灯台を巡る旅
知床のAB303局さんは落ちてしまったが、全般の状況はそれほど悪くないように見受けられた。ベンチの上の707からは、時々空耳のように、合法局らしき信号が聞こえてくるのである。こういうときは、5割以上の確率で本当に空耳であったりするのだが(笑、707のボリュームを9時方向まで上げてみると、空耳ではなく確かに何か入感しているのが分かる。87Rでも試してみるのだが、残念ながら87Rの分解能はそこまで高くは無く、確実に空耳でないことが分かるのは707だけである。この点は、87Rと707の受信能力の差かもしれない。(しかし、その差は僅かで、トータルでは87Rは非常にバランスの取れたリグである、というのが当局の評価である。)
この空耳レベルの入感はずっと続いていたが、9時を回ると、どのチャンネルも海外系の入感状態になりかき消されてしまうが、しかしその後は一旦静まり、逆に全体のノイズレベルが上がってきた感じだ。昨日も9:30過ぎくらいから国内向けコンディションが上がり始めたので、今日もこの時刻当たりから来るに違いない。実際空耳レベルだった合法と思しき信号は、既にQSOの断片をかすかに捕らえ始めていた。
ここで87Rを手にし、展望所を出て絶壁沿いに灯台の壁の向こうを左回りに歩きながらCQの連発体制に入ることにする。
CQを何度も出しながらゆっくり灯台脇まで来ると、ようやくコールバックが返り始める。B73局などからのコールが確認できるが、QSBでなかなかタイミングが合わない。その間にもどんどんコンディションが上昇してきて、8Chではいくつもの合法局の信号が飛び交い始めた。
その中に分け入るように、一発目となる、ひろしまDM11局とQSOに成功。RS52/52だ。続いては、おなじみのマリタイムモービル、アイチDI209局である。今日も伊勢湾上におられるようで、さすがにMMだけあって、浮き上がったときは、他の局より抜きん出て強く聞こえてくる。この時点で8Chは既にごった返し状態、合法の信号だらけなのだが、QSOの時間に渡ってフルに入感を保つのは相当むずかしい。なたでスパッと断ち切ったように、落ちてしまう局が多いからで、これが今日のEs伝播の特徴のようだ。8⇔6を行ったりきたりしながらオペレーションを続けるが、6Chは6Chでコンディションの上昇とともに韓国語の混信が激しく、こちらも余り使い物にならない。韓国局は本土と開けたときは必ず一緒に開けてくるのが常だ。北向きの回線で同じようなラインに乗っているのかもしれない。えひめCA34局とも危うく尻切れになるところだったが、52のレポートを連呼されているのがノイズの狭間に確認できる。シズオカAC703局もノイズと混信の狭間に、弱めながら比較的安定して入感していたが、QSO終了のあいさつと同時にストーンと落ちてしまうような感じだ。
コンディションが上昇したのは30分ほどの間だけで、11時を回っても入感してきたのはカナガワCB124局のみである。
午後も展望所で同じ体制でワッチを続けるが、入ってくるのは南方系の信号ばかりだ。手元では、52A(昭和42年製)が寂しそうにしている(笑。可愛そうなので、広場に出て5分ほど稼動させてあげると、ノイズを律儀にピックアップしてくれる。このリグは身体に似合わずAF出力が結構大きいのである。(52Aについては、えひめCA34局さんのブログ「50みりわった~ず」の「50mW機」等に詳しい。)
17時以降のコンディション上昇に期待をしていたのだが、昨日同様、結局20時を過ぎてもコンディションは上がりきらなかった。
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夕方、斜光の中草を食む与那国馬 | ||
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さすがに52Aの出番はなかった(笑 |
© Nagoya YK221
2012沖縄