6月21日(土) 波照間島
翌朝6時過ぎには、「日本最南端の碑」に向かって、チャリンコを走らせる。
集落を抜けて、やがて海に向かって続く緩やかな坂の上に出ると、島の大地の向こうに海と空が広がる。この広大な景色は、学生の頃にうろうろしていた北海道の景色を髣髴とさせる。
遠く、サトウキビ畑の向こうに群青の海が見える。このまま果てしなく南へ通ずるような錯覚を覚える。
自転車を転がしていくと、なにもない海辺の草原に忽然と「星空観測タワー」が現れ、何頭ものヤギが草を食んでいた。そのむこうに、日本最南端の碑があった。
87Rでコンディションを観測してみると、さすがに朝7時前という時間だけに、電離層もまだ開店準備中だった。CQを飛ばしてみるが、静かにサーというかすかなノイズが、濃紺の海をバックにした87Rから返って来るだけだった。
宿に取って返し、7:30きっかりに朝食をスタート。沖縄での数少ない経験則と解析結果から、朝10時頃までがEs QSOの勝負と睨んでいた。本当はもっと早く済ませたかったが、7:30からなので仕方ない。いつコンディションが上がり始めるか分からない。速攻で朝食を済ませ、もどかしい思いで自転車を飛ばしニシ浜へ向かうが、荷物のパッキングとチェックアウトに手間取ったせいで、QRVは8:15分を回ってしまう。
波打ち際に急ぎ、770とイスを詰めた重いバッグを右肩に提げたまま、無心で、左手の87Rのスイッチを入れてみた。
最南端 |
果たして、今日こそつながるのか。宿に取って返し、ニシ浜へ向かう。 | 6:45、87Rからは、かすかにサーというノイズが返ってくるだけだった。 |
波照間島