2014運用記 | |||
岩手県紫波町 |
約束?
イワテAA169局さんと早池峰山の山頂で偶然アイボールしてから2年半が過ぎてしまった。アイボール以来、「次回は一杯やりながら無線談義でもしましょう」という話をしていたのだが、その約束?を実現すべく、5月のOADは岩手県に移動してみることにする。(といっても当局が一方的におしかけるような感じか?(笑。)
したがって今回は運用後の居酒屋アイボール付きだが、もちろん運用もしっかり行う。早池峰で初めてつながった、いわてDE69局さんや、いわてDS94局さん、そしてEsなどでお世話になっているイワテAA707局さんやいわてAN26局さんなどとグランドウェーブでつながるのも楽しみだ。
運用場所はどうするか?土地勘が全くないのでどこにしたらよいのかわからない。ただ各局さんはおそらく、寺沢高原や種山高原などがある、北上山脈側の高所から出られるはずなので、北上盆地を挟んで秋田県側の奥羽山脈側から出るというのがミソだ(笑。OADなので、団子になってしまっては意味がない。ただし腰の調子がまだ完調でないので登山はできない。目指すは車で運用場所近辺まで手軽にアクセスできる場所だ。当初は盛岡の南西にある、南昌山(標高848m)からの運用を計画してみるが、ふもとの矢巾町役場に確認してみると、5合目まで通じる県道が昨夏の豪雨でずたずたに寸断され通行不能のようだ。国土地理院の地形図とカシミールを頼りに他に手軽にQRVできそうな場所をいろいろ探ってみると、紫波町の新山(にいやま)というところに、まあまあいけそうな場所がある。標高は525m程度しかなく、つぶさに見ると放送局のアンテナ群があるので、ある程度のノイズが予想される。だが、展望台もあるようだし、移動の目的の半分はアイボール(=夜の宴会)なので、よしとしよう。
まずは場所の確認もかねて、3日の夜から運用だ。20時前、新山展望台に着いてみると、あたりは人っ子一人いない真っ暗闇。古い、コンクリート製の展望台が確かにあることはある。一関を車で出発したころは20℃あった気温も日暮れとともに急激に低下し、もう7℃まで下がっている。ダウンを羽織って、87R
とDCRを片手に展望台へと登ってみる。展望台はUFOのような形をしており、昼間来れば別になんともない場所なのだろうが、その古びた「コンクリート製」という部分からして、真っ暗闇の中で一人で運用するには、かなり勇気がいる場所だ(笑。
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左:19:03分、宵闇の中、新山に迫る。(向かって右側の峰の部分) 右:夜の展望台からは一応、紫波町の夜景も見られます。 |
UFOと言えば・・・
話はそれるが、当初計画を予定していた南昌山はUFOがよく目撃される場所らしい。盛岡市内の方から見ると、この山の方角によくUFOが現れるのだという。その独特な、鋭角なお椀をひっくり返したような幾何学的山容がUFOと関連付けられる一因なのかもしれない。さいたまコールの某局長さんによると、先月当局が運用した日和田山(埼玉県日高市)も、「UFO基地説」があるらしく、その局長さんは調査隊を結成して(笑、基地の探索にあたったり、一晩中、山をモニターしながらUFOが発着するのを確認しようという試みをしたこともあるそうだ(笑。(まあ、半分はジョークでしょうが・・・) この日和田山のすぐ下には、巾着田という、Ω(オメガ)型をした川が幾何学的?文様を描いており、そのようなことが超自然的な現象と結びつける要因になっているのかもしれない。確か、柳田國男の「遠野物語」の一節にも、UFO(坊主頭の宇宙人)の伝承に触れた記述があったと思うが(うろ覚え)、岩手県地域は、UFOが目撃されやすい場所なのかもしれない。
真っ暗闇の展望台で、自らを発奮させるようにわざと大声でCQを出してみるが感なし・・・。しばらくCQを断続的に繰り返していると、かするように誰かが呼んでくれているのが聞こえてくる。ノイズから少しだけ頭を出したような強度だ。何度かやりとりしてようやくコールサインを確認すると、呼んでいただいていたのはイワテGS320局で、花巻市からだ。おそらく平地からと思われるが、こんな時間に呼んででいただけるのはありがたい。
