三つのキーワード

昔からある映画のパターンの一つが、人気漫画の実写化だろうか。最近そうした映画の比率が多いような気もするが、そうだとすれば、映画化した時の投資回収リスクを避ける傾向が強くなったということだろうか？最近は特に女性向けコミックの映画化が多いような気もする。

当局の場合、そうした映画（女性向けコミックの映画版）を見たとしても、原作の漫画は全く読まないので、はたしてオリジナルはどうなっているのかは全く分からないのだが、少なくとも実写版を見る限りは、映画化される際によく登場するのは、「幼馴染」、「難病」、「屋上」の三つのキーワードだ。例えば好きになった者同士が幼馴染であり、どちらかが難病・不治の病にかかってしまう、もしくは小さいときからそういう難病を抱えている、そして改めて人生を見つめ直し、心の中のもやもやなどが語られるのが学校や病院の屋上といったパターンだろうか。

学校の屋上というのは、そもそも事故などを防ぐために立ち入り禁止になっているのが普通だが、映像化するシーンとしてはとても使い勝手が良いせいか、必ず出入り自由になっているのが相場だ。知念侑李さん、小松菜奈さんら主演『坂道のアポロン』（2018年公開）では、めずらしく屋上には鍵がかかっており、そのカギを奪い合うというシーンもあるが、それは、主人公である男子高生が屋上という空間を独り占めにするために使われるカギであり、安全を配慮するためのものではない。

こうした映画によくあるもう一つのパターンが、全く普通の目立たない、しかし心のどこかに傷がある「私」が、なぜか学校一のモテモテのイケメン男に見初められ、あれよあれよという間に相思相愛の関係に発展していく、しかしその過程で「こんな風になっていいの？」と戸惑ってみたりする。「全く目立ない地味な普通の女の子」なのに、映画の世界では、相当綺麗な女優が演じるのが普通だ（笑。ここでのポイントは、「モテモテのイケメン男」はさておき、「見初められる」という点と、「あれよあれよ」という点である。こんな全く普通の「私」だが、誰かが見ていてくれているに違いない、価値を見出してほしい、気づいてくれるはずだという願望と、そんな恋愛にものすごいスピードで陥ってみたいという二つの願望の仮託である。よく政治家が「スピード感を以て対応します・・・」などと空虚な言葉を並べることがあるが、そんな「スピード感」など話にならない激しい勢いだ（笑。

そして、学校一のイケメン男は高校生にもかかわらず、ファッション誌などのモデルをやっていたり、女の子の方はパティスリーやパン屋さん、花屋さんなどでアルバイトしているというパターンが多い。もし、上記3つのキーワードのほかにもう一つ加えるとすれば、「モデル」かもしれない（笑。有村架純さん、福士蒼汰さん主演『ストロボ・エッジ』（2015年公開）では、彼氏（福士蒼汰さん）の元？カノがファッションモデルであったりする。福士蒼汰さんは学年一のモテ男役だ。川口春奈さん主演『好きっていいなよ。』（2014年公開）でも、これまた福士蒼汰さん演じる高校生彼氏のアルバイトはモデル、『町田くんの世界』（2019年公開）でも、学校一のモテ男のアルバイトはモデルだ。

稲村ヶ崎が夕陽を眺めるスポットとして登場する、広瀬すずさん主演『四月は君の嘘』（こちらの原作は少年漫画）では、その稲村ケ崎のすぐ近く鎌倉高校の屋上が頻繁に登場する。そしてその先には江の島がよく見えている。実写の世界では、当たり前だが、現実にある風景が屋上から見える景色として映し出される。サイタマKM117局さんが縦横無尽に歩きつくしているであろう（笑、奥多摩の山並みのほとんどが綺麗に映し出されているのが、こちらも川口春奈さん主演『一週間フレンズ。』（2017年公開）だ。こちらは日頃多摩地区に住んでいるものにとっては日常的な、非常に見慣れた山並みの光景だ。この映画でも例によって他にもいくつか屋上シーンが出てくるのだが、そのシーンはよく晴れた日に撮影されていることもあり、三頭山、御前山、大岳山の方から奥武蔵の方まできれいに映し出されている。都立南平高校（東京都日野市）の屋上からの光景だ。





［金山より南方向]


８７R改

今日は群馬県太田市金山からの運用だ。こちら方面へたまたま用事があったので、その用事の前についでにこちらで運用してみようという魂胆だ。それにしてもなぜか最近群馬県での運用が多い（笑。

金山は群馬、栃木のローカルさんにはよく使われるロケで、各局から親しまれている。埼玉や茨城などを含めて近辺の局長さんでまずこのロケを知らない人はいないだろう。

標高は240mにも満たない山だが、朝、山上にほど近い駐車場（標高192m）まで登ってくると、南の方に開けた景色の中に、奥武蔵や奥多摩、丹沢の山々が、関東平野の西側を形作るように、小さな衝立のように延びている。昨日は雨だったせいか、山々はここぞとばかり？水蒸気で白い雲を巻き起こしながら、しかし、自身は青く輝いているかのようだ。そしてその山並みの上には、雪を被った富士山の頂上部も白い雲と混じりあいながら見えている。

