2025運用記
尺丈山
茨城県常陸大宮市


  【旧上岡小学校 (大子町)】 





春オン、後日譚



桜前線は今関東を過ぎようとしている。これからどんどん北上しながら、しばらくの間は自然の美しさを愛で、敬愛する人々に、引き続き、しばし思索と癒しの時間を与えてくれるに違いない。

春分の日の春オンは木曜日だったので、毎週日曜日の墓参りが趣味という例の無線友達もQRVしてくるのではないかと期待していたのだが、結果的には彼からコールが入ることもなく、残念ながら運用はされなかったとのことだ。なぜ、木曜日なのに出てこなかったのか聞いてみたら、『「週刊春分」の春分報に読み入っていて、ついOADであることを失念してしまいました』らしい。当局の読みが浅かったようだ。

一方で、当局の春オン運用記も読んだらしく、当局の指摘を受けて?少し宗旨替えしたようで、『今度から毎週日曜日に墓参りに行くのはやめて、いつの日か、暇になったときに行くことにします』ということにしたらしい。(・・・今でも十分暇だと思いますが。)

そこで、これまで10年以上愛読してきた墓参り専門週刊情報誌も「サンデー命日」から、ライバル誌である「サムデー命日」に鞍替えしたらしい。それにしてもなんともはや、全く週刊誌の好きな局長さんだ。

もっとも、某KM117局がこれを聞いたら、『そんな週刊誌、絶対にありま千円!!!』と叫んでいるところだろう。・・・もちろん、そんな週刊誌、どれもありません!!!そういえば最近、同局の「千円」を見てませんが。

4月14日、春オンのQSOでさいたまBB85局からお聞きしていた通り、「鶴瓶の家族に乾杯」が放送され、BB85局さんらが登場していた。沖縄と話すのに、無線などやらずに電話で話したらよいのでは?という鶴瓶さんの突込みに、それは釣り人に、魚釣りにいかずに魚屋に魚を買いに行ったほうが早いと言うのと同じようなもの・・・と、すかさず斬り返しているところはさすがのBB85局だ。まさしく、その通りでございます(笑。それにしても、NHKのゴールデンアワーの番組から、87Rの受信音が流れてくるとは感慨深いものがある。

春オンの帰り道、武蔵御嶽神社では算額の事が頭をよぎったが、3月26日には、D-加群理論の発展への貢献などに対して、柏原正樹氏が数学界のノーベル賞と言われるアーベル賞を受賞されることが決まった。(当局には授賞理由はチンプンカンプンだが(笑。) フィールズ賞の広中平祐氏や、最近では、宇宙際タイヒミュラー理論でABC予想を証明されたとされている(査証中)望月新一氏など、日本は世界的に優れた業績を残した数学者を多数輩出している。アメリカのウォール街で最も有名な日本人は数学者の伊藤清氏とも言われる。(金融工学に多大な貢献)

自然と静かに対峙しながら、深く思索を重ねるという日本の伝統的な文化のようなものが、もし優れた数学者の輩出に寄与しているのだとすれば、そうした文化は大切にしなければならないだろう。



    【小生瀬地蔵桜 (大子町)】





OADがスタート・・・・・することもないし、ABC予想も解けたので、今度はXYZガスで煙に巻きます(謎。


 
 【尺丈山 山頂広場入口】





XYZガスとは???


春爛漫、つい3週間ほど前の春オンで、30㎝ぐらい積雪した中からQRVしていたというのが、まるでうそのようだ。季節の移ろいは急行列車に乗って進んでいく。桜以外の日本の春の一大風物詩と言えば、某KM117局が武甲山の山頂トイレ用に麓から何十リットルもの水をボランティアで歩荷されることだが、今年はもう行かれたのだろうか???

