霊仙山運用 (2008/10/12)


霊仙山

メタボ体質は既に不動の地位を確立しているが、気休めにもならない「運動不足解消」も兼ねて、霊仙山(1,084m)に登ってみることにする。滋賀県多賀町にある霊仙山は、伊吹山の南、鈴鹿山系側から見ると、その最北端に位置する。1,100mにも満たない低山だが、カルストの台地で、八合目以上は笹原、遮蔽物もなく、非常に景色が良いと聞いていた。遮蔽物がないということは、無線にももってこいである。


2時間半ほどの山歩きで三角点のある頂上(10mほど高い、最高地点は別にある)に立つと、琵琶湖もほとんどすべて、手に取るように一望でき、背中には伊勢湾もキラキラと輝いていた。

イベントデーでもないので、一日暇だろうと予想して、のんびりとリグを設置。ただ、みやぎFS43/3局が旅行の途中で、わざわざ名神高速の多賀サービスエリアからお声をかけてくれるということだったので、これだけは逃して失礼してはならないと心に誓う。(笑)

リアル板にQRV情報を書き込んで、予定通り10:00に運用開始。空は朝の明るい日がさしていた。CQを飛ばしてみるものの案の定、反応はなかった。しかし、コンディションが良いときのように、やたらざわめいているし、海外局がよく入ってくる。5Chメインと思いつつ聞いていても、このChも南方系の信号が騒がしかった。何か妙な感じだな~と思ったが、その予感は後にEs発生となって現れた。

CQを出していると、名古屋市内からなごやCE79局が、四日市からは、イワテB73局が応答してくれ、名古屋市内や四日市にもちゃんと飛んでいることが確認できる。特に名古屋市内は養老山系の山々が陰になるので心配だったが、ちゃんと届いていることで安心。ただ、5Chは海外系のカブリとノイズが非常にうるさく聞こえていた。50mWを試そうと、ラシーバを持参したが、「こりゃ今日は無理かな~」と、遠くの山々を眺めながらのんびりと足を伸ばすと、秋の空気がする。頂上近辺の木々は赤と黄に色づき始め、その向こうに伊勢湾が顔を覗かせていた。


[写真:霊仙山頂手前の経塚山より。山頂手前だが、ここから早くもFBな展望が開ける。]
御嶽 多度山&伊勢湾 左写真ズーム
左端奥は乗鞍岳、右端奥は中央アルプス駒ケ岳 桑名方面もよく見える。 伊勢湾の向こうには知多半島も。


うるさい5Chを避けて3Chを聞いてみるとヒョウゴAC315局のCQが飛び込んでくる。京都府の深山移動とのことだが、気温13~14℃程度とのことで、日も差さずかなり寒いようだ。まだ11時前だったが、早めに撤収して、温泉に立ち寄って帰られるという。六甲山にはひょうご3946局も移動されており、ひょっとして今日は移動局が結構多いかも??と淡い期待を抱かせる。まあ、のんびりやろう、と、コーヒーでも淹れようかとも思うが、伊吹山の方に目を転じた時、先ほどのCE79局との話を思い出した。せっかく眼の前に見えてるんだし…ということで、特小で、ながおかHR420局設置の伊吹レピータにアクセスしてみると、e-QSO経由で横浜のカナガワOT207局につながる。しかし思いっきり電池切れ寸前マークが点灯している(笑)。ふだんは有り余るほど予備の電池を持って上がるのに、こういうときに限って1本も持ってきていないのである。

「ラジオの中に友を呼ぶ」(爆)
久しぶりに掲示板をのぞいて見ると、えひめCA34/3局の「京都RPTを聞いてます」との書き込みがある。気付くのにかなり時間が経ってしまっていたが、残り少ない電池に不安を感じつつRPT経由で呼びかけてみると、ぷつりぷつりと途切れながら、CA34局が返ってくる。モービル移動中らしく、停車してからとのことで、しばし待機。しばらくして特小で呼びかけると、うまくつながらないが、いきなりCBで返事が返ってくる(笑)。既に京都RPT設置ポイント近辺まで移動されているようだ。

