[東御荷鉾山山頂]



カフェにて

当局はまだ一度も立ち寄ったことはないが、神流町(群馬県)には観光施設として「恐竜センター」がある。なんでも、日本で最初に恐竜の足跡の化石が発見された場所がこの神流町であるらしい。恐竜をひとつの町おこしの材料として活用もしているようだ。

最近なぜかこの運用記によく出てくる新海誠監督のアニメーション映画(笑。2016年の超大ヒット作、『君の名は。』は、片田舎に住む女子高生「三葉(みつは)」と、大都会東京の四谷に暮らす男子高生「瀧」が体の中で時々入れ替わってしまうというストーリーだ。三葉が住んでいるのは岐阜県飛騨地方の山間の町(集落)だ。『電車は2時間に一本しか来ないし!、コンビニは9時に閉まるし!、本屋も歯医者もないし!・・・』と、自分の住む町の田舎度合いを嘆いている。『そんなことより、カフェでも寄ってくか!?』と、元気づけようとする友達のテッシーこと勅使河原の言葉にのせられる三葉。都会暮らしや都会のイケメン男子にあこがれる彼女にとって、「カフェ」は一つの心躍らせる都会の象徴だ。とうとうそんなカフェがこんな町にもできたのか!?~、と三葉は喜び勇んでついて行くのだが・・・、そこは単にベンチの置いてある缶コーヒーの自動販売機でがっくり、という落ちだ。

田舎におけるカフェの意味するところは何か????都会の象徴かもしれないが、それはパティスリーと同様で、おいしくてかわいい、ケーキやパン、焼き菓子、本物のコーヒーを作りそれを提供できる場所を作りたいという願望の実現の場であり、別にその願望の実現は都会である必然性はなく、やろうと思えば、2時間に一本どころか、鉄道も走らない人口1,700人程度の神流町でもできる、ということかもしれない。これは前回の秋オンで紹介した、「グラン・ジュテ」も同じことかもしれない。夢の実現には、田舎だとか都会だとかいうのは、基本的には全く関係ない話だ。そもそも東京などの大都会より、このような川沿いや山間の集落の集合体の方が、最大公約数的には現在の本来の日本の姿である。ただし、人口が1,700人しかいないというのは町というよりは村落に等しい。唯一の問題は、経済的に成り立つのかどうかということだろう。(「ケーキ屋・パン屋」というのは小学校低学年の女の子が将来就きたい職業で人気ナンバーワンである。)

かんな恐竜パンケーキ:恐竜をかたどったチョコが寄り添う 
   

本来移動運用記であるはずなのに、なぜこうもケーキが登場するのか???その理由は「今回も」定かではない(笑。

1分に車が一、二台通る程度の国道沿いに「まるはち」はある。店の外観も、内側もきわめて「昭和な」お店である。店内は、昔よく村落等にあった「洋品店」のような雰囲気で、そこに昔風のつるし方で着るものが展示され、その他雑貨ものを販売している。昭和な、と言っても、バブル直前の昭和末期ではなく、それより遡った40年代頃?の雰囲気だ。その店内の一角を改造して作られたのか、片隅に「まるはちカフェ」がある。

「かんな恐竜パンケーキ」とアイスオーレでのんびりと過ごす午後のひととき。店内には地元の方と思しき女性も3人、同様に午後のひとときを楽しんでいた。ここが奥飛騨の山間の集落であったとしても不思議ではないような気がする。ちなみに、『君の名は。』に出てくる東京のカフェのパンケーキは、一番安いもので1,600円だが、このかんな恐竜パンケーキは500円とお手ごろだ。

・・・・・・・って、今日は無線運用の話はどうなったのでしょうか?