春オンでは、茨城県常陸大宮市の尺丈山から、「水戸のご隠居」であるミトBB501局とつながっている。これまでにもOADなどでは何回か尺丈山にお出ましになったBB501局とつながっているが、よく考えてみると(よく考えなくても)当局は尺丈山には行ったことがなかった!!!いったい尺丈山という山はどういう場所なのか????・・・というわけで、本日の運用場所は尺丈山だ。ここらあたりまで来れば、OADでなくても再び水戸のご隠居ともつながるかもしれない(笑。

なお、上記の「(謎」、は解明するには少々難易度が高すぎるので、少し解説を加えておくと(笑、「XYZガス」とは、豆粒台の大きさで強力なガスエネルギーを発生するという革新的な固体燃料技術のことだ。これをおもちゃに利用すれば電池やゼンマイの要らない、おもちゃ業界に革命をもたらすような玩具の新商品が可能になるのである。

もちろん、「堂堂たる人生」(石原裕次郎さん、芦川いづみさん主演)という映画の中での話である(笑。実は「XYZガス」は未完成の技術で全くのハッタリなのだが、これを利用したおもちゃの販売権をえさに、自分が勤めるおもちゃ会社に資金を融通してもらい、倒産寸前の会社を救おうという主人公石原裕次郎さんの作戦なのである。

この中で、強欲な金貸し/乗っ取り屋の会社社長役として絡んでくるのが、東野英治郎さんだ。しかし黄門様もなかなかの曲者で、一筋縄ではいきませんが・・。



運用は尺丈山でするとして、折角この春うららかな時期に尺丈山だけではもったいないので、満開の桜を鑑賞してから尺丈山に向かってみることにしよう。ということで、まずは大子町にある「小生瀬地蔵桜」と旧上岡小学校(きゅううわおかしょうがっこう)の桜を鑑賞してから、尺丈山に赴こうというスケジュールだ。どちらも今満開の桜が見事なようだ。

ちなみに、旧上岡小学校は明治時代に建てられた校舎が、2001年まで使われていたという伝統的な建造物の名残をとどめる小学校だ。閉校後は大事に維持・管理されており、中を見学することもできる。当局は知らなかったが、NHKの連続テレビ小説「花子とアン」や、現在放送中の「あんぱん」など、多数のドラマで使われているらしい。





春の居心地



山頂はベンチに腰かけているだけで気持ちが良いのだが、それにしても運用局の入感は全くない。LCRもしかりだ。

この尺丈山の山頂は、馬の背状に広場になっており、木々もまばらだ。したがって開放的で、春の明るい日差しを受けて、佇んでいるだけで高原にいるように爽やかで気持ちが良い。ベンチもそこかしこにあるが、広場の入り口にはロッジのような立派な東屋があり、しかも展望デッキまでついている。東屋も実にきれいに管理され、その前には水仙が景色を色付けするように花開いている。

尺丈山の山頂がこんなに心地よい場所だったということは、今まで誰も教えてくれなかったぞ!と思いつつ、87Rのセッティングにかかる。まあ、そういうことを知らなかったのは、単なる勉強不足ですが。それが分かっただけでも今日は来た甲斐があったというものだ。

バンド内は異様に海外があがっているようだ。5Ch近辺では、「アロハ~」のハワイの局が多数、57~59で入感してくる。一方、国内合法局はいつまでたっても、だ~れもいない(笑。今日の運用目的は、2台の87Rを並べての定期的健康チェックだが、チェックはノイズと海外局の受信のみという時間が続く。


頼みの綱のLCRもCQには応答ゼロだが、ようやく本日の1局目となるサイタマAT029局(埼玉県東秩父村)とつながる。運用開始からもう1時間経っている。前回、春オンでは久々に50台のQSO数を達成(笑)したのが、まるで嘘のようだ。しかしまあ、普段はこんなもんでしょうと、運用と並行していつものエアバンドワッチにも精を出してみる。

  山頂広場: 右写真奥に祠があり、5、6m高くなっており、そこが三角点のある山頂となる。



119.4は指向性??


