにガツンと強力に入ってくる局も少なくない。当局からも同じような飛び方をしているようで比較的強く飛んでいるようだ。イバラキAB399局からはまたしても驚きのRS59を頂く。ただ、QSBが激しい。QSO中に一度落ち込むと41程度に低迷して戻ってこないこともあるから曲者だ。

同じく1エリアからは、とうきょうMS25局からもコールを頂く。今回も41と厳しめの入感だ。6月の沖縄県渡名喜島運用時は見失ってしまったが、ノイズと合法局のQRMを潜り抜け、今回はQSO成功だ。その後も、0、1、2エリアを中心に入感が続く。落ち方の遠くは3エリア、ハンシンAA727局が限界か? ナゴヤAB449/1局からは、2度目のQSOで「55まで上がってますよ~」、と連絡を頂く。

20時を過ぎると聞こえてくる局がほとんどなくなるが、それでもコンディションが落ちた気配は全くない。QRV局が少なくなったためのようだ。いつまでやっていてもきりがなさそうなので、適当に切り上げ早朝からのSV運用に備えることにする。

日が暮れてからは、賽の河原に残されたのは当局一人のみ。人っ子一人いない。風は相変わらずだ。灯台からの白い一直線のビームが、潮騒が高鳴る海をいつまでも照らしていた。



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(QSO局は最終ページにまとめて掲載しています。)


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