2024運用記
御岳山
東京都青梅市


  【絶景に飛び出しませんか? 向こうに筑波山も見えます。】 





すこし愛して、なが~く愛して



今日でいよいよ12月、2024年も残すところ今日を入れて31日となった。日本全国、今年もいろいろとあったが、埼玉県の春日部では、地元の方々に惜しまれつつ、11月24日にイトーヨーカドーが閉店となっている。そのホールディング会社である、セブン&アイ・ホールディングズが、カナダの会社から買収提案を受けたのも、経済関係では今年の大きな出来事のひとつだ。セブン&アイ・ホールディングズは、検討の末、提案に賛同するのではなく、買収されるのを避けるため非上場化の方向をめざすようだ。

話変わって、アイコムは今年(2024年)めでたく設立60周年(創業70周年)を迎えたようで、アマの60周年記念モデルも新たに登場している。同社の上場リスク等について書いていたのはもう13年も前の話だが、アイコムの方は、その後も大きな変動もなく東証1部上場企業として、無事?60周年を迎えられたことになる。

日本の株式市場は今年になって、1989年以来の最高値を更新するというエポックメイキングな事象が起こったものの、おおむねこの10年間は大過なく比較的安定していた。東証は昨年来、PBRの1.0超えを上場各企業に声高に訴え始めているが、まだ企業価値の向上という経営方針の前衛度が大きく向上しているわけではない。最近、PBRのROE上昇に対する感度は10年前に比べればかなり上昇しているのは事実だが、経営者の中には、東証のご指導を「余計なお世話だ」と思っている方もおられるだろう。時価総額を高めれば、投資家や市場関係者は喜ぶかもしれないが、株主だけがステークホルダーではないし、もちろん国民一般の幸福度向上に直結するかどうかといった話とは全く別の問題である。誰しもが投資家ではないし、また、誰しも投資家になることを強制されなければならない理由もどこにもないからである。

日本の企業は、一般的にROE水準は欧米に比べて低いが、その理由は日本の文化的社会的基盤にある農耕民族としてのDNAが大きく影響しているからだという説がある。ながらく農耕が文化的基盤であった日本では、狩猟民族と異なり、土地にしがみついて生きていくしかなかった。さらに土地を仲立ちとして主従関係を結ぶという封建時代のさまざまなシステムがそれに拍車をかける。干ばつが起っても、台風で作物がやられても、土地にしがみついて生きていくしか基本的に収益がない。狩猟民族のように、獲物がなくなったらさっさとその場を放棄し、獲物が獲れる次の新しい狩場を求めればよいのとは根本的に異なる。したがって、企業は「お家」のように営々と「永らえること」が経営目的の一つであった・・・という。確かに、日本の企業は平均寿命が長いし、世界最古の企業とされているのも、創業西暦578年の日本の金剛組だ。(創業から578年ではない(笑。)

コントロール不可能な、あるいは最初からそんな畏れ多いことを考えることもなく、自然を相手に土地にしがみついて生きていくには、忍耐と我慢が必要だし、収穫が多かった年は、何かあったときのために備えて、それを平準化すべく、蓄えに回すということが必要だ。こうしたことは、ROEの上昇にはつながらない。何かあったときのために、利益剰余金を積み上げておく必要があるからだ。また、大きく稼ぐことよりも、コンスタントに稼ぐことの方が主眼になるのでどうしても利益率は低くなる。その代わり利益率のボラティリティは低く、比較的安定していることになる。

今でも家庭の貯蓄性向が高く、企業の内部留保が多く、なかなか投資に回らないのは、ローリスク・ローリターンでも「細く長く」という価値観の方が優勢だからだ・・・という。これを極論すると、そもそも「投資」という概念自体が「狩猟」的発想に近いということなのかもしれない。


『すこし愛して、なが~く愛して。』と言っていたのは、昭和~平成期を代表する女優の大原麗子さんだ。ウイスキーのコマーシャルの中での話だ。旦那?の行動に振り回されつつも、ひとり家で帰りを待ちわびるという、今のCMならあってはならないような演出だが、この時代のTVCMとしては、名作の一つと言われる。登山に向かう?旦那のためにひとりで荷物をそろえつつ、詰め込んでいるリュックを思い切り蹴とばすシーンが有名だ。良い悪いは別にして、旦那の勝手な行動でしばらく会えないという、一見するとひどい目に遭っている姿を描きながら、その中に、思い・思われることの幸福感を逆説的に表現しているように思われる。

「すこし愛して、ながく愛して」は、元々はイギリスの詩人の言葉らしいが、CMのコピーで使われるぐらいだから、少なくとも昭和の時代にはそうした考え方は日本人にはかなり親和性があったのかもしれない。


ということで、今日の運用場所は御岳山(東京都青梅市)だ。御岳山での運用は、5年近く振り、前回はNTS115が出る前だったというのは信じ難い。時の流れはどんどん速くなってきたようだ。



 了解で~す。飛び出してみま~す!!




