[朝5時57分、まだほの暗さの残る矢祭山駅を郡山行きの列車が出発していく] (JR水郡線)
営農サンバー
「「人生においては『毎日はレビュー』だ、『固いこと言うなよ』、と今日も『またまた遊んでる』当局は、『山岳移動の香り』を楽しみながら、『CQ~蹴球~っと!』、・・・・・・CQを出して」・・・・・・みない(笑。)」という、へんてこりんななぞなぞを書いていたのは、昨年2月の鎌倉運用記だ(全然なぞなぞになってませんが)。その中に出てきた『CQ~蹴球~っと!』は、ミトBB501局のブログのタイトルである。BB501局は、「水戸の隠居 BB501」というツイッターもやられており、当局はブログとともにいつも楽しく拝見している。
そのツイッターの中に登場する車は「営農サンバー」だ。サンバーとは、もちろん軽トラのスバルサンバーのことだが、当局にとっては「営農」がつくサンバーは初めて、なぜ「営農」と「サンバー」が結びつくのか不思議なところであった。営農とはすなはち農業を営むことで、それ自体は軽トラのサンバーと直接結びつく部分がない。しかし、少し調べてみると、この車はこんな軽トラがほしいというリクエストのもとに、農協(当時)とスバルが共同で、農協のユーザー向けに特別仕様を開発して出したものらしい。JAオート長野が「営農サンバーの歴史」、というPDFの資料もまとめているくらいなので、知らなかったのは当局のみ、その世界では常識の、極めて一般的な仕様車なのだろう。スバルといえば四輪駆動(最近では「全輪駆動」と呼称)、この悪路走破性+農作業用途に特化した特殊仕様が評判となり、シリーズとしてかなり好評だったらしい。
そもそも、営農という言葉は、農業に従事される方々にとっては、日常茶飯の一般的な言葉で、JAなど農業関連のサイトなどでもあちこちにあふれている用語である。しかし、当局が初めて認識したのは、好きな映画のひとつである夏帆さん主演『天然コケッコー』(2007年)の中で、佐藤浩市さん演じる、主人公の父親の「昼から営農相談会があるので~」といった趣旨のセリフを聞いた時である。全くお恥ずかしい話だ。
それにしても、軽トラの利便性の高さや重要性は日本の国土や文化、産業の特性などを考えると、非常に素晴らしい優れものであり、日本の偉大な発明のひとつであるようにも思われる。・・・全然運用とは関係ない話ですが(笑。
今年は更に自虐的なロケへ(笑
昨年のOADは結果的にSVを除きすべて、関東平野近縁からの電波実験のような形になった。その「関東平野近縁シリーズ」第一弾、1年前の春オンでは、福島県鮫川村の朝日山(797m)からだった。この標高の低さから言って、遠くへ飛ばすのは土台無理な話だが、それでも秩父方面の奥武蔵とのQSOや東京都の日の出山の電波もキャッチすることができた。今回は更に自虐的なロケ(笑、標高わずかに510mの檜山(ひやま)からのQRVだ。
檜山は福島県矢祭町に位置し、一応ポータブル7の領域となる。さすがにここからは飛ばないでしょう!!と思われるのだが・・・。
しかし、なぜ檜山なのか?目的の半分は、昨年行った鮫川村にあるパティスリー「Rêve」に再び立ち寄ってみたかったからである。・・・あれから1年、何か変わっただろうか?、あるいは、何も変わっていないだろうか?そんな堅苦しいことは考えずに、単純に別の種類のケーキを味わってみるというのもいいだろう。
ということで、OAD前日、まずはRêveに向かってみる。ただし、それだけでは面白くないので、里美牧場(茨城県常陸太田市)を経由してみる。Rêve の前に小手調べに、里美牧場から少しだけQRVしてみようという魂胆である。
里美牧場といっても、当局が向かったのは、「プラトーさとみ」を中心とするエリアだ。このあたりの標高は800m程度あり、車でひょいと上がれる場所としては、茨城県内ではかなり高い部類に属する。プラトーさとみは野外活動向きの宿泊施設で、近隣には何もないので光害の影響が少なく、特に星空観測に優れているとされる。
周囲には7つの風力発電が建っており、直下に近寄って見ると風車がシュッ、シュッと小さな音を立てている。標高が高いせいか、最近降った雨がこのあたりでは雪であったらしく、北斜面はそこかしこが一面雪で覆われている。当局的には、茨城の山の上で雪を見たのは初めてだ。
快晴だが北風が冷たい。87Rを何度もガチャガチャ回してみるが、運用局は全くないようだ。OAD前日とはいえ、日曜日のお昼時、運用局が全く聞こえてこないというのは意外でもあり残念でもある。仰ぎ見ると、白い風車が透き通った風を切る。冷たい空気がその影を一層青空に凛と映えさせている。
しばらくワッチしていて、ようやく聞こえてきたのは、サイタマKK007局だ。筑波山中腹のようである。しかし、あまりの運用局のなさと寒さに、早々に撤収だ。
Rêveは果たして今日は開いているのかどうか??もともとこの店は休業日がわかりづらいといわれているし、さらに先週の16日には大地震があったのでその影響で開いているかどうかは分からない。ただ、今日は運試しで、電話などであらかじめ確認せずに行ってみる。開いていればラッキー、閉まっていればアンラッキーということだ。果たして結果はいかに・・・。
残念ながら到着してみると、今日は休業。入り口に張り出されたカレンダーによると、昨日の土曜日は営業していたようだ。うん~~、今日はアンラッキーということか?しかしそれは想定内、全く動じることもなく(笑)、棚倉町のパティスリー「フランス菓子のコミネヤ」に転戦だ。水郡線が走る棚倉町(たなぐらまち)は鮫川村の隣にある町である。
このお店は、店内に小さなテーブルが三つあり、ケーキはイートインできるようになっている。人気のお店なのか、まだ昼下がりだが、ショーケースのケーキはもうほとんど売り切れに近い。おなかがすいていたせいかチーズケーキが異様においしい(笑。
結果的にRêveはお休み、今日は運勢が悪いようだが、明日のOADはどうなるのか???
