←「呼んでェ~!毎日!」7月号。

■今号の特集はデジコミのようだ。
・デジコミによるFM局のDXハンティングというのは、当局も興味がある(笑。

・テクニカルセクションでは、11mの新鋭機SR-007がどうやって、CBの違法出力局や外部アンテナ使用局を判定するのか、その仕組みや判定回路の技術的な解説を行っている。
基本的には、判定には付属の縮減データ(随時UPDATE可)を使うことになるが、WiFi環境にあれば、リアルタイムでセンター側のビッグデータを活用することで(別途契約要)、より高精度な判定が可能になるとのこと。



7月号のIt's COTA!!



困ったことに、例の無線友達の「It’s COTA‼」愛が止まらない(笑。よほど気に入ったらしい。6月号で当局の役割はもう済んだかと思っていたのだが、7月号も紹介しておいてほしいという。

「おっかしいなぁ。そんなに面白いかぁ???」と返してはみたものの、よく考えると、彼が元気になるまでは彼のリクエストにしたがっておいた方がよさそうだ。仕方ないので、しばらくの間は、運用がなくても記事の内容を紹介することにしてしまった・・・。

ただし、当局は国語力が乏しいので、要約するのは大変な作業なので、今回からは記事の内容をほぼほぼ転載するような形だ(笑。


◆7月号のIt’s COTA‼は、神奈川県在住の女性の大学生の2、3年前?の話のようだ。(ただし、高校の学園ドラマ云々の冒頭の部分は当局が書き加えたもの。)



 It's COTA!!


高校の学園ドラマや映画などでは、学校に超イケメンの先生がいたり、学校一のイケメン生徒がファッションモデルなどをやっていたりして、女子生徒にキャーキャー言われながらモテモテで過ごしているのが相場だ。そしてそうしたイケメン先生やイケメン生徒と、図らずも恋に落ちてしまう女子高生の「私」というのが通常のストーリー展開である。ついでに言うと、教室の窓側の列の後ろから二番目というのが主人公の定席だ(笑。

しかし、残念ながら現実の世界は、ドラマの世界とは程遠く、平たい言い方をすると、しょぼくてダサいおっさんや爺さんの先生方や冴えないクラスメートの男子ばかりといったところが一般的だ。

彼女が高校に入学した時もその現実にがっかりしたことは言うまでもないが、それに輪をかけて我ながらあり得ないことをしてしまったのは、廃部寸前?の無線部なるものに入部してしまったことだ。もちろん自ら進んでではなく、友達とのとある取引で、幽霊部員でもいいからという願いを聞き入れて、入部せざるを得なくなったのだ。顧問は物理のA先生、どうみても引退間近のおじいさん先生だ。

しかし、いかにもドラマで出てきそうな、不幸中の幸いの唯一の想定外があったとすれば、A先生の甥っ子がイケメンの大学生だったことだ。彼は電気通信関係の大学に進学しており、おじさんの無線部をサポートするために時々学校を訪れてきていたのだ。

彼女は無線など全く興味はなかったし、友達との義理も果たした時点で無線部はやめてもよかったのだが、彼目当てに「部員」を継続することにした。もっとも、彼女はもともとアウトドアガールで、山登りが好きなので、しばらくすると、何かの時にデジタル簡易無線やデジタルコミュニティ無線が使えたらいいかも・・・などと思うようになりつつもあった。これも彼の影響かもしれない。


彼女が、めでたく彼と付き合いだして2年目、高3になる直前の春先、すでに引退して療養中だったA先生がガンで亡くなった。退職して間もなくのことだった。今思えば、ほとんど無線に無関心な彼女に対しても無線機やアンテナの取り扱い方法を手取り足取り懇切丁寧に教えてくれたし、孫娘のようにかわいがってくれた。なんといっても、交信しているときのあの優しいまなざしは忘れられない。

A先生は県の無線界でもそれなりに有名だったらしく、中学から高校の頃は市民ラジオ、その後はアマチュア無線をメインに、パーソナル無線、デジタル簡易無線、デジタルコミュニティー無線と、ほとんどの「アマチュア的」無線を経験された方だ。特に中高生の頃に没頭した市民ラジオの思い入れが強かったようで、「あのつながりそうでつながらない緊張感と、つながったときの喜びがたまらないんだ」と、甥っ子の彼氏が子供のころから語っていたそうだ。先生自身はなぜか市民ラジオを再開することはなかったが、彼氏にはいろいろとご進講されていたらしい。彼が通信関係の大学に進んだのも、おじさんであるA先生の影響が強かったからということになる。

余命いくばくもないことを自覚していたA先生は、彼女が山に登ることを知っていたので、引退するときに未使用のデジコミもプレゼントしてくれた。ご自身若いころは無線機を担いで山にも登られていたようなので、無線の有用性をよく理解されていたのだろう。その頃になって、A先生ともっといろいろお話ししたり、甘えておけばよかったと深く後悔したのである。


