[秩父高原牧場: ルーフの上に筑波山が浮かぶ]



610Tの謎

10月12日、みかも山で、ICB-610Tによる運用を行なった後のことだ。ナガノNP152局さんより連絡があり、「ひょっとして、610Tの銘板に何か不思議な記載がありませんでした?」との謎かけのようなご質問を頂いた。何かマジックで落書きでも書いてあるのかと思って確認してみたが、綺麗さっぱり。「何もへんなところはないですよ」、と、うっかり返事をしてしまったが、「そうですかぁ・・・・???」と、謎解きをいただいた。答えを聞いて当局もびっくり唖然、あまりに自然でさりげなさすぎるので指摘されるまで全く分からなかった。右の写真だが、皆さんには、すぐにお分かりのことだろう(笑。

今日の運用場所は埼玉県東秩父村にある秩父高原牧場だ。「秩父」といってもかなり北に位置し、寄居町に近い。標高は570m前後で高さは余りない。よく無線で使われる刈場坂峠や関八州見晴台、子の権現など、西武秩父線沿いの奥武蔵の山々よりかなり北になる。標高がないだけに東京方面への飛び受けは、間に堂平山などが入り、いまひとつのポジションだ。しかし、里山からは比較的ひょいと車で上がりやすいので、埼玉西部のローカル各局には比較的良く使われるロケである。

師走になり朝の風はかなり冷たくなった。8時過ぎに現着すると、冷たい空気の向こうに筑波山がくっきりと浮かんでいる。日差しが乏しいので、灰色かかった景色が余計に寒さを感じさせる。しかし東側はバッチリと開けている。南東方向になる都心方面はやはり堂平山の陰でイマイチだが、これなら埼玉・茨城方面は完璧?のはずだ。


朝の筑波山(正面)
ボンネットの上に見える山の右端が
みかも山。こうして見ると、やはりみかも
山は関東平野に突き出たFBなロケであ
ることが分かる。
木々
紅葉もすでに終わりか・・・
冬の牧場
冷たい空気が高原を渡る。



久々の大ボケ

今日は久々にパーソナルも持ち込んでみる。最近各局さんのブログを拝見していると、11月30日を境に、パーソナル無線の記事が多い。記事の多くは、一時は11月30日を以って一切使用できなくなるとの理解だったパーソナル無線だが、実はその時点で有効な免許がある無線機については、期限まで使用が可能である、という内容のものである。当局も最近まで11月30日以降は全く使えないものと誤解していたのだが、使えるのであればもう少し使って上げようということで、G7を持ち込んでみた。

10.8Ah分のリチウムイオン電池とともにG7をルーフにセット、707とともにいざ運用・・・と、マイクを握ろうとするものの、「んんんんん????」あれれ・・・肝心のスピーカーマイクがない。なんとマイクを持って来るのを忘れていた!(笑。来る途中何か忘れてきたような気はしていたのだが・・・(笑。

パーソナルの場合、マイクがなければ手も足も出ない。普段からマイクが本体に付属しているCB機に慣れすぎてしまって、久々に「マイクは別物」という無線機なら当たり前の感覚が全く頭からすっ飛んでいた。アンテナまで立てたのに、パーソナルはあえなく即撤収だ。

みかも山では今日はサイタマAK829局が運用されており、さっそく808を試してみる。今日は、基本的にはNECのNTR-808とICB-610Tのチェックが目的だ。両機は来年の沖縄運用で、本格的に使ってみたいと思っている。808については、これまで使ったところでは、他機種に比べて、なぜか偏波面の影響が大きいようである。少なくとも受けについては。また、PLL機であるせいか、限界の微小入力ではぷつぷつと入感する傾向があるようである。

CBの運用をしばらく続けていると、トチギ4862局よりコールをいただく。信号は超強力で、すぐ北へ1kmほど行った愛宕山でサイタマAC654局と合同運用されているようだ。

いざ運用開始!
と思いきや、あれれ、スピーカーマイクが
ない!
オレンジ色のニクイやつと808
「謎の」610Tも飛び受けは良好だ。
牧場の一角
野菜類の直売に加え、焼きおにぎりを
焼いており、香ばしい香りが風に乗って
漂ってくる。


おおさと59局と

610Tの背中を見せながら、「天下のソニーともあろうものが、こんなミスもあるもんなんですね~」という話をしていると、ナショナルのRJ-411の機種名のラベルにも似たような秘密があるらしい。

話のお相手はおおさと59局さんである。おおさと59局とは先ほどCBでつながっていたのだが、当局が秩父高原牧場で運用中であることを知って、QSO後わざわざ熊谷運動公園から急遽かけつけてくれたのである。(TNX!!おおさと59局!)お空の上ではおおさと59局とは旧知の仲だが、アイボールは初めてである(笑。しかし初めてお会いするときでもまるで20年来の友人のようにすぐに会話が弾んでしまうのは、無線をやっていることの醍醐味の一つでもある。

