2021運用記
館山
千葉県館山市



[渚の駅 たてやま 展望テラス]





啓子は何に気づいたのか?(笑

啓子が気づいたもの・・・それは陰の黒幕の正体が誰か、ということだ。受信機から聞こえてくる音に、その声の主に聞き覚えがあったからだ。

CWはキャリアの断続なので、信号自体に包含できる情報は少ないが、A3Eの場合は音声(電話)なので周波数は3KHz程度までとはいえ、かなりの部分の音声情報を伝えることができる。言うまでもなく、F3Eなどの周波数変調(FM)では、更に忠実度の高い情報伝達が可能だ。

数々の振幅変調の通信が廃れていった中で、いまだにA3Eが有用な電波形式として引き続き残っているのが航空無線だ。中波のAM放送ですら廃止が議論されている中で、航空無線は一人気を吐いている。航空無線はもちろん航空機の管制が目的だが、音声情報であるだけに、FMまでいかないまでも、付帯情報をかなり伝達してくれる。なかなか侮れないのだ。例えば、航空無線から聞こえてくるボーイング767のコックピットの背景音だ。当局は自宅にいるときはいつもバックグラウンドのように、航空無線を聞いている。聞いているのは一階の部屋の中、外部アンテナを付けているわけでもなく、付属のロッドアンテナ付きのハンディ機だ。注意して聞いているわけでもなんでもないが、767の場合は、「プ~ン」、とも「ブ~ン」ともつかない、特有のバックグラウンド機械音が聞こえてくるので、そのパイロットが操縦している飛行機が767であることが一発でわかる。767のこの音は極めて特徴的な音だが、エアバスA350などでもときどき同様の音が聞こえる。また、航空機全般、変調の具合からパイロットが付けているヘッドセットのマイクの位置も、だいたい想像できる場合も少なくない。

我々CBerが、11mに心酔する理由の一つが、このAM独特の音の聞こえ方にあることはおそらく間違いないが、なぜそれほどまでに惹きつけるのか?当局には、その理由はまだよくわかっていない。

なお、啓子が気づいたのは黒幕の正体である声の主だが、無論映画の撮影なので、実際に何かを聞いているわけではない(笑。

洲崎灯台
波左間海岸
波左間海岸



しました。(笑  


今日の運用は、千葉県館山だ。ただし、Esがでてくる夏でもないのに、海辺で待機していてもほとんど無駄なことは言うまでもない。今日は、運用というより単に海を見たくなっただけである。

漁港でNTS115を車のルーフに設置、ドアを半開きにして、昼寝型ワッチモードに入ってみる。館山といえば、航空路の要衝だ、エアバンド受信機も欠かせない、車内でCBと並行ワッチである。

エアバンドを聞きながら、そういえば、館山には昔NDBがあったなぁ~、などと思いながら、後部シートでまぶたを閉じて(笑、ワッチに専念しだす。海を見に来たんじゃあ~、なかったのか?(笑。

NDBとは、Non-directional Beacon の略で、要は無指向性の航空機用無線標識局である。航空機側がこの施設が発信している電波を受信して、自分の飛んでいる位置を確認もしくは飛行方向を決定するためのものである。NDBの位置はあらかじめわかっているので、飛行中の航空機は2局以上のNDBからの電波を受信し、電波の到来方向を指し示す延長線の交点を割り出すことで、自機の位置を割り出すことができる。方向探知用の航法支援無線局であるが、VORなどVHF帯を利用する施設が普及する前の、古い時代に活躍した無線標識だ。精度がはるかに高いさまざまな航法支援システムが普及した現在、既に過去の技術だが、まだ国内にも数十局のNDBが残っているようだ。使用する周波数帯は中波なので、電波を出すためのアンテナはそれなりに大きくなるので、そこそこの敷地も必要で、「無線局」としても目立つのだ。