OADがスタート・・・・・しないので、クレヨンしんちゃんでも読みますか。


 【SR-01X TYPE III】





サトーココノカドーは見えるか?


ケーブルカー降り場から少し登った展望所に立つと、快晴の青空の下、筑波山がくっきりと見える。都心方面も、なかばシルエット状になったスカイツリーや高層ビル群がよく見える。下調べでは、サトーココノカドーのある春日部は、この場所と筑波山を結んだ直線上のやや右側に見えているはずだが、もちろん天体望遠鏡クラスでないと、どこがどこなのかはわからない。

この5年近くの間に展望所脇には「ムササビスウィング」という有料エンタテイメント用のブランコが設置されたようで、係員が朝の準備に取り掛かりだしたところだ。このアイデアはすばらしい。特に、快晴の今日はまさに断崖上の絶景に向かって飛び出すイメージである。

この展望所の裏手を行くと、産安社という武蔵御岳神社の摂社があり、この展望所近辺では最も高い場所になる。周辺は冨士峰園地と呼ばれており、当局がいつも運用しているベンチやいすがあるのだが、なんと日曜日のこんな朝から無線をやっている奇特な方がおられる(笑。一体何が楽しくて、こんな朝から無線などやられているのか?全く理解不能だ(爆。どうやらアマチュア局のようで、邪魔になるといけないので100mほど離れた東屋近くから無線運用開始だ(笑。

 左: サトーココノカドーは写真中央辺りに見えているはずだが・・・(笑。春日部駅前まで約58Km。
 中: スカイツリーと都心部の高層ビル群。左手前は西武球場(ベルーナドーム)と多摩湖、右手前は横田飛行場。
 右: 東屋前の、大木の上でQRV!



今日はTYPE IIIでいってみる



今日のリグは、SR-01X一丁とLCRのみの超軽量装備だ。01Xは、前回(各オン)の予告通り、TYPE IIIでいってみる。

今回の一番バッターは、ちばTK29局だ。各オンでもQRV開始早々にコールをいただいている。今日も千葉市新港におられるようだ。こちら、山の上も風がなく日差しはたっぷりなので、おそらく海べりでも穏やかな天気のことだろう。綾瀬市からは、カナガワHI173局だ。HI173 局とは最近印象深いQSOが多いが、こちらも各オンに続いてのQSOだ。

今日は、海外局の飛来はほとんどないようだが、秋から初冬のいつものコンディションで、天然系のノイズがかなり上がっている。01Xの場合は、Sメーターの下がり方が遅いので、メーター上は結構針が上がったままの状態である。ただし、前回のコメント通り、天然系のノイズに対しては、01Xの場合はあまりノイズに過敏に反応することはないので、ワッチで取り立てて苦労することはない。これはあまり耳障りにならないという音の出方に大きく関係していると言えるだろう。

01XのTYPE III仕様としては黒系のツマミも用意してみたが、やはり個人的にはシルバーの方が合っているような???これも人それぞれ、好み次第だ。





01Xについては、2ndロットも予約受付開始からすぐに完売したようなので、相変わらずの人気のようだ。納入が始まるのは来年の春以降らしいので、まだまだ少々時間はあるが、逆にリグの到着を心待ちにしている時間というのも最も楽しい時間の一つかもしれない。

これまで01Xを使ってみた当局の感覚としては、飛びについてはごくわずかに01に劣る印象だが、それでも現在出回っている新技適機の中ではピカ一のレベルだ。01時に比べ、技適の検査機関での計測方法の内規が変わったために、01Xでは変調時の出力の出方が若干抑えられているのではないかと思われるが、測ったわけではないので単なる推定だ。というより、むしろ01が、いわゆるスーパー変調で、変調時の出力が出すぎていたという見方ができるかもしれない。


 LCRはアンテナストレスがかからぬよう、
 立てかけてスタンバイ
LCRのアンテナは、今日もd-ROD-100である。やはりこのアンテナ、かなり強力なようで、運用していると59の局長さんが圧倒的に増える印象だ。今日は特に50Km圏内の近い局長さんが多いこともあるが、ほとんどの局がS9近くか、59オーバー/フルスケで入ってくる。

前回の各オンでもコメントした通り、Sが3~4ぐらい増えたところで何か大きな変化があるわけではなく、別にどうということはないが、それでも運用している者にとって「9」振ってくるというのは、心強いことには変わりはない。

LCRでCQを出していると、さる局からコールが入ってくる。出だしの変調が乗ってこなかったのでどなたからコールいただいているのかわからないのだが、なんとディスプレイには「かまがりAA793」とでている。一瞬目を疑ったが、半信半疑で確認してみると、まさしくご本人であった(笑。まさか、関東で、しかもLCRのGWでつながるとは夢にも思っていなかったが、いつも11mのEsでお世話になっている、あのかまがりAA793局である。用事で関東に来られていたようで、これから広島に帰られるところだという。ちょうどタイミングが良かったようだが、まさしく本日一番のビックリQSOである。



最終手段はエトーナノカドー??


