2025運用記
神奈川県湯河原町
【夜明け: 富士山麓と芦ノ湖】
「第四惑星の悪夢」
道路を爆走してくるトラックに自転車に乗った少年が危うく轢かれそうになる。しかし、たまたま居合わせたウルトラ警備隊のソガ隊員とモロボシ隊員(ダン)の手助けで事なきを得た。
助けてもらった少年は二人に尋ねる。
「おじさんたち、どっから来たの??」
「地球防衛軍さ!、富士山のふもと!!!」
しかし、少年はポカンとしているだけだ。その反応に、制服の胸のマークを指さすソガ隊員。
「坊や、このマーク知らないの???」
少年は首を横に振る・・・。
世間では超有名、子供にも大人気のウルトラ警備隊のはずだが、この少年は聞いたこともないのだ。やがてそこにジープに乗った軍隊風の警察が現れ、ソガ隊員とダンに銃を突きつけ、本部の「長官」の下へと連行していく・・・。
ソガ隊員とダンの二人は、地球防衛軍の新型長距離用ロケット「スコーピオン号」の試験運航で宇宙を飛んでいたはずだった。この新開発のロケットは、飛行士が何日も眠っている間はもちろん、すべてコンピュータ制御で自動的に計器飛行をする。しかし、二人が30日間の眠りから覚めると、ロケットはなぜか地球に降り立っていた。こんな予定ではなかったはずだ。なぜ睡眠飛行実験中に何の連絡もなしに、地球に戻ってきてしまったのか???
ダンはロケットからウルトラ警備隊に無線連絡を試みてみるが、何も応答がない。地上に降りて、見つけた公衆電話で連絡を取ろうとしても、電話番号はすでに廃番でウルトラ警備隊には全くつながらない。ここは確かに地球、それも日本のはずなのだが・・・。
目に見えるものはすべて確かに地球のはずなのに、自分たちが降り立ったところは実は地球ではない・・・ということに、捕らわれの身となった二人はやがて気付き始めるのである。
【伊豆大島】
テクノロジーとは??
ウルトラセブン第43話「第四惑星の悪夢」は、コンピュータの全自動制御で飛行する宇宙船(ロケット)が、地球そっくりの第四惑星の「長官」らに遠隔操作され、知らぬ間に誘導されて捕虜となってしまうというストーリーだ。見た目も、そこにいる人も地球そのものなのだが、第四惑星は、実は人間そっくりのロボットが、元から居る人類を奴隷のように支配する世界だったのだ。大昔、ロボットを開発したのは人間だったが、そこからすっかりなまけ癖がついて働かなくなってしまった人類は、やがて進化したロボット社会にとって代わられてしまったのだという。長官もロボット長官だ。
駆けつけてきた警察の連中は人間そっくりの支配者側のロボットで、トラックにはねられそうになった少年は人類なので、警察にとっては轢かれてもまったく問題ない石ころも同然の存在だ。
この回の監督は実相寺昭雄監督である。地球と同じ光景なのに、地球とはどこか違う「第四惑星」の殺伐とした無機質感・未来都市感を、ガソリンステーションやモノレール、港湾のクレーンや体育館など実際にある風景をそのまま使いながらも、見事に表現している。監督の才能が光るところだ。
この回の放送は1968年の夏、SF映画の不朽の名作である「2001年宇宙の旅」や「猿の惑星」が公開されてすぐのことなので、ひょっとしたらストーリー的にはそれらに影響を受けている部分があるのかもしれない。「2001年宇宙の旅」では、人工意識を持った船内のコンピュータに宇宙船を乗っ取られそうになったり、「猿の惑星」では、高度な知能を持った猿が、知能的に退化した人間を支配している「惑星」の世界と、そこに迷い込んでしまった地球の宇宙飛行士の格闘が描かれる。
60年近く前、コンピュータというものに対して漠然と抱いていた不安のようなものは、現在では自動運転やAIの功罪といった具体的なリスクの議論に変わっているだけで、コンピュータ社会に対する不信感は60年たった今でも基本的には拭い去られることなく、むしろ増大しているのかもしれない。もっとも、単にコンピュータ社会というより、「テクノロジー」全般に対する不安と言った方が良いのかもしれない。つまり、おそらくそれは科学技術そのものだけの問題ではなく、それを使いこなす側の義務や責任を含めての問題なのだろう。
【相模湾と房総半島】
OADがスタート・・・・・
するかどうかは別として、アリーと少年は結局どうなったんでしょうねぇ?(謎。
【昭和感が残るスカイラウンジ】
富士山麓でワッチ
ということで、今回の運用ロケは富士山近辺を監視できる場所に設定だ。
前回
、アンドロイド少女「ゼロワン」が出てきたので、今回もなぜかウルトラセブンつながりで「第四惑星」である(笑。
なぜ富士山麓を見渡せる場所かといえば、ここで運用しながらワッチしていれば、あわよくばウルトラホーク1号が発進してくるところを目撃できるかもしれないという思惑からだ。ご存じの通り地球防衛軍の秘密基地は富士山麓の地下にあるので、普段は目にすることはできないが、ホークが出撃するときは山腹がゲートのように開口して発進してくるのだ。(・・・それって全然「秘密」じゃないじゃん、という説もありますが(笑。)
具体的には、今日のQRVポイントは箱根の大観山展望台である。場所的には、小田原方面からターンパイクを登りつめた頂上になる。
標高は993mほどで、ここには飲食ができる「スカイラウンジ」があり、東側に面した駐車場の端からオンエア開始である。スカイラウンジを含めた展望所全体としては箱根町と湯河原町の境になるが、QRVポイントは湯河原町側になる。少しもやっているが、相模湾の手前側は、ぎりぎり江の島まで見えているようだ。