 
左: 神流町の「目抜き通り」(国道462号線)。
中: きわめて「昭和な」雰囲気。店内、向かって左側にカフェがある。
右: カフェ、店内。
 



オンエア~






文化の日は、今年も例にもれず快晴だ。雲一つない底なしの青空だ。各オンは、GW一斉OADの西御荷鉾山に引き続き、東御荷鉾山(ひがしみかぼやま)だ。

通常「御荷鉾山」といえば、この西・東の両方を指して言うが、取り立てて区別する場合は東と西をつける必要がある。山頂間の距離は直線で2Kmちょっとだ。両方ともすぐに登って降りてこられる山なので、どちらか一つだけに登るというより、両方に登り降りして周回コースにするというのが、一般的な御荷鉾山の楽しみ方だ。普通のハイカーならそれでも物足りないくらいだろう。当局のようにひとつの山頂で5~6時間費やすというような奇特な人間はまずいない。

山頂は特に南面が開けている。快晴の空の下、逆光の中、ややシルエット気味になった山並みが手に取るようにパノラマに広がる。東から西へ、奥武蔵から奥多摩、そして奥秩父へと続く山並みだ。雲取山も両神山もなかなか普段は見られない角度?で全体をのぞかせる。それでも気温がそれほど低くないせいか、真冬のようにスッキリとはいかないようだ。朝、登山口の気温は7℃ほどだったが、山頂は風もなく陽がさんさんと降り注ぐ。山頂の南側に回ると、祠や木の枝枝の向こう側に、今度は順光となって色濃く映しだされた空の青色が映える。気持ちが良すぎるくらい快適だ。無線にはもってこいである。

・・・・と、余りの天気の良さに、きもちよ~~く、SR-01のセッティングにかかるが、なんとマイクを忘れてきたようだ(笑。久々の?大ボケだ。仕方ない今日はサブ機の87Rで終始オンエアだ。SR-01はせっかくセッティングしたので、写真撮影のみの友情出演だ。

 
左: 山頂。片隅にベンチあり。
中: 奥の稜線、中央から左に向かって最初のピークが雲取山。
右: 両神山
 


山の名は。(笑

今日はサイタマKM117局さんが大持山に登られているようだ。CQを出していると「見つけました」と言わんばかりの勢いでコールが入ってくる。いつも「山の方でもヨロシク~」とお互い言い合っている割には、オンエアデーといえども二人同時に山に登っていることは意外と少ない(笑。しかし今日はバッチリ、タイミングがあったようだ。

大持山は、都心側から見ると均整の取れた鈍角の三角形に見え、比較的同定しやすい山だ。しかも鋭角な三角形の武甲山のすぐ近くに見えるので一層わかりやすい。それはここ御荷鉾山から見ても同じで、同じような形で、目印となる武甲山の脇に見えている。KM117局さんは山頂の東側斜面で運用されているらしく、直接の見通しではないのでメーターが振り切れるほどではないが、58/57と、信号は非常に強力だ。今日は運用半分、紅葉鑑賞半分ぐらいの気持ちで、さらに周回されるようだ。

今日はオンエアデーとあって、赤城山や、勝雲山、日光半月山駐車場といった、アマでもよく使われるロケには各局が陣取っている。一方で、3デイマーチに参加中ということで、歩きながらQSOといった、ふくおかOC68局のような変わった局長さんもおられる。いつもの三毳山には、さいたまBB85局が運用されている。どうも展望台脇の水道が故障したらしくいつものように頭に水をぶっかけながらの運用(夏だけですが)ができないようだ。

筑波山から南に連なる山並みの一角に宝篋山(ほうきょうさん)という山がある。標高は460mほどしかないが、筑波山は無線では余りに人気の運用場所なので、それを回避する目的でも、よくアマでも使われる場所だ。今日はつくばA3局が運用されている。実はこの山は、地理院の5万分の一や2万5千分の一の地図には名前が載っていない。山頂の三角マークだけだ。そこで地理院に申請して地図に名前を載せてもらおうと、地域の方々が、周辺の自治体に署名を提出した。地理院に名前を載せてもらうには、関係自治体すべての同意が必要なようだ、というのが最近の新聞報道だった。名前を申請することになったのか!?、と当局もびっくりだったが、宝篋山はA3局が以前からよく使われているロケだ、「そんなことが報道されてましたね~」と、A3局に話しをしてみると、当然A3局はよくご存じである。地元では昔からいろいろな名前が存在するようだが、最近はハイカーも増え、地図に名前を載せることで、より一層この山に親しんでもらおうというのが関係者のねらいのようだ。

地図に名前が載れば、山頂でサインペンを取り出して、忘れないように手のひらに山の名を留める必要もないのかも知れない(笑。

東御荷鉾山の飛び受けは、当たり前だが、西御荷鉾山における各地との信号強度と同じような印象だ。今日の最遠は房総半島の先端、南房総市のチバCB750局だろうか。交信時は海外のかぶりが激しく、信号強度がよくわからなかったが、後から聞いていると、S3~4を振ってくる。まっすぐ南方向は、感覚的には秩父や奥多摩の山々で完全に遮られるような気がするのだが、意外と八王子とつながったりするのも、西御荷鉾山と同じだ。

半年がかりで、御荷鉾山シリーズ?も一応終わりだ。次回、まるはちカフェに寄れるのはいつの日か?