今回は、久しぶりにハンディ受信機での、「羽田チェック」をやってみる。これまで、東京近郊のいろいろな小高い場所で羽田空港の管制電波のチェックをしてきたが、これまでのところ特徴的なのは、タワー管制のA滑走路とC滑走路の入感強度があまりに違いすぎるということだった。すなわち、強力なC滑走路に対し、A滑走路が圧倒的に弱いという結果である。御岳山ではどうなのか?

チェックに使用するのは、いつもと同じ、長年愛用のVR-120にロッドアンテナだ。まずは、A滑走路(118.1MHz)と、C滑走路(124.35MHz)だが、ここでの受信ではなぜかほとんど全く差異がない。どちらもほぼ59だ。これまで、ツツジ山(埼玉県ときがわ町)や、竹寺(同飯能市)、吾妻山(神奈川県二宮町)で羽田チェックを行っているが、これまでとは大違い、これは意外な結果だ。というより、本来は同等なのが普通と思われるので、これが正常だが。

ディパーチャーの2波(120.8MHzと126.0MHz)についても、どちらも53程度で、ほとんど一緒だ。どうやら御岳では、想定通りのまともな?入感レベルで飛んでくるようだ。

航空路管制はどうか?航空路管制は、最近大幅な改編が行われており、高高度(335(百)フィート以上)については関東でも「福岡コントロール」になっていたりもするが、低高度の旧関東北セクターや、旧関東西セクターは管制区域に若干の変更があったものの基本的に大きな変化はない(周波数は同じ)。

これまでレファレンスにしてきた旧関東北(124.1MHz、茨城県大子)を聴いてみると、RSは52程度で、これもほぼ想定通りだ。ということは、御岳ではすべて「正常」(=想定通り)のように聞こえる(笑。飯能と御岳・・・、羽田から見た角度はあまり変わらないような気もするが、まだまだ調査を継続する必要がありそうだ(笑。

帰りはわさびを調達して帰ろう。「細く長く」生きるための年越しそばも奥多摩のわさびを使いたいところだが、大晦日まではまだ日があるので、もう一度ここらあたりまで買いにやってこないといけないかもしれない。もしくは、近くのエトーナノカドーで調達しようか?(笑。


26QSO、各局TNX!! 
(敬称略)

 (2024/12/6)





わさびとレモネードと・・・: 

  わさびは、午後の早い時間帯でも、既にほとんど売れ残りだけのような状態。人気が高い。
  山上側のケーブル駅のすぐ隣にはレモネード屋さんがあり、こちらも繁盛。
   


運用データ


 
■運用日時・場所:
  ・2024年12月1 日(日) 9:15~13:35
    東京都青梅市御岳山富士峰園地横
(標高約880m)

 ■使用&装備リグ:
  ・SR-01X(サイエンテックス)
  ・DJ-PV1D(ALINCO)+d-ROD-100(CQOHM)

 ■使用&装備電源(CB機)
  リチウムイオンポリマー電池:
    11.1V/5.2Ah







QSO局
26QSO TNX!!
  
(敬称略)

2024年12月1日(日) 快晴 9:15~13:35   
ちばTK29/千葉県千葉市美浜区新港  56/56  カナガワHI173/神奈川県綾瀬市 56/57 
とちぎFB21/栃木県栃木市大平山 58/57 ぐんまAD17/栃木県栃木市大平山 57/59
すみだK609/埼玉県飯能市多峯主山 57/57 エドガワAA387/東京都墨田区 58/58
すみだK609/埼玉県飯能市多峯主山(16Km) 59/59 とうきょうMS25/東京都立川市 57/59
サイタマJU926/埼玉県さいたま市西区(40Km) 59/59 トウキョウAB563/東京都板橋区(50Km) 55/54
はちおうじRS248/埼玉県ときがわ町堂平山(23Km) 59/59 カナガワTM34/神奈川県相模原市中央区(32Km) 59/59
とうきょうOT173/東京都品川区 51/54 トウキョウAR705/東京都八王子市長沼公園(26Km) 59/59
さいたまBB85/栃木県栃木市大平山 58/59 よこはまGT999/神奈川県横浜市瀬谷区(45Km) 59/59
かながわZ489/神奈川県横浜市戸塚区(54Km) 59/59 かまがりAA793/埼玉県志木市(40Km) 58/M5
やぎさわWA23/東京都西東京市(38Km) 57/55 トチギYB104/栃木県日光市勝雲山(98Km) 58/59
サイタマYT220/埼玉県さいたま市西区(40Km) 58/57 チバOB402/埼玉県飯能市柏木山(14Km) 59/59
サイタマYT220/埼玉県さいたま市西区 56/55 はちおうじRS248/埼玉県ときがわ町堂平山 55/54
カナガワJK125/神奈川県葉山町湘南国際村(73Km) 59/59 とうきょうAB625/東京都立川市 51/53
   
注:距離表示があるのはLCRによる交信。




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