ここに来ている以上、旧関東北セクター(124.1MHz)の航空路管制の確認は必須だ。22年の春オンの檜山運用記で記したように、この近くの太郎山にRCAG(遠隔対空通信施設)と「大子TACAN」があるからである。エアバンドワッチの前に、まずは太郎山のTACANのアンテナを探してみる。太郎山といっても、周りは丘陵に毛が生えたような山ばかりで、360度いわゆる山らしい山はない、・・・というのは、檜山運用記でも言及したとおりだ。

檜山(福島県矢祭町)からは、太郎山は南西方向、尺丈山からは、北東方向にあたるので、今日は檜山から見た時と真反対から見ていることになる。目を皿にようにして探してみると・・・ありました、ありました。檜山運用記の写真のように、TACANは白いドームに覆われているのだが、遠くに白い点を発見。距離は、後で確認すると、6.3Kmほどのようだ。

したがって、エアバンド(124.1MHz)の方はレシーバーの音が割れんばかりの強さで入ってくる。もっとも、大子の街をうろうろしていただけで、強力に入感していましたが。

 大子TACAN: 240㎜ズーム(35㎜フルサイズ)の画角で、左写真の大きさ。中写真は、更に拡大したもの。ちなみに肉眼では、右写真のように見えます(笑。(これでも標準よりややズーム)



いつものテーマとなっている、羽田の管制の入感状況はどうか?まず、タワー管制の方は、A滑走路がスケルチを開放しないと入感しないレベルに対し、C滑走路の方はスケルチをかけていても時々入感してくるレベルだ。スケルチを外して両方聞いてみても、当たり前だがC滑走路の方が強い。いずれにしても、やはりここでもA滑走路の電波の方が弱いようで、いつもと全く同じ結果だ。

ディパーチャーなどもタワー管制と同じような入感レベルだが、一方で、53~54と一つだけ抜きんでて強いのは、119.4MHzのアプローチ管制だ。北海道や東北地区など北からの羽田への進入機は、だいたい大子上空で航空路管制から羽田のアプローチ管制に切り替わる。119.4は、主に北方向からの進入機向けに使われているので、ひょっとして指向性をもたされているのか????(笑。


ところで、87Rの性能確認の方はどうだったのか?結局海外局のワッチに終始したような形になってしまったが、途中わずかに上がってきた沖縄局数局が、ちょうど手ごろな薄さだったので、受信性能のチェックにはむしろ良かったような感じだ。2台とも同じレベルで入感すれすれの信号が受信できたので、定期健康診断は「問題なし」ということにしよう。もっとも、2台とも同じように劣化しているのかもしれませんが(笑。

今日は、水戸のご隠居は諸国を漫遊中なのか、お空でお目にかかることはなかった。どうやらXYZガスで煙に巻かれたのは当局の方だったようだ。今度はきっと、Esか何かでお目にかかれるでしょう(笑。



5QSO、各局TNX!! 
(敬称略)

 (2025/4/14)



    山頂直下まで車で到達可能(笑。




本日のパティスリー: ヒカリノ木 (常陸大宮市)


実は今日最初に赴いたのは、常陸大宮の街外れにあるパティスリーHiganだ。(「彼岸」ではありません。)ただ、店のドアの前にたどり着いてみると、どうやら今日は臨時休業らしい。車に戻って運転席で考えこんでいると、トントンと、ドアの窓をたたく音が・・・。お店の女性の方が、わざわざ駐車場まで出てきて、ご丁寧に、非常に申し訳なさそうに挨拶される。・・・むしろこちらの方が恐縮しますが。

街中にある「ヒカリノ木」に戻って、フィナンシェやクッキーも調達して帰ろう。ここはイートインも可能だ。



運用データ

■運用日時・場所:
 ・2025年4月12日(土)  10:30~13:00
   茨城県常陸大宮市 尺丈山 山頂広場 (標高約506m)
  
■使用&装備リグ:
 ・ICB-87R (SONY/ラジックス改新技適)
 ・ICB-87R (SONY)
 ・DJ-PV1D (ALINCO)+d-ROD-100 (CQOHM)

■使用&装備電源
 ・リチウムイオンポリマー電池:11.1V/5.1Ah、11.1V/1.5Ah



QSO局
5QSO TNX!!
  
(敬称略)

2025年4月12日(土) 晴れ時々曇り    
サイタマAT029/埼玉県東秩父村皇鈴山(124Km) 55/54 サイタマAT029/埼玉県東秩父村皇鈴山 53/54
イバラキAB399/茨城県常陸大宮市  57/57 トウキョウTK285/山梨県甲州市黒槐山(162Km)  55/54
サイタマ1318/埼玉県東秩父村二本木峠(125Km)  59+/M5  
   
注:距離表示があるのはLCRによる交信。




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