顧問の先生がいなくなったことで、彼女が高3になるときに無線部は廃部となったが、学校の無線機やアンテナなどの機材はそのまま残されていた。

そして、それは彼女が高校最後の夏休みに入る前の出来事だ。彼女は山登りに行って、事故で負傷し救助されたのである。濡れた岩場で足を滑らして、2、3m下の地面に叩きつけられてしまったのだ。

彼女の場合山登りと言っても、沢登りが専門なので基本一人で行動することはない。ただ、この日はたまたまパートナーが朝になって急に来られなくなってしまったので、トレーニング程度に適当に体を動かしてすぐ帰るつもりだったのだが、一人だけだったのが災いした。

携帯は使えないことはわかっていたせいか、地面に倒れたまま、無意識に胸のベルトに備え付けたデジコミで何かを話そうとしたところまでは覚えているが、それ以降は病院のベッドで目が覚めるまで記憶がない。見つかるのが早かったので大事に至らなかったが、手当が遅ければ後遺症が残る可能性もあるほど重大なものだった。

彼女は結果的に警察に救助されたのだが、後から確認してみると、4~5Kmほど離れた山頂にいた無線家が救助要請を出してくれていたことが分かった。いったいどういうことなのか??彼女が滑落したのは、沢の奥で、距離がないとはいえそんな山頂までデジコミが届くとは思えないし、そもそも無線機に手を伸ばしたのは覚えているが、話をしたのかどうかというのは記憶自体があいまいだ。


退院するとすぐに、彼女は彼にも手伝ってもらって一連の出来事を自分で確かめてみることにした。救助要請を出してくれた人に直接お礼を言いたかったというのもある。

その山頂は1,000m弱の山の頂だが、近くまで車で行けることもあり、以前から無線家、特に最近ではフリーライセンスの無線家たちがよく使っていることだけは知っていた。フリーライセンスの無線家はよく同じ場所で運用するので、2、3回通っただけで、すぐに通報してくれた人と対面することができた。

その人によると、デジコミ待機中に男性から突然救助要請の「依頼」が飛び込んできたのだという。
他人に依頼するぐらいなら最初から自分で通報すればいいのに、と思ったんですけどね
・・・半信半疑だったので、あえて相手の住所や名前も聞かずに適当に受けて交信を終えたのだという。
でも、声の感じが年配の方のようだったし、事故の位置情報がかなり具体的だったんですよという。

どういうことかというと、この方は山の麓の地元の方だが、「依頼人」の説明には、このあたりの山域に詳しい人でないと知らないような、いわゆる通称の地名がいくつか含まれていたのだという。そこで、まんざらいたずらでもないかもと思い直して、念のため警察に届け出たというのである。

さらにログを確認してもらうと、驚くべきことが判明した。なんとその依頼人からの通信は、彼女の高校の無線部から発信されたものだった。リグに表示されたという「コールサイン」と距離表示のメモが動かぬ証拠となった。43Kmという距離はぴたりと高校までの距離と一致する。部室のリグから発信されたことは間違いない。

つまり事故にあった彼女からの通信を「誰か」が傍受し、部室のリグから、たまたま山頂で運用していた局に救助要請を出すことを依頼した、ということになる。部室に備え付けられていたそのリグは、A先生がプライベートで購入した2台のデジコミのうちの一つで、もう一台は彼女が先生から譲られて事故当時「使った」ものだ。


疑問は3つ残された。ただ、未だにすべてが謎のままだ。

第一に誰が「中継」したのかということだ。部が存在していた時でさえ、ほんの時たま、デジコミを実際に使っていたのは先生だけで、部員はアマチュアオンリーでデジコミは誰も運用したことはなかった。念のため元部員にも確認してみたが、もう廃部になっているし、まして日曜の朝からわざわざ学校まで出てきて運用する者などいるはずもなかった。そもそも元部員が傍受したなら、そのまま警察に連絡しているはずだ。

第二の疑問は、そもそも彼女のいた場所から高校まで、電波が届くことは決してあり得ないということである。救助要請の依頼を受けた山頂でさえ、実は間にある山並みの影響で、つながるかつながらないかぎりぎりのところだ。彼女の事故現場は山の奥の入り組んだ沢なので、山蔭だらけで到底平地にある高校まで届くことはあり得ない。これは試してみるまでもなかった。

そして、今もつきあっているイケメンの甥っ子彼氏と、その時交わした第三の疑問に関する会話は、今でも二人の間では笑い草になっているという。

「でも、なんで先生は、110番とか、警察無線とか、直接救助要請してくれなかったんだろう?霊界通信なんだから、変調方式なんて関係ないでしょう?なんでデジコミなの??」
と彼女は彼にいたずらっぽく尋ねたという。

「そんなの決まってるじゃん。」
「簡単につながりすぎて面白くないからだよ(笑。」

「え~っ!、そういう問題!!??(爆」



   




話の内容は以上だが、原文で読まれたい方は呼んでェ~!毎日!」7月号を読んでください。



 (2025/6/15)




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