オンエアといっても、こんな冬の寒い朝、運用局がほぼいないことは火を見るより明らかなので、20分に一回ぐらいCQを出す感じで運用は極めて適当だ。
それでも2回目に、3Chで適当にCQをだしていると、なにやらどなたかに応答いただいているような・・・?今日は秋冬によくあるコンディションで、天然系のノイズがかなり上がっている。常にS4以上を振っている感じだ。今日のリグ選定は東海770DXで、ノイズが上がっていても聴きやすいので、この選択は正解だったようだ。QRZ?~と確認してみる。
呼んでいただいていたのは、石垣島のとうきょう13131局で、向こうには54で飛んでいるらしい。
QSOを終えると、13131局は8Chに移られて3エリアあたりとQSOされているのだが、いつもより交信に苦労されているようだ。いつものように連続技ではいかないようだし、レポートの交換にも時間を要しているようだ。不思議なことに、いつまでたっても1、2エリアからは誰も応答する局が聞こえてこない。少なくとも相模湾の海岸線沿いには、必ずEs待機局がいるはずなのだが・・・。
やはり今日は運用局がいないのか??頼みのLCRも、繰り出すCQには全く反応がない。いつもなら暇対策として必ず有効に機能しているLCRだが(笑、今日に限っては全く期待外れだ。それにしても、標高は結構あるのに誰からも応答がないとは・・・。まあ、土曜日の朝ということもあるが。
しばらくすると、ようやくLCRのCQがひとつ飛んでくる。ちばMR21局で、ロケは君津市の船塚山というところらしい。11mではいつもQSOさせていただいているMR21局だが、LCRではファーストQSOのような・・・。不思議な気もするがMR21局もそう言われているので、間違いなさそうだ(笑。
時々富士山の方を振り返って、ウルトラホーク1号が飛んでこないか、確認しているのだが、今日は今のところ大丈夫のようだ。ウルトラ警備隊の出動が必要でないということは、それだけ平穏無事ということで、それは何よりのことである。キリシマ隊長も言っていた・・・「我々が無駄な働きをすればするだけ、地球は平和だってことだ」と(笑。(第45話「円盤が来た」)
ウルトラホークが出撃しない代わりに、富士山のふもとからは、しずおかDD23局が発進されてくる。RS53/56、今日は富士山麓の西臼塚に出陣されているらしい。考えてみると、DD23 局とつながるのは去年のSV以来だ(笑。DD23局には別に連絡を入れていたわけではないので、繋がったのはラッキーだ。特に本日の使用リグは、彼の局が製作した東海770DXなのでなおさらである。
ウルトラホークの代わりに、芦ノ湖上空にはヘリも出現。
向こうに見えるのは富士山の裾野。
ところで、第四惑星のロボット長官たちがソガ隊員とダンをおびき寄せた理由は何だったのか?彼らの最終目的は、地球に攻め入って、植民地として人類を獲得することにあった。彼らの国のエネルギー源は実はヒトであり、ロボット社会を管理するコンピュータの正確な計算結果によれば、あと500年でエネルギー源であるヒトが滅亡するというのである。そこで、惑星のヒトの代わりに地球の人間を獲得しようと、侵略部隊を大編隊で地球に向かわせるのであった。
そこはもちろん、セブンの活躍で大編隊は出撃間もなく木端微塵となり、地球は何も知らないまま無事安泰、めでたしめでたしということになる(笑。帰還したソガ隊員とダンは、他の隊員からは「試験飛行中に悪い夢でも見ていたんじゃないの?」、ということにされてしまう。本当に悪い夢だけで済むなら、その方がよいのだが!?
ドラマのラスト、休養がてら私服で外出したソガ隊員とダンは高速道路に架かった高架橋の上で、最も信頼する方法で明日の天気を占って見せる。コンピュータによる科学的予測とは似ても似つかない、テクノロジーとは無縁のあの方法だ。
ソガ隊員は履いていた下駄を高く蹴り上げた。
この橋は、実際には田園都市線たまプラーザ駅近くの東名高速の上に架かる高架橋だ。
帰り道、橋の上に下駄を蹴り上げるソガ隊員とダンがいないだろうか、確認しながら高速を都心方面に戻ってみる。下を通るたび、いつも同じことをやってますが・・・(笑。
3QSO、各局TNX!!
(敬称略)
(2025/2/21)
本日のパティスリー: ヴァガボンド洋菓子店
(小田原市)
店内のケーキはどれも芸術品レベル。二言三言、言葉を交わしただけだが、パティシエのケーキや焼き菓子に対する愛情や思いいれがひしひしと伝わってきた(笑。モンブランは、クリームのマロンの風味が絶妙。
駐車スペースも一台分しかなく、非常にこじんまりとしたお店だが、店内にはテーブル一つ分のイートインスペースもあり、飲み物もオーダーできる。
運用データ
■運用日時・場所:
・2025年2月15日(土)
9:10~11:10
神奈川県湯河原町 大観山展望台
■使用&装備リグ:
・東海770DX (東海DX無線クラブ)
・SR-01X (サイエンテックス)
・DJ-PV1D (ALINCO)+d-ROD-100 (CQOHM)
■使用&装備電源
・リチウムイオンポリマー電池:
11.1V/5.1Ah
QSO局
:
3QSO TNX!!
(敬称略)
2025年2月15日(土) 曇り時々晴れ
とうきょう13131/沖縄県石垣島
52/54
ちばMR21/千葉県君津市船塚山(94Km)
59+/59+
しずおかDD23/静岡県富士宮市
53/56
注:距離表示があるのはLCRによる交信。
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