[檜山山頂]
自虐的ロケは、おもてなしの山頂
檜山山頂は、中央にテーブルとベンチが二つ、それを取り囲むように三方向に長いベンチが設えられている。ハイカーのおもてなしを考えた、なかなかよくできた山頂だ(笑。三脚代わりの台まで設置してあり、山名標をバックに自撮りもできるようになっている。(=上写真左端) 視界も360°バッチリ、標高自体は昨年の朝日山よりかなり低いものの、周囲の土地が高い朝日山よりも、こちらの方がはるかに標高感はある。
南東に面したベンチの一角をお借りしてQRVを開始する。今日も快晴、北風が昨日のように冷たいが、昨日ほど強くはない。
まだ7時半過ぎだが、さっそく、さいたまMK2局のCQが飛び込んでくる。埼玉県東秩父村の皇鈴山(みすずやま)だ。去年もQRV早々に奥武蔵の大野峠とつながっている。しかし、距離はこちらの方が近いものの、去年の朝日山よりだいぶ入感が強いではないか。皇鈴山とは相性がいいのか?RS53/54、標高510mでも結構いける(笑。
しかし、幸先はよかったものの、その後が全くつながらない。最近は11mに特化しているせいもあるが、OADの割には圧倒的に運用局が少ないようだ。最近のOADはだいたいこんな傾向だが、輪をかけてひどくなってきているような気もする。ようやくつながった2局目は40分後、今度は北方向から、フクシマYN104局だ。福島市のセンガンの森(=千貫の森)という、それほど高くない場所らしい。その割には54/55と強力だ。後から調べてみると、福島県をほぼ南北に突っ切るような形になるようだ。
檜山は、JR水郡線矢祭山駅からすぐの場所にある。駅を降りて久慈川を渡ったところが登山口なので、電車(気車)でやってきてもすぐに登ることができる。写真を撮りながらゆっくり登っても駅から一時間で登れるので、電車でやってきて軽い運動をするにはちょうど良いかもしれない。もっとも、ハイキングとしては短すぎるので、駅の反対側にある矢祭山と抱き合わせにして歩くのが一般的なようだ。
三局目は、かの「水戸の隠居」、BB501局からコールがかかる。今日は尺丈山(茨城県常陸大宮市)におられるようで、さすがに58/57と超強力である。本当は、営農サンバーやホルスタイン2号の話をお聞きしたいところだったが(笑、残念ながら今日はOADなので「いつもブログとツイッターを楽しく拝見してますよ~」、と短い挨拶でQSOは終了だ。
今日はアロハやホニャラなど海外が異様にうるさく、使えるチャンネル自体が少ない。しかも、普段なら30分もすればいったん治まったりするのだが、いつまで経っても全く治まる気配がない。そんな数少ないチャンネルの向こう、袖ケ浦海浜公園(千葉県袖ケ浦市)から、いつものちばMR21局が聞こえてくる。Sは1も振ってこないのだが、完全にコピーができる。残念ながらタイミングが合わず、交信はできないが、檜山からでも東京湾の海抜0mとはいけるようだ。
冒頭の『固いこと言うなよ』のつくばKB927局は今日は宝篋山から、『またまた遊んでる』とうきょうSS44局は雲取山頂からの運用だ。今日は『毎日はレビュー』と『山岳移動の香り』の御大はまだ聞こえてこないのだが・・・。まあ、こちらがこの標高ではどこかで運用されていたとしても、聞こえてくる可能性は極めて低い。
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左: 山頂より南方向
中: 昨日QRVしていたプラトーさとみ周辺が見える
右: 山頂より矢祭町中心部方向 |
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特別な意味を持つ関東北セクター
今日も暇予想をもとに、例によってエアバンドとの並行ワッチである。特にここにいる限りは、いつもレファレンスにしている航空路管制関東北セクター(124.1MHz)の電波は格別な意味を持ってくる。関東北セクターは、これまで何度かふれている通り、お隣の茨城県大子町の太郎山に遠隔対空通信施設(RCAG)があるからである。大子町上空は、昔から航空路が交わる交通の要衝だ。ここには、航空機が自機の位置を測位することができるTACAN(無線航行陸上局の一つ)もある。
ということで、太郎山と思しき方向を、目を皿にして探してみるが、どこにそんな施設があるのか、肉眼ではなかなか見つからない(笑。「山」と言ってもここらあたりの山々は尖った山頂があるわけでもなく、どこも丘陵状で、どれが太郎山かもわからないのである。
カメラのズームレンズで舐めるように探してみると・・・TACANの白いドームらしきものをなんとか発見。TACANはUHF帯なのでアンテナ自身が小さいのでドームと言ってもサイズはかなり小さいのだ。さらに檜山側からは木の陰になっているようで、航空管制用のRCAGのVHFアンテナは見えないようだ。
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左: 太郎山。画面中央のドームが分かるだろうか。240㎜の画角でもこの程度!