DCRに切り替えてみると、50km位離れた奥州市のイワテAA169局からの応答がドドーンと入ってくる。立ち位置を微妙に選ぶ必要はあるが、奥州市方向は木立で邪魔されているにも関わらずよく入感してくる。今回お世話になるAA169局とは、QSOという意味では、去年の多良間島(沖縄県)からのEsQSOが余りに印象的だが、その後のSV時に対馬(長崎県)からつながって以来だ。さっそくご挨拶させていただき、いろいろお話を伺っていると、この新山展望台はよくイワテAA707
局が使われている(いた)場所らしい。明日はバッタリ偶然なんてこともあるかも・・・とのことだ。11mでは、さっそくいわてAN26局の信号も入感してくる。花巻空港サイドからの運用だ。2年半ぶりのグランドウェーブQSOで、まずは目標の一つを達成だ。
OAD本番 |
[遠くには、まだ雪山も見える]
OAD本番も新山展望台からの運用だ。5:45到着。空は快晴・・・がしかし・・・周りの木立がザーザーと音を立てている。台風並みの強風だ。しかも絶え間ない。でもここまで来た以上「運用するしかないっしょ」、と一応展望台に上がってみる。北西からの冷たい風が吹き荒れている。立っているだけで体がよろけそうだ。87Rのアンテナを伸ばすなどもっての外だが、幸いUFO状の展望台は、ハットのつば(=いわゆる展望部分)の上にはさらに突き出た円筒形部分があるのでその陰に隠れるとかなり風をやり過ごすことができる。しかも707ならアンテナも高さ的にすっぽり収まるので、飛ばされないように重しさえかましておけばワッチ自体は問題なさそうだ。UFOに感謝か?(笑。
6時半前、707が今日最初のCQをキャッチする。三陸沿岸の五葉山(1,351m)に移動中のとうきょうMF33局だ。あちらも暴風状態らしく、テントの中でかろうじて風をやり過ごしている状況らしい。MF33局は屈指の登山家CBerだが、さすがに風にはやられたか。「今日一日どうなるんでしょうねえ」、といった会話をしつつも、みちのくロールコールのある昼過ぎまではなんとか持ちこたえたいとのことだ。続いて、いわてAN26局の信号も入感してくる。52/52。昨日と同じ花巻だが、昨日より信号はクリアだ。各局さんそろそろ運用開始だろうか?ふもとの紫波町からも、運用場所に向けてモービル移動を開始された、いわてAD03局のDCR波が超強力入感してくる。
新山展望台は、案の定、ラジオ・テレビなどの放送局系のノイズがかぶってくる。特にテレビ系の影響だろうか、Sメーター上はほとんど針が振れない場所を探しても、サーというホワイト系のノイズが基調に流れている。87Rは比較的この手のノイズにはいい意味で鈍感だが、707は律儀にこのノイズを拾ってくる。しかも波長が短いせいか、場所をずらすと30㎝単位ぐらいでノイズの入感状態が変化する。この程度は想定の範囲内だが、唯一の想定外は3Chで、87R だともろにFM波を復調してしまう。しかもS5~6の、無論、相当ひずんだ音だ。これだと3Chで送信すると、かなりの混変調になるはずだ。ところが707だと、得体のしれないノイズをとらえてはいるものの、ほとんど復調することがない。この点も2機種の大きな違いだ。いずれにせよ、3Chは使わなくてもことは足りるし、他のチャンネルなら広い展望台でノイズの極小になる部分を探してQSOすればOKである。
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左:05:06分、朝日の中、再び新山に迫る(爆。放送用アンテナ群も見える。 中:展望台に隣接するアンテナ群の一角。(これ以外にもあります。) 右:「UFO」の円筒部に隠れてQRV。後ろは東根山。 |
陽が高くなってくると、気のせいか少しずつ風が弱くなってきている気がする??! AA169局は種山高原に移動されており無事11mでつながる。寺沢高原移動のいわてCA29局も58でガツンと入感してくる。
昼近くなると本当に風も弱まってきた(笑。待機中のDCRに久々にガツンとどなたかのCQが入感してくる。指定通り12ChにQSY、固唾をのんでコールサインを確認する。お~、なんとアオモリAA113局だ。東北自動車道カムバックモービル中のようで、紫波SAから10分だけ?時間を割いてQRVされたらしい。AA113局との「対話」も久しぶりで、ここまで来た甲斐があったというものだ。
