[名もなき海岸にて]
おばあちゃんの饅頭
最終日、月曜日はもっとも天気はよさそうだ。雨も降る感じがしない。ただ、帰りのフェリーの時間があるので運用時間はMax12:30だ。月曜日はウイークデーなので、例によって、応答がなかろうと、あろうと、積極的にCQを出さねばならない。
天気もよさそうなので、運用場所はもっとも景色が良い?島の東側の海岸だ。ここは、比較的新しく道路が通された場所のようで、前泊方向から島の東側の海岸線を北上する位置づけである。海岸も美しく、ちょと整備すればすぐにそれなりにリゾートっぽく生まれ変われそうな場所なのだが、どこにも名前は見当たらない。したがって、景色が良いにもかかわらず、ガイドブックには全く載っていない場所だ。当局も偶然発見したくらいである。
アクアのルーフにセットした707から漏れ来る音を聞いていると、コンディションは上々だ。違法もガンガンに入感してきている。しかし時たま入感する合法局は、きわめて断片的で、全く長持ちしない。こちらから出したCQに応答はあったりするのだが、プッツリ途絶えてその後はなしのつぶてといった感じである。
9時に差し掛かろうかという頃だ。707片手に波打ち際まで降りてみると、なにやらCQの入感がある。「イワテ」ステーションらしい。しかし、長続きはしない。というよりCQの途中で聞こえなくなってしまうくらいだ。しばらくスタンバイしても入感はない。ためしにこちらからCQを出してみると、なにやら応答がある。イワテアルファアルファまではなんとか確認できる。AAとくればおそらく169局にちがいないが、確信はない。途切れ途切れにやりあうこと数分、ようやくつながる。RS P52/53だ。今日一発目が7エリア、しかもAA169局というのはうれしい。今年は7エリアとも数局QSOさせてもらっているが、一昨年の渡名喜島・久米島運用時のように、7エリアがゼロというような年もある。
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AA169局とはQSBだらけのQSOだったが、伊勢湾マリタイムモービルのアイチDI209局はかなり安定して聞こえてくる。いつも感じることだが、やはり海上のMMは飛び方が違うように思えてならない。DI209局とは、別に慌てることもなく、久々に旧知の局とのQSOを完了する。それにしてもウイークデーにクルーザー??での無線運用とは実にうらやましい(笑。平日の9時台、10時台ながら運用局はそこそこおられるようだが、呼んだら聞こえなくなったりと、基本的にはむずかしいコンディションだ。チバCB750局も厳しい入感だったが何とかQSOを完了する。
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おばあちゃんに感謝。 |
この景色での無線運用はもっと続けていたいところだが、11:00に切り上げてフェリーターミナルに引き上げることにする。饅頭を食べてから・・・(笑。
今朝、出がけにチェックアウトするとき、宿のおばあちゃんが「コーヒーでも飲んでいけ」、という。当局の場合コンディションが上がる時間が朝食、夕食の時間に重なるので、いつも沖縄運用では基本的に両方とも頼んでいないのである。最後にそれを見かねたのか、食堂で一杯熱い?コーヒーでも飲んでいったらどうか?というのである。
ありがたい心遣いだ。
おばあちゃんは続けた。
「ところで、あなた、何しに島に来たの?」
「いや~、ちょっと無線をしに・・・。」
「あ~そう。この間もいたいた、屋上に大きなアンテナを広げてねー・・・。あなたも、アンテナ持ってきたの?」
「(笑)・・・」(=当局)
最後に、おばあちゃんは、「これを持っていって食べろ」、という。中に入ってフロントに戻ってきたおばあちゃんが差しだしたのは、2個の饅頭だった。
ありがたい心遣いだ(笑。
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