CA34局によると、距離は77~78kmとのこと。500mWでの交信もそこそこに、50mWへ移ろうと相談していると、どこからかブレークが入る。待ち望んでいた、みやぎFS43局だった。ふもとの多賀サービスエリアからで、さすがに距離がない?だけに58と強力。これから北陸方面へ旅行とのことで、楽しい旅を祈念して無事スケジュールQSOを終了。(TNXみやぎFS43局)

時を移さず、CA34局とさっそく50mWの交信にとりかかる。「持ってきた甲斐がありましたョ~、CA34局TNX。」と、心の中でほくそえみながら、中腰でラシーバを取り出す。登山客が多いが、山頂の標の脇でラジオを掲げてスピーカーに向かって話しかける。

「ラジオの中から友が呼ぶ」という名コピーはあったが、「ラジオの中に友を呼ぶ」というコピーは見たことがない(爆)。R-5とラシーバではリグもコピーも?えらい違いだ(笑)。スピーカーに話しかけながら横目で見ると、登山者の一人が何か言いたげだったが…。どうせトチ狂ったオジサンに映ったことは間違いない。心なしか声も若干小さくなり、変調が聴き取りにくかったかもしれない(笑)。


[写真:霊仙山頂より。視界を遮るものは一切ない。]
伊吹山 御嶽 伊勢湾、藤原岳、御池岳
伊吹山のこんな全容は見たことがない。右端奥は白山。 山頂からの御嶽。(中央) 左手前下、緑の小ピークが経塚山。 山頂付近は色づき始めていた。


今日のCA34局の50mW機は東芝の52Aである。52Aからも信号が返ってくる。41~51での入感である。ラシーバで聞いているせいか、変調音もすっきりしていて聞きやすい。あの円筒形の奇抜なデザインの小型トランシーバーからよく飛んでくるなーと感心しながら、50mWでの相互交信はなんなく成功。当局のラシーバ波も、R5受信ではSメータ3程度を振っているとのことだった。

CA34局はNECのNTR-808(500mW機)も持参されているというので、こちらも聞いてみると、707のSメータで4~5を振ってくる。全く申し分ない性能だ。それにしてもNTR-808をお持ちとは超羨ましい。マニア垂涎の?1台で、感動(完動)品だ。実験終了後もCA34局とは、50/100mWに対する熱き?語らいが続き(爆)、ついついラグチューモードにはまってしまう。

500mWに戻ってCQを出してみると、おしまHC04局にピックアップいただく。地元の彦根市からのQRVとのことで59と超強力だ。掲示板等ではいつもお名前を拝見していたが、1st QSOとなる。彦根というと、普段はなかなかつながるチャンスも少ないが、こうして霊仙まで移動した甲斐があった。

福井⇔徳島QSOをキャッチ

昼頃になると、灰色がかった雲で日差しがさえぎられる時間が増えてきた。気温は15℃前後と思われたが、ジャケットを羽織らないとじっとしているのはかなり厳しい。握り飯をほおばりながら、3Chをワッチしていると、アイチAE114/9局のCQが54で入感してくる。移動場所は、部子山(福井県)で、当局の勝手な判断ではAE114局としては久々の部子山移動と思われた。お声掛けした後、何気にQSOを聞いていると、トクシマ局から呼ばれている。むむむむむ?当局のほうには、一切入感はない。そういえば、掲示板にトクシマ局の移動情報があった。「おー、福井の部子山と徳島県か!」、と感動していたのも束の間、距離的にはるかに近い当局の方に入感がないのが、なんとも情けなく思われてきた(笑)。これもまた、おもしろそうな伝播ルートである。


14時頃になると、空もいっそうあやしくなってきたので、撤収を決め込む。一日中暇かと思いきや、ありがたいことに移動局も多数出ておられ、16局とQSO、コーヒーもあまり飲んでいる暇もなかった。3杯目を飲み干し、もはやハイカーもほとんど来なく、静かになった山頂を後にした。
                                                    ('08/10)






運用データ
運用場所:
  霊仙山山頂(標高1,084m)
  滋賀県犬上郡多賀町
時間:
  2008年10月12日10:00~14:20
使用リグ:
  ICB-707
  サンヨーRP 7700
  DJ-R20D(特小機)


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