中: 左写真の中央部トリミング
右: 福島空港にアプローチするANA1511便、B737。羽田⇒福島の臨時便だ。この時の高度約2,200m。 |
一方、福島空港のプライマリチャンネル(118.050MHz)に合わせてみると、航空管制運行情報官の交信がFBに聞こえてくる。ということは、ここは福島空港(玉川村)とも見通しのようだ。(福島空港は、いわゆる「レディオ空港」なので航空管制官は配置されていない。したがって空港からは、離着陸などの管制承認や指示は行われていないが、航空管制運行情報官が飛行場の対空援助業務を行っている。)
折しも先週の大地震で東北新幹線が不通になっており、羽田や伊丹から、福島空港行きの臨時便を各社が飛ばしており、発着機が増えているようだ。
昨日交信していただいたサイタマKK007局が今日も筑波山中腹でQRVされているようだ。しかし、「昨日も今日も運用局が少ない!!」と残念そうに言われているので、聞こえてこないのはやはり当局の標高が低いせいだけではなさそうだ。それでも奥武蔵方面は、野末張見晴台(のすばりみはらしだい、埼玉県越生町)の、ねりまTN39局とも交信できたので、よしとしよう(笑。
とうきょうSS44局は、昼を過ぎてもまだ雲取山頂におられるようで、「まだまだ遊んでる」当局にもQSOが聞こえてくる。あちらは雪が降っているようで、あたりは真っ白な世界で何も見えないようだ。春本番まではまだ少し時間がかかりそうだ。
運用を終えて登山口のある吊り橋まで下りてくると、水戸の隠居の歌碑がある。もちろんBB501局の歌碑ではない(笑。徳川光圀だ。
見ぬ人に、何と語らんみちのくの、矢祭山の秋の夕暮れ
歌の巧拙はさておき、秋はまた、必見の価値があるのは間違いなさそうだ。
(文中敬称略)
13QSO、各局TNX!!
(2022/3/25)
[14時57分、少し遅れて、再び郡山行きの列車がやってくる] (矢祭山駅)
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■運用日時・場所:
・2022年3月20日(日) 11:40~12:05
茨城県常陸太田市プラトーさとみ近郊
(36.802237N 140.539002E)
・2022年3月21日(祝) 7:35~1310
福島県矢祭町檜山 山頂(標高510m)
■使用&装備リグ:
CB : NTS115 (西無線研究所)
ICB-87R (SONY)
■使用&装備電源
・リチウムイオンポリマー電池11.1V/3.0Ah
・リチウムイオンポリマー電池11.1V/1.5Ah
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QSO局: 13QSO TNX!!
(敬称略)
2022年3月20日・21日 快晴 |
サイタマKK007/筑波山中腹* |
52/53 |
さいたまMK2/埼玉県東秩父村皇鈴山 |
53/54 |
フクシマYN104/福島県福島市千貫の森 |
54/55 |
ミトBB501/茨城県常陸大宮市尺丈山 |
58/57 |
つくばKB927/茨城県つくば市宝篋山 |
55/54 |
ねりまTN39/埼玉県越生町野末張見晴台 |
52/52 |
イバラキKT510/茨城県常陸太田市竜神ダム近く |
57/56 |
とうきょうSS44/東京都雲取山 |
52/51 |
とちぎFB21/栃木県栃木市太平山謙信平 |
53/55 |
ふくしまH82/茨城県筑波山 |
52/53 |
ふくしまFS84/福島県いわき市芝山 |
54/57 |
いばらきNT23/茨城県桜川市足尾山 |
55/56 |
イバラキAA697/茨城県桜川市筑波山中腹 |
52/51 |
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*:3月20日
© Nagoya YK221/なごやYK221