47QSO、各局TNX!!

                            (’18/11/11)





運用データ

■運用日時・運用場所:
 
 ・2018年11月3日(土/祝) 8:15~13:35
  ・群馬県神流町・藤岡市 
    東御荷鉾山山頂(標高1,246m)
  

■使用&装備リグ:
  CB : ICB-87R(SONY)、SR-01(サイエンテックス)
  DCR: IC-DPR5(ICOM)+1/4λホイップ
  特小: DJ-R20D(Alinco)

■使用電源
  リチウムイオン電池10.8V/3.0Ahほか




QSO局
47QSO TNX!!  
(敬称略)

11月3日(土/祝) 8:15~13:35  
さいたまFL20/埼玉県越生町のすばり山 57/57 ふくおかOC68/埼玉県吉見町 53/53
さいたまHS58/埼玉県さいたま市西区 53/53 ぐんまAD17/群馬県赤城山南面中腹 59/59
とうきょうE50/埼玉県戸田市 55/51 イタバシAY621/東京都板橋区 52/51
ツクバKB927/ 51/51 イバラギSA634/茨城県筑波山子授け地蔵 57/55
さいたまUG100/埼玉県ときがわ町堂平山 59+/59+  かながわCE47/神奈川県相模原市城山湖 51/51 
つくばA3/茨城県つくば市宝篋山  59/58  ミトBB501/茨城県常陸大宮市尺丈山  58/57 
ムサシノSR911/東京都八王子市(DCR)  M5/M5  ヨコハマFUR98/長野県南佐久郡南牧村(DCR)  B1/M5 
ヒョウゴAB337/栃木県日光市勝雲山  56/56  とちぎJJ69/栃木県日光市半月山駐車場  53/54 
ムサシノRM812/東京都・埼玉県狭山湖  53/54  さいたまCY55/埼玉県滑川町二ノ宮山  58/M5 
サイタマEP227/東京都北区荒川河川敷  52/52  サイタマKM117/埼玉県横瀬町大持山 58/57
とちぎSA41/栃木県大田原市御亭山  51/55  チバAC532/千葉県我孫子市  51/53 
サイタマQBM254/  51/51  チバNH356/千葉県千葉市稲毛区  54/55 
スイタIN046/群馬県谷川岳(特小)  M5/M5  ミヤギKI529/栃木県矢板市高原山  55/59
グンマDC323/群馬県渋川市(赤城山)  59+/59 さいたまKS73/埼玉県鴻巣市(RJ-410)  41/M5 
イバラギRA136/千葉県君津市鹿野山  54/55  いばらぎAY48/茨城県筑波山子授け地蔵  58/58 
サイタマHK118/埼玉県春日部市  52/52  さいたまBB85/栃木県佐野市三毳山  58/59 
サイタマCM167/埼玉県荒川河川敷  51/51  チバCB750/千葉県南房総市  51/55 
ヨコハマJA298/東京都稲城市  53/55  おおさと59/埼玉県ときがわ町弓立山  58/58
みやぎFS43/茨城県筑波山子授け地蔵  52/52  サイタマCC110/(特小)  M5/M5 
さいたまKS73/埼玉県鴻巣市(特小)  M5/M5  サイタマUJ120/埼玉県秩父市武甲山  59+/59 
とうきょうMG59/東京都八王子市長沼公園  51/53  かながわYS41/群馬県赤城山中腹  53/54 
セタガヤCBR250/長野県旧碓氷峠  58/M5  サイタマOS910/埼玉県志木市荒川河川敷  51/53 
チバYN515/茨城県龍ヶ崎市小貝川河川敷  51/53  トウキョウYU815/栃木県日光市勝雲山  55/56 
ちば13811/千葉県流山市江戸川  51/51     
       
*Bは傘マークプラス、バーの本数。


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2018運用記
東御荷鉾山(各オン)
群馬県神流町・藤岡市