左：衝立のように広がる奥武蔵、奥多摩、丹沢の山々。富士山も顔を出す。 　右：堂平山の天体観測ドーム、電波塔も見える。

NTS115を車のルーフに展開、ウォッチに入ってみると、さっそくトウキョウAB505局さんの信号が飛び込んでくる。今日も皇鈴山におられるようだ。距離もそれほどないので、信号は58と強力だ。それにしても、いつにも増して変調が「綺麗」だ。よどみなく、かつ全く嫌みがない、大変聞きやすい変調音。どうやら今日は最近話題となっている87R改を使われているようだ。「綺麗」というのはなかなか表現しづらいが、歪み感が全くないといった感じか。

「最近話題となっている」といっても、当局はこの手の情報に大変疎いので、ぐんまAD17局さんが各局さんの分まで請け負われて87R改で新技適をまとめて取得された・・・ということは、つい2日前に、長野の某局長さんから教えていただいて初めて気づいた話なのではあるが・・・。87Rは追加募集されるということなので、当局もさっそく、長野の局長さん経由、新技適化を申し込ませていただいたところであった。

AD17局さんのツイートによれば、707、R5、580Dを引き続き新技適化される計画のようだ。R5や580Dは、令和4年以降は使うのを全くあきらめていたので、新技適化が実現されるということはこの上なくありがたい話だ。AD17局さんには感謝しかない。そしてうれしいことに、CQを出していると、そのAD17局さんからもコールをいただく。AD17局さんとはお空の上では何度も交信させていただいているが、今回のQSOは感ひとしおだ。

南方向に開かれた空間は、神奈川県の大山の三角形までくっきりと見えだした。そんな景色を見ながらいつものようにボケーと運用していると、
「な・・・ご・・や・・YK局です・・・よねェ？？」
と小声で声をかけてくださる方がおられる。とちぎ4862局さんだ。
当局はいつも不愛想でとっつきにくい表情をしている（たぶん）のでかなり声をかけづらかったようで、相当勇気を振り絞っていただいたようだ（笑。まずは、その勇気に感謝である。当局が金山で運用しているのをどこかで察知されて、アイボールしに来ていただいたようだ。ますます感謝。ありがたい限りだ。

4862局さんとは、お会いするのは初めてだが、お空では何度も繋げていただいている。話は現在進行中の、AD17局さんの新技適化で盛り上がる。特に580Dは4862局さんもお持ちだ。新技適化プロジェクトについては4862局さんもお手伝いをされているようで、毎日のように会われているという。AD17局さんや4862局さんらの取り組みに対する姿勢や、思いについていろいろ話を伺うことができたが、当方としては全く頭が下がる思いである。


屋上という空間

ところで、屋上ではなぜ人生や思いが語られるのか？それは、360度何もない、広々とした、無限とも思える空間に、自然と心が解き放たれるからかもしれない。映画やドラマの世界に限らず、ときどき屋上に上がって空を見ながら、人生を省みてみるのも有意義なのかもしれない。

俳優の三浦春馬さんは、残念ながら今年7月に早世されてしまった。ご冥福をお祈りしたい。主演をされた『君に届け』（2010年公開）の１シーン、高校生役の多部未華子さん演じる主人公が、夏菜さんと蓮佛美沙子さん演ずるところの親友二人とともに自分の心情を屋上で語り合う。二つ、椅子が置かれただけのこの学校の屋上にはなぜか手すりも何もなく、危険極まりないのだが、そこで女子高生3人が語り合っているという、普段はあり得ないこんな屋上シーンでさえ、なぜか映画になると全く不自然に思われないから不思議だ。それだけそういう場面には屋上はマッチするということか。

よく見ると通常ではあり得ない不自然な光景なのに、ついはまってしまうこのシーンの屋上は、旧栃木県立足利西高校の屋上だ。そしてその背景、校舎の向こう、右の山裾から左の山裾まで全体が映し出されているのが金山なのであった。

８QSO、各局TNX！！

（'20/10/20）

本日のケーキ

今日は、住宅もまばらな田園地帯？にある「パティスリー　ホリ」（太田市山之神町）に立ち寄ってみる。店内は小さいながらおしゃれな作りで、イートインできるように、ちゃんとテーブルとイスも用意されている。なんと、飲み物のメニューまである（笑。
スフレチーズケーキは、一瞬かなり制動を効かせた甘みと感じるが、しばらくするとじわっとうまみが引き立ってくる。「たっぷりイチゴのショート」は爽やかでいくつでも食べられそうだ。人気商品のシュークリームと、クッキーはお土産に持ち帰ろう。シュークリームは、こちらもやや制動が効いた甘みの熟成のクリームを、しっかり目の生地が包み込んでいる。食感が絶妙で、どちらかというと大人向きの味わうシュークリームか？