おおさと59局によると、RJ-411(ヘリカル機)はRJ-410(ロッドアンテナ機)と兄弟機であるので、基本的にアンテナを除きボディーのパーツはほぼ互換にしてあるようである。特定の製造時期のRJ-411はラベルをこする?と、RJ-410に変身するらしい(笑。まあ、コストダウンの一環かもしれない。当局もRJ-411を所有しているが、どこかに仕舞い込んだままで、最近見た記憶がない・・・。いつか引っ張り出してきて、確認してみる価値はありそうだ。


「まあ、そういう類の話はいろいろありますよねぇ~」、おおさと59局は続ける。
さらに話を伺っていると、特小機であるDJ-P22などは、ソフトウェアにバグがあり、ある操作をすると、430の無線機に早変わりするという。無論、全く普通のノーマル機の話である。
「え~ホントですか??全然知りませんでした!」(当局)
「え~知らないんですか??有名な話ですよ!!」、と笑われてしまった。(イヤ、本当に全然知りませんでした、すみません。)
おおさと59局が、とある操作を実演してみせてくれる。来られた時から胸ポケットに愛機のP22を忍ばせているのである。ぴゅぴゅぴゅっと・・・(笑、ボタン操作のタイミングに若干コツがいるようだが、確かにいとも間単に430のハンディ機に変身した(笑。実際、アイボールしてダベっている間も、430のCQなどが入感してきており、モニター機として活躍していた。


アイボール会?

都心方向は完全に堂平山の陰になるのだが、都内北東部はかろうじて見通し範囲のようだ。DCRでは相手のアンテナ性能に助けられている面もあり、トシマIT110局や、トシマFZ52局(両局とも豊島区固定)、イタバシAA415局から応答をいただく。CBでは運用局がないので都心方面はよくわからないが、荒川河川敷など埼玉方面はバッチリのようで、808や100mWの610Tでもよく飛んでいる。吉見町のサイタマAB960局からは、808の変調が意外と深いとのコメントをいただく。AB960局さんとは、早くも年末のご挨拶だ。そう、当局もこれが今年最後の運用になるかもしれない。考えてみると、もうあっという間に1年が過ぎ、年末へのカウントダウンが始まっているのである。茅丸からAB960局とQSOしていたのが2月だなんて、まるで嘘のようである。

秩父高原牧場には、その後、愛宕山で運用されていたトチギ4862局、サイタマAC654局が合流され、4局でのアイボール会となる(TNX!トチギ4862局、サイタマAC654局)。運用そっちのけで、会話に専念だ。それにしても、無線の話は尽きない・・・
(Special thanks: おおさと59局)


各局TNX!!
                                               ('15/12)




運用データ

■運用日時・運用場所:
 
 ・2015年12月6日(日) 8:45~13:45 
  ・秩父高原牧場(標高約570m)
  
 埼玉県東秩父村

■使用&装備リグ:
  CB : ICB-707(SONY)、NTR-808(NEC)、ICB-610T(SONY)
  DCR: IC-DPR5(ICOM)+1/4λホイップ
  パーソナル: SC905G7(信和)+SG900N(第一電波)

■使用電源
  リチウムイオン電池10.8V/1.6Ah、乾電池ほか


QSO局
17QSO TNX!!  
(敬称略)

12月6日(日)   
サイタマAK829/栃木県佐野市みかも山 54/54 イバラギLG125/茨城県朝日峠(DCR) M5/M5
センダイSD550/東京都墨田区(DCR) M5/M5 としまFZ52/東京都豊島区固定(DCR) M5/M5
サイタマBX71/埼玉県越谷市(DCR) M5/M5 サイタマK7245/埼玉県草加市チャリンコM(DCR) M5/M5
トシマIT110/東京都豊島区固定(DCR) M5/M5 とちぎ4862/埼玉県東秩父村愛宕山 59/58
サイタマAC654/埼玉県東秩父村愛宕山(808)  59/59+  グンマUI127/群馬県桐生市荒神山  52/53 
おおさと59/埼玉県熊谷市熊谷運動公園(808)  53/55  さいたまM56/埼玉県小川町仙元山(610T)  M5/54 
サイタマAB960/埼玉県吉見町荒川河川敷(808)  53/54 ミヤギKI529/茨城県尺丈山  41/53 
さいたまMK2/埼玉県熊谷市荒川河川敷(DCR)  M5/M5  イタバシAA415/東京都板橋区固定(DCR)  M5/M5 
ねりまTN39/埼玉県荒川河川敷(610T)  M5/53 



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