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  異国へ出かける前に、出会える風景がありました。                   (焼尻島)




一枚の写真 


 一枚の写真の力とは不思議なもので、あいまいな過去の記憶を蘇らせてくれる、特効薬となりえる。学生時代、北大にいた親友と北海道のあちこちを旅したのはこれまでのSV運用記北海道編でも記した通りだが、ここ焼尻島もその彼と訪れた場所だ。しかし、その場所までどうやっていったのか、結局島で何をしたのか、全く記憶にない。その頃はまだ、フェリーの起点となる羽幌まで、今は廃線となっている羽幌線が通っていたころで、札幌から羽幌まで気車でいったには違いないのだろうが、たとえば駅からフェリー乗り場までどうやって移動したのか、どんなフェリーに乗ったのか・・・、全く記憶がない。

一枚残っていた写真には、その友人と自転車に乗って、6月の花の咲き誇る高原状の台地を背景に、にこりと写真に納まっている姿が写っていた。そのときこの島の突端の台地の上では、何かイベントが催されており、島の人たちが、確か「浜鍋」と称する鍋を来島者に無料でふるまっていたことだけが思い起こされる。そして、それはすごくうまかった。

 鷹の巣園地

今でも実家の机の引き出しに転がっているであろう、その一枚の写真を見たという記憶が、それにまつわる様々なできごとを徐々に思い出させてくれる。一枚の写真の記憶を反芻するごとに、それが全体の記憶を確かなものへと蘇らせてくれるのである。

今回訪れるにあたって、ふたたび記憶を掘り起こしてみると、そのイベントが開かれていた場所は、島の西端にある「鷹の巣園地」であり、自転車をこいで向かった道のりは、島の台地の上を東西に貫く「オンコ海道」だったはずだ。

今回のSVの運用地は、焼尻島と天売島だ。一般的には「天売・焼尻」の順番で一括りにされる島々だが、今回のメイン運用地は焼尻島なので、「焼尻・天売」としよう。羽幌から30Km程度、西の沖合に浮かぶ島々だ。


幸せの大きさ

『旅に出られる。その幸せの大きさを北の大地で味わっています。』

まさしく今の当局にとってはぴったりの言葉だが(笑、これは今夏のJR青春18きっぷの宣伝ポスターのコピーだ。ポスターに写し出されているのは、JR富良野線の美馬牛駅である。いつもなら、もうひとひねりあるのだが、今回はいつもよりかなり普通なコピーだ。COVID-19を意識したせいか?ちなみに今春のポスターのコピーは『小さな駅舎から見えたのは、大きな夜明けの海でした。』だった(ポスターの写真はJR土讃線安和駅)。一昨年、昨年同様性懲りもなく、各項冒頭写真には、「JR青春18きっぷポスター風」コピーをつけてみた(笑。

今年は聞くところによると、かなり不安定なEsのコンディションの模様。しかも例年に比べて九州、沖縄などの南方地区より相対的に北方地区との交信が多いようだ。北の大地に旅に出られるだけで幸せなのだから、あまり多くを期待するつもりはないが、果たしてどのような飛び受けをみせるのか?

 
 



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 SV 2020 焼尻・天売