2021運用記
南房総
千葉県南房総市・館山市



[南の島ライクに・・・(笑。 (館山市伊戸海岸)]





夏は来ぬ



毎年運用していた沖縄に最後に行ったのは2017年、かれこれ4年も行っていないことになる。沖縄に限らず、去年はコロナ禍で毎年6月恒例の南の島での離島運用は叶わなかった。果たして今年の「南の離島運用」は可能なのか????

というわけではないが、とりあえずはいつもの予行演習として、南の島ライクな(笑)房総半島の南端に向かってみる。

さすがにここまで来ると海の色も鮮やかだ。予行演習には十分。今年の2月にも館山では運用したが、冬の海はこんなにビビッドではなかった。やはり紫外線まで感じられそうな、この夏の強い光のせいか?

ここ半島の南端は、それなりにリゾートっぽい雰囲気も少しだけあるので、海に迫った海岸沿いの景色の良い場所には、別荘やホテル、コテージもそこそこ存在する。今日は快晴、野島崎沖にはそこかしこに船が見える。ソーダ水と言わないまでも(笑、色鮮やかな海の中をいくつもの貨物船が通過していく。

今日は雨上がりの翌日の快晴のせいか、なぜか電灯線系のノイズが激しい。ビリビリ、じりじりと、かれこれ適切な運用場所を求めて、二時間近くになる。海の景色が良いFBな場所や、漁港に至るまで、どこへ行っても電灯線が付きまとうので、なかなかこのノイズから逃れられる場所が見つからないのだ。少ない場所でもS3、強いところではS6まで振ってくる。

最初のねらい目は、旧白浜町(現南房総市)の白浜町スポーツ公園だった。もちろん砂浜に面した場所だ。しかしノイズはS6。ノイズのない場所を求めて館山市の伊戸海岸あたりまであちこち転戦してみるが、どこもかしこもS3~4。前回昼寝がてらワッチをしていた、洲崎漁港もダメだ。

再び旧白浜町方向へ戻って、相浜港の岸壁で、87Rを片手にうろうろしながらノイズの下がりそうな場所を探ってみる。しかし、ここも完全に下がりきる場所がない。Sメーターを睨みながらあちこち歩き回っていると、かながわCE47局のCQが聞こえてくる。RS58。???。非常に強力だ。これはいつもの城山湖ではないはず(笑。

呼びかけるタイミングを見計らないながらQSOを聞いていると、どうも今日は須走口の富士山五合目から運用されているらしい。海面反射も加わるのか、信号は非常に力強い。場所がFBなだけにあちこちからお声がかかるのだが、QSOを聞いている限りでは、58レベルの強力なレポートを返しているのは当局のみだ。それにしてもCE47局さん、当局運用時はなぜか当局にとって最初のQSO相手になっていただくことが多いのだが、2時間もうろついているこんなシチュエーションでも変わりはないようだ(笑。



房総半島国道最南端?


散々探し回った挙句ようやく落ち着いた先は、旧白浜町の、房総半島のほぼ南端、国道が最も太平洋に突き出た場所だ。人家から遠いせいか、道路沿いには電灯線もない。ノイズがない場所にたどり着いて、腰を落ち着けてのんびり昼寝できるようになったことはすばらしいことだが(笑、それにしても、今度はいつまでまどろんでいても、CQはおろか交信のかけららしきものすら聞こえてこない。全くのしずかちゃんだ。

 



試作第三弾(笑。
バッフル板は強力ゴムで仮止めだ。


まさか、リグが壊れたわけでもないのだろうが、念のため車の外に出て、チャンネルを回してみると、今度はいきなり聞きなれた声が聞こえてくる(笑。しずおかDD23局だ。今日は富士山2合目、水ヶ塚からの運用である。ロケがFBなので、あちこちとつながっている。これはいける(笑。「いける」というのは、DD23局には申し訳ないが、今日は試作スピーカー第三弾を持ち込んでいるので、そのチェックに使える、という意味だ。こうも静かで信号も全く飛んでこないと、試聴もへったくれもないのである。