昼過ぎにはいわてDS94局とも無事つながったが、しかし、朝方、AA169局やAN26局とラウンドQSOされていたと思しき、いわてDE69局の信号だけがどうしてもとらえきれない。それと残るはAA707局だ。
風が弱まりだしてからは、ストーブも使えるようになり、コーヒーも既に6杯目に突入(笑、カップを片手にくつろいでいると、そのAA707局の信号が超強力入感してくる。RS59。盛岡市の天峰山移動とのことで(と言っても当局にはどこだかさっぱり分からないが)、今日一日で最も強力な信号だ(笑。もともとは八幡平に移動をかけようとされたらしいが、悪天候で道が閉鎖、移動地変更で天峰山に転戦されたらしい。それにしてもAA707局は、2年半前の早池峰からのQSOもよく覚えておられ、一期一会のQSOを目標とする当局にとって、今回もつなげて頂いたことは感謝感激だ。
その後もAA707局のQSOをお聞きしていると、いわてDE69局とつながったようだ。こちらも必死にうろうろしてDE69局の電波を探ってみると、かろうじて31~41でCBLすることができた。DE69局とは結局QSOは果たせなかったが、夜の部でアイボールを予定しているので、ひとまずはよしとしよう。
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左:岩手山も顔を出す。左手前三角形が南昌山。 右:「UFO」型?展望台。今回の「愛車」はラクティス。 |
居酒屋RC
居酒屋RCは19時開宴だ(笑。お集まりいただいたのは、音頭を取っていただいたイワテAA169局さん、いわてDE69局さん、いわてDS94局さん、いわてAD03局さんで、みなさんもちろん移動運用後に北上市内に集まっていただいたものである。この4局さんには感謝に絶えない。(この場を借りて御礼申し上げます。)RCでの話題は、AA169局の直近の沖縄運用の話や県内移動運用ロケの話、ラジックスの新CB機など、さまざまだ。DS94局に釜石での震災時の話などを伺っていると、人間の能力の限界なども改めて思い知らされる。一方で、震災後に県内復活組の局長さんも増えており、11mもまだまだ盛り上がりつつあるという話を伺えたのは、心強い限りである。
2次会も気づけば12時を回り、楽しい時間を過ごせたことを、みなさんに感謝感謝!!岩手各局TNX!!
('14/05)
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居酒屋RCも2次会まで突入! |
運用データ |
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■運用日時・運用場所: 2014年5月3日(土) 19:45~20:50 岩手県紫波町新山展望台(標高525m) 2014年5月4日(日) 5:55~14:40 岩手県紫波町新山展望台(標高525m) ■使用&装備リグ: CB: ICB-707(SONY)、ICB-87R(SONY) DCR351(デジタル簡易無線): IC-DPR5 (ICOM)+1/2λホイップ (第一電波) および1/4λホイップ(第一電波) ■使用電源(予備含む) ・Li-ion: 7.4V/6.2Ah×1(DCR)、 7.4V/6.4Ah×1(DCR)、 11.1V/2.6Ah×1 (707) ・乾電池:(87R) |
5月3日(土) | |||
イワテGS320/岩手県花巻市 | 41/52 | イワテAA169/岩手県奥州市(DCR) | M5/M5 |
いわてAN26/岩手県花巻市花巻空港サイド | 51/51 | ||
5月4日(日) | |||
とうきょうMF33/岩手県住田町他境 五葉山 | 54/54 | いわてAN26/岩手県花巻市 | 52/52 |
いわてAD03/岩手県紫波町M(DCR) | M5/M5 | イワテAA169/岩手県種山高原 | 52/52 |
いわてCA29/岩手県遠野市寺沢高原 | 58/56 | アオモリAA113/岩手県紫波町紫波SA(DCR) | M5/M5 |
とうきょうMF33/岩手県五葉山(みちのくRC) | 53/52 | いわてDS94/岩手県釜石市箱根山 | 53/52 |
いわてAG22/岩手県盛岡市松園 | 55/55 | イワテAA707/岩手県盛岡市玉山区天峰山 | 59/58 |
イワテAD03/岩手県遠野市寺沢高原 | 56/57 |