今日は快晴だが、北西からの風が強い。強風を避けるため、岬をやや南側に回り込んで相模湾側に面した洲崎漁港でQRVしているのだが、それでも西よりの風が結構な強さだ。もう少し回り込み方が足りなかったか?北風とあって、羽田のアプローチとタワーを聞いていると、上空を通り越していく飛行機は、羽田の北風用滑走路、ランウェイ34L、34Rに滑り込んでいく。

それにしても8Chで静止したままのルーフのNTS115は静かだ。漁港なので潮騒もなく、のどかな時間が過ぎていく。

♫風がやんだら~、沖まで船を出そう~、手紙を入れたガラス瓶をもって~♫
・・・
今 瞳を閉じて~♫ 
・・・ と、瞳を閉じて頭の中でユーミンを口ずさんでいたはずだが、いつの間にか本当に知らぬ間に迷宮に落ちかけていた。どうも、上の方から何かCQのようなものが暗闇の中で聞こえたような・・・・。一瞬、夢まぼろしか、自分がどこで何をしているのか、全くわからなかったが、やっと無線をワッチしていたことを思い出した・・・(笑。

慌ててリグに対面してみると、CQを出されていたのは、アダチSU217局だ。相模湾を一直線に隔てた、ポータブル2、熱海港からQRVされているらしい。お互い海抜はほぼゼロメートル。しかも相模湾の真反対なので、そこそこ距離はある。それでも、こちらからは53で飛んでいるようだ。

危うく貴重なCQを逃すところだったが、最近、どうも夢・幻が多くなってきた。在宅勤務が長引いているせいか、それとも、夜鵜飼しました!などと相変わらず社内メールでイラスト付きでバカなことを言っている付けが回ってきたのか????『長良川じゃあるまいしっ!!』と陰口も聞かれないところが、妙に不思議なところだ。気付かないだけか。A3Eでお願いしたい。

・・・霧が晴れたら、小高い丘に立とう
名もない島が、見えるかもしれない・・・

QSOを一つ終えると、ようやく正気が戻ってきた(笑。


 
「瞳を閉じて」の歌詞の起源は長崎県五島列島奈留島。

ここでは小高い丘(洲崎灯台)に立つと、見えるのは、有名な伊豆大島だ(左側)。


昼を過ぎると風も弱まってくる。しかし今日はもう店じまい。リグを取り出すこともないだろう。

洲崎漁港を離れ、洲崎から館山方向へと、北に面した海岸線を東に走ってみる。海岸に立つと、海が美しい。この先、ずっと北に向かって奥は東京湾、LNG船がゆっくりと北上していく。しかしここ、館山の海はまだ南の島にいるような雰囲気だ。心が癒されるような光景は、海岸沿いのヤシの木が一役買っているのかもしれない。

今日の立ち寄り先は、パティスリー「ソラネル」だ。「海のマルシェたてやま」にあるのだが、ここは道の駅でもあり、館山湾に面して展望テラスでくつろぐこともできる。(=冒頭写真) 湾内にむかった桟橋が、いかにも電波の飛び受けが良さそうだ(笑。・・・夏にQRVできれば。

風はそよそよ。展望テラスのベンチでケーキを広げてくつろぐひととき。今日は結局何をしに来たのだか?(笑。しかし、時にはぶらりと海を訪れて、何も考えずに時間を過ごすのも良いのかもしれない・・・・・ということにしておこう。

苺のショートは、かなり甘味に制動をかけた、大人のショート、「フロマージュセゾン」はベリーのソースがフロマージュの風味とよく調和する。
                              ('21/03/05)







運用データ

 パティスリー「ソラネル」

 ■運用日時・運用場所:

 
  ・2021年2月23日(火、祝) 1115~13:30 
      千葉県館山市
      

 ■使用&装備リグ:
   CB : NTS115 (西無線研究所)
       
 ■使用電源
   リチウムイオンポリマー電池11.1V/3.0Ah
   





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