NTS115用スピーカーという意味では、今のところ「試作第二弾」を愛用しているわけだが、第三弾は再び口径をUP(=試作第一弾のユニット、口径10Cmを使用)しつつ、容量(サイズ)を極小化したものだ。今回は特に薄型に拘ってみた。

 試作第四弾:片手間製作なので手抜きもいいところ(笑。
容量を極小化した代わりに、背面にはパッシブラジエーターを備えている。オーディオ用スピーカーではパッシブラジエーターやドローンコーンなど使用するのはもってのほかだが、無線用途なので全く問題はない(笑。もっとも、もともとこのユニットは駆動力が小さいので、パッシブラジエーターはあまり効果はないのだが、ないよりはましだ。

口径のUPにこだわるのは、少しでも量感を増やしたいからである。量感をふやすということは、数字上では能率を上げることと同じで、情報量を増やすということである。貧弱なパワーでも、できる限り情報量を稼ぎたいのである。試作第四弾も製作済みだが、こちらも量感を稼ぐため、4cmユニット×4発+パッシブラジエーターだ。

そもそも、これほど外付けスピーカーに拘ること自体がばかげた話なのかもしれないが、一方でNTS115が通常のAF能力(歪み感のなさを含む)を備えていれば、そのような問題が生じることがなかったのも事実だ。NTS115は改良型のNTS115Aとして、筐体をアルミ化して軽量化するようだが、軽量化も結構だが、AF周辺の総合能力が改良されればそれだけで完璧なリグとなるだろう。(筐体のアルミ化については、個人的には、性能的に、鉄のままの方がよいような気がする。)



初夏の夕暮れ


宵闇が迫るころ、館山湾に突き出た桟橋へとそぞろ歩きだしてみる。ここは、今年2月の「館山運用」時に気になった場所で、夏にQRVできれば飛び受けが面白そうだと思った場所だ。

初夏の夕暮れは風もなく静かだ。沖に出るにつれ桟橋上では10mに一人くらいの間隔で釣り人が糸を垂らしているのだが、そんな人の気配はほとんど感じることもない。

日中あれだけ惜しみなく陽射しを降り注いでいた空はいつの間にか灰色の雲に覆われ、夏の初めの夕暮れの割には落ちてくる光は少ない。

87Rを展開してみると、7エリア、8エリアがそれぞれ数局入感しているようだ。しかし、ここはもはや海の中、海面上10mぐらいの高さに位置して、飛び受けも最強そうに見受けるのだが、入感はどれもmax51程度で薄い。湘南におられる、そらちAB71/1局のコールバックのレポートがこちらにも届いてくるのだが、こちらに聞こえる同じEs局の信号強度は3程度落ちるようだ(笑。パスのせいなのか、湘南の方がロケ的に優れているのか、定かではない。強く入感してきたのは、あいちOT25/7局ぐらいか?

18:40分、そろそろ宵の空虚感が漂い始める。空は灰色の雲に覆われたままなのに、海の向こう、やや朧げに富士山が姿を見せ始めた。しかしその空間が、むしろ空虚感をより一層深めさせるのである。それでも、いつの間にか伸びた日の長さは、「まだ金曜日の夜」的な、6月のこの時期特有の妙な幸福感を醸し出してくれるのである。

5QSO、 各局TNX!!         (2021/06/13)

                      



運用データ


 ■運用日時・場所:

 
  ・2021年6月5日(土) 10:40~18:30 
      千葉県南房総市、館山市 
     

 ■使用&装備リグ:
   CB : NTS115 (西無線研究所)
       ICB-87R (新技適ラジックス改)
       
 ■使用電源
   リチウムイオンポリマー電池11.1V/3.0Ah
   リチウムイオン電池10.8V/3.4Ah
   ・乾電池

 館山港桟橋  


QSO局
5QSO TNX!!  
(敬称略)

2021年6月5日 晴れ 10:40~18:30 ときどきQRV   
かながわCE47/富士山須走口五合目 58/57 しずおかDD23/静岡県水ヶ塚富士山二合目 53/55
アイチOT25/青森県 55/55 イワテB73/北海道 51/52
サッポロTA230/札